色のあらわれ方----反射色と透過色
身辺にあるほとんどの物体は、与えられた光の一部を吸収し、残りを反射または透過させることによって色を生じているわけだが、一般の物体のように光の反射による色は反射色、フィルターやステンドグラスのように、光を透過させる色は透過色と呼んで区別している。

カラー写真でいえば、反射光で見るカラープリントは反射色であり、透過光で見るカラースライドは透過色である。

一般の反射色の場合は、光源からきた光が物体にあたると、物体の表面では一部の光が入射角に等しい角度で反射して”表面反射光”が生じる。表面がなめらかで艷のある物体ほど、強い表面反射光が生じるのはいうまでもない。滑面(グロッシー)の印画紙がテカテカするのはそのためだが、この表面反射光は通常は光源からきた光をそのままはねかえす。そして、他の部分の光は物体表面を構成する物質の内部にはいり込みそこである部分の光が吸収されて濾過されて、吸収されない光だけが内部から乱反射し、これが眼に入ってある色に感じられる。一般のモノクロプリントやカラープリントの場合は、ちょうど白い紙にフィルターを重ねたときと同様に色画像の膜で吸収をうけ、吸収されない光は膜を透過して白地ではねかえり、もう一度色画像の膜を透って出てくる。つまり、光は”フィルター”を二度透ることになる。色印刷物も、透明インキのベタ刷りの場合は同様な理屈で色が生じる。しかし網板の場合は、A〜3のようにインキの重なった点の部分は以上のとおりだが、点のない部分は白い光がそのままはねかえり、インキの層を透った部分とそうでない部分との光が加法混色されるという複雑な色のあらわし方をする。

一方、フィルターのような透過色は、入射した光のわずかな一部が表面で反射されて失われるが、90%以上の光はフィルター内部に入り、そこである部分の光が吸収され、吸収されない光がフィルターを透過して出てくる。フィルターの場合は、2枚重ねて使われる場合もあるが、その場合は、2枚の各フィルターの透過率の掛け合わせになる。そのため、たとえば透過率50%のフィルターを2枚重ねると、0.5×0.5=0.25つまり25%となる。
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