光の範囲と光のスペクトル
光の感覚というのは眼に関する問題だから、いうまでもなく個人差が生じる。つまり、それぞれの人がもっているフィルム(網膜)によって、感じ方が違ってくることになるわけだが、標準的な眼にとっては厳密には約380nmから約780nmの範囲を感じるとされる。(nm ナノメートルは百万分の一ミリ)しかし、この可視光域の両端での感度はきわめて鈍くなって、ほとんど感じなくなるので、一般的には400nmから700nmまでを光の範囲(可視光域)とし、400nm以下を紫外線、700nm以上を赤外線として取り扱う場合が多い。

太陽の光やランプの光を分光器で見ると、プリズムで光が分散されて紫から青、緑、黄、橙(黄赤)、赤といった美しい帯状の色の縞をみることができる。これを光のスペクトルと呼んでいるが、そこで見る紫の端が約400nm、赤の端が約700nmの波長をもっているということである。

光のスペクトルを見るとわかるように、それぞれの波長域は色によってまちまちであり、赤はもっとも広い。およそ光の約1/3を占めている。次に緑、その次に紫と青であり、特に黄と橙はごく狭い範囲にしかない。こうみても、光の主な構成要素は赤と緑と青紫という三つの色光(光の色の三原色光)であることが分かる。

またこのスペクトルのようにはっきりと波長的に分離された光(特定範囲の波長光)は単色光と呼ばれ、色の中ではもっとも鮮やかでこれ以上鮮やかな色は存在しない。それに対して、いわゆるふつうの照明の光とか、物体からの反射したり透過したりしてくる一般の光は、これらの鮮やかな単色光が多様な形で混ざり合っているので、これらは単色光に対しては複色光と呼ばれることがある。我々の見ている99%以上は複色光であり、単色光はネオンサインとか高速道路のトンネルに見られるナトリウムランプの光など、まれにしかみることができない。
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