色温度の変化と色の変化
人間の眼にとってまたカラーフィルムにとって、どのくらい光源の色温度が変わると光色が違って感じられるかということはきわめて重要であるが、その範囲は、通常人間の眼は5ミレッド、またカラーフィルムは10ミレッドくらいとされている。ということは、露出のラチチュードと同様な考え方で色温度のラチチュードを設定すると、カラーフィルムの場合はプラスマイナス10ミレッドが色温度のラチチユードということになる。

つまり、撮影光源の色温度の変化が10ミレッド以内であれば、実用的には大丈夫ということである。そこで、これを昼光用(デーライトタイプ)の場合にあてはめて色温度のラチチュードを求めてみると、5208度Kから5814度K、また3200度Kランプの場合は3096度Kから3303度Kとなり、撮影光源の色温度がこの範囲内にあれば、一般的には実用上のラチチュードにはいるということになる。

なお、以上のデータを見てもわかるように、色温度の高い状態ではかなり広いラチチュード(5500度Kではプラスマイナス約300度K)があるが、色温度の低い電灯光などはきわめて狭い(3200度Kではプラスマイナス約100度Kしかない)ので、色温度調節は色温度の低い状態ほど厳密にする必要があるというわけである。
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