色度と色度図
色度というのは、色相彩度、つまりどんな色、そしてどれくらいのあざやかさをもつ色かをあらわす尺度だが、CIE法でその色度を求めるにはさきのXYZさらにXYZに変換する。その式はX=  X   Y=  Y    Z= Z   を使用する。             X+Y+Z    X+Y+Z    X+Y+Z なお、これらはX+Y+Z=1の関係にある。

さきに計算した20YフィルターのXYZから、このX、Y、Zを求めてみると、X=0.3391、Y=0.3626となるが、これが20Yフィルターの色度ということになる。なお、コダックのフィルターの説明書に発表されている20YのXCとYC(CはC光源によるものであること示す)とは値が若干異なるが、他のフィルターについても計算してみると、下2桁あたりまではほぼ一致する。

さて次に、このようにして計算して得たXを横軸に、Yを縦軸にしてグラフにすると色度図ができる。図4-2はそのCIE色度図である。図のVからRまでの馬蹄形の曲線は、スペクトルの一つずつの波長についてスペクトル刺戟値(     )とかけ合わせて得られた色度座標をプロットしてできた曲線で、スペクトル色軌跡と呼ばれる。もっとも純粋な色をもつスペクトルの各単色光がこの線上に位置するわけで、この線上に光の波長が示される。また、図下のVR直線部は、紫Vと赤Rの単色光の混合によって得られる、光スペクトルにはない赤紫色の純な光が位置する。これは純紫軌跡とばれるが、あらゆる色はこの馬蹄形のどこかに一点として位置することになる。 光源の光は、直接的に眼に入る色であるあら、各光源の分光比エネルギー分布を直接スペクトル三刺戟値とかけ合わせて、xとyが求められる。図中、ABCDとあるのは、各標準の光A、B、C、Dの値から計算された色度座標の位置である。左右につながった曲線は、黒体(色温度)色軌跡といい、色温度で述べた黒体放射の各分光エネルギー分布(図1-8参照)から計算してつくられたもので、色温度変化が色度図上でどのような動きを示すかがわかる。(図4-3参照)。

光源の色温度数値は、カラーメーターでも見いだせるわけだが、正確な色温度は、このような光源の分光比エネルギー分布を測定してこれをスペクトル三刺戟値に合わせて色度を計算し、その色度がこの軌跡上にくれば、その位置の色温度をとって表示されるのである。しかし、すべてがLH線上にくるとはかぎらない。LH線上からずれたときは、図のような等色温度線をたてて色温度を付けるとされる。いうまでもなく、LH線上から離れるほど、黒体放射の色とは違った色になる。したがって、光源の色温度は、つけられた数値が等しくても、たとえば蛍光灯のように分光分布が大幅に違っている場合があるばかりでなく、実際に眼で見ても色味が違うものがあると考えねばならないわけで、色温度だけでは正確な色味はつかめないということである。
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