光の性質は波長によって異なる
光は波長によって色が異なるというだけでなく、屈折とか散乱といった光の性質そのものが著しく違ってくる。これは写真にとっても非常に重要な関係がある。

まず第一に、光の屈折のしかたが異なる。これは光のスペクトルの図を見てもわかるように、波長の短い光ほど屈折角が大きく、波長の長い光ほど屈折しにくい。そのため例えばレンズではレンズに入射した光は各波長ごとに別々の位置に焦点をつくることになり、そのためピントがぼけるという色収差と呼ばれる欠点が生じる。現在の優秀なレンズは、この欠点がほとんど除去され実用上の支障は全くないとはいえ、たとえば赤外線撮影では、そのための特別な焦点調節が必要となってくる。

赤外線は光よりも波長が長く、赤色光よりもさらに屈折しにくい。そのために、赤外線は赤色光よりもさらに後方に焦点ができることになる。したがって、通常のピント合わせではいうまでもなくピンぼけになる。そこで赤外撮影では、レンズを前に出す操作が必要になるわけで、そのため最近のカメラのレンズには赤外線の場合にどれだけレンズを繰り出せばいいかわかるように、赤外マークがつけられている。
次の項目

RW institute of color and photography

Top Page   色再現関連製品   吸着システム   色のものさし