物体の色は光源によって変わる
物体を照明する光源の色(分光分布)が変わると、物体から反射されてくる光の分光分布も変化するわけだから、物体の色が変わってくることになる。

図2-4は、光色の異なる2種類の光源で同一の赤紫色の物体色を照明したとき、その赤紫色の物体から反射して眼に入る光の分光分布が、どう変わってくるかをグラフにしたものである。

この赤紫色は図の中央のように、短波長側の青紫色光と長波長側の赤色光をより多く反射している。これに対して、Aのように電灯光線を与えると、その反射光はAのように変わり、青紫系の反射が減少して、その赤紫色は赤っぽい色になる。

これに対して、スカイライトのような短波長光をより多く含むB光が与えられると、同じ赤紫色は、B′のように紫色に近くなる。しかし、これは眼でじかに両者を比較してみるとその相違がよくわかるが、北窓の光(Bのような光)と電灯光(A)とでこのように大きな色の相違が生じているように感じられないのは、後に述べるような眼の特性(色順応)と色彩恒常作用という心理的な作用が働くからであるが、物理的には、光源色の変化はこのように直接的に物体色の変化につながることを知っておく必要がある。カラー撮影をすると、光源によって色が変わるのは、以上のような物体色の変化がおこるからである。
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