光の三原色(BGR光による加法混色)
さて、この基本となる三原色光はスペクトルを三分した範囲のなかで、かなり広範囲にわたって三原色光に該当する単色光(たとえば435nm、、546nm、700nm)を選択できるとされる。しかし一般には図3-3のAに示すように、可視光域を三分したそれぞれの範囲の光が三原色光される場合が多い。つまり、青紫色光は約400から500nmまで、緑色光は約500から600nmまで、また赤色光は600nmから700nmまでの間で各波長光が混合された光である。現実に、これに近い三原色光は、同図Bのような透過率をもつ3色分解用フィルターを、白色光にすかしてみることができる。

さて、この三原色光BGR光を混合すると、多様な色をつくることができる。実際に実験してみるには、同図下のように3台の映写機を用意して、前記した分解用フィルター(たとえばラッテンNO47=B、No58=G、NO25=R)をそれぞれの映写機のレンズにかける。すると各映写機からは純なBGR光がスクリーンに投影されることになる。それぞれの色光を、図のように互いにずらして投影するとスクリーン上で各原色光が重なり合って、色光が加法混合されることになる。

すでに述べたように、各BGR光は光の波長範囲の約1/3ずつをもった光であるから、B+G、B+R、R+Gという二つずつの組み合わせでは当然その部分のスペクトルの範囲はそれぞれ2/3ずつとなる。

このように光の範囲の2/3の色が、イエロー、マゼンタ、シアンなのである。つまり、B+Gの混合ではそのスペクトル範囲は約400~600nmとなるが、これがシアン、B+Rによりできる2/3色がマゼンタ、G+Rによりできる2/3がイエローである。図の各部には各色がどのような原色光でできる色かを図解してある。

このようにG+R=Y、B+R=M、B+G=Cができるのは、各BGR光が等しい割合で混合された場合であり、各原色光の強度割合(明るさ)を変えると色相が変わる。たとえば、G+Rの等量の組み合わせではYフィルターから透過する光と同様な純なイエローになるが、両者の強度割合を変化させると、G+Rにより黄緑、G+Rによって黄赤つまりオレンジ色ができる。同様にB+G、B+Rの場合も両者の強度割合を変化させると色環上のあらゆる色相の色をつくることができるようになる。

さらに、2色光でけでなく三つの原色光とを組み合わせれば、低彩度の微妙な中間色を無数につくることができるようになる。また、三原色光が重合する図の中央が白になるのは、BGR光はもともと白色光を三分してつくった光であるから、これが全部そろえば白になるのは当然である。ただし、BGR光のバランスが変わると、中央は何らかの色を帯びることになり、必ずしも白になならない。
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