光と、色と、眼
色の正体をつかむためには、色は最終的には視覚的な存在だということを、よくわきまえておく必要がある。

もうすでに、メタメル色のところで述べたように、人間の眼は光のスペクトル分布を分析してみることはできない。そのため、スペクトル分布がかなり相違する二つの色がある照明条件では同じ色に見えたり、スペクトル分布が大幅に違う二つの光がやはり同じ光色に見えたりする。

その点、カラーフィルムの方がずっと正直である。日かげで写せばスカイライトの影響で青っぽく写り、昼光用フィルムを電灯光下で使うと全体が黄赤っぽく写る。そして、ちょっとした色の反射があっても、それが結果にあらわれてしまう。そのためカラー写真では、カラーフィルムの性質をつかむということが大切になるわけだが、そのまえに、われわれの眼が光と色に対してどのような特性をもっているか、ということを知っておきたい。
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