続・拝啓文部科学大臣 殿   「公開 iro 建白書」 2011-06-11

    現在の色彩学は とっくに この時代に対応していない!
    科学立国のための 色彩分野での改革原案・未来図あり!
      文科省ホームページからの1000 字質問メール/2011-02-16「文部科学省への質問と提案」(*1)を補足(現時点いまだ返信なし)
                脇 リギオ/ Rigio Waki / 脇色彩写真研究所 主宰/ RW Institute ( 多摩美術大学名誉教授 )

●科学力を育てるその方法論
 その日(05-23)の天声人語は、『東電原発は、組織の欺瞞の「最悪」の例、〜安全委員会は「暗然委員会」〜私たちは、原発と国の未来図を、専門家の手から自分たちの手に一度取り戻す』、日経の「科学を知り判断力を養う」(東大坂村健氏)は『サイエンスライターや科学ページの強化、科学の基礎知識を義務教育でもっと教えることが重要』とあった。しかし、単なる学力アップはその『暗然委員』の数を増やすだけ、理科離れを進行させるばかり?かも知れない。大事なことは、単に科学知識を増やすのではなく、何にでも疑問をいだき、自分の頭で考え、批判精神を育て、それを科学的に解決し実行できる人間を育てることではないだろうか。問題はどうやってという、その方法だが私はそれには「色」が最適であろうと常々思っているその理由は、現状、色は感じるもので理数の対象にされず、あいまいなまま思考停止状態に放置されているその「色」を論理的、科学的に検証できる新しい実証色彩術を導入し、現状では理解できない「混色」結果を数値的に明確に解明する授業を組み込めば、感覚的な色を理数化して捉えることのできる驚きと喜びが生まれ、おのずから科学する心と論理性が養われ、「あいまい」なるものを明確化しようという真の科学力も身に付く。理数力とあわせて国際的にも一段高いレベルで色彩科学と実務に強い国民を育てることができ、右脳と左脳がドッキングして脳が活性化され、新たなる創造性の展開も可能になるに違いない。少なくとも現実にある色世界の欺瞞追放と色彩科学教育改革が確実に可能になり国も活性化できる。

●あるのは混乱と思考停止、現状では色は科学できない
 私は5月/2009の日本色彩学会大会(慶応義塾大学 日吉キャンパス)でグレイバランスによる色覚判定法(*2)を実物展示し、実際に体験されたユニバーサルデザインの幹部殿から有効方法として大層褒めてをいただいた。それをバネに本格的な展開をと考えたものの、はたと当惑してしまった。その後の印刷色再現調整法(*3)も同様、その原理の理解には「混色」の基礎知識が不可欠だからであるが、現状はいまだに光の三原色の赤、緑、青は正しいとしても、色の三原色を黄、赤、青とする新刊色彩書がある。これでは光の混色(加法)は赤+青=赤、緑+青=青、色の混色(減法)は黄+赤=赤、赤+青=青となり色が論理的に理解できるわけがない。その原因は国のトップ色機関自体の研究怠慢と欺瞞にあるというショッキングな事実がその背景にある、ということが以下の証拠物件から納得されるであろう。

●その理由 時代に対応できない色トップの末期症状 そこに正しい混色知識はない
 証拠物件1:それは、日本の色トップ機関日本色彩学会と公益法人日本色彩研究所編の比較的新しい「色の百科事典」(丸善/平成17年9月)である。そこでは、肝心の「減法混色」の項には何と一行も解説がない。そして「混色」には「赤と緑のフィルターを重ねると黄色」とある。光(加法)では黄色になるが、フィルターや絵の具(減法)では黒に近くなる。著名出版社の2万3000円もするこの色の百科で「混色」すべてが闇の中にある。そこには正しい混色知識はないが、明快に書こうとすれば書ける筈だからそれは、「混色知識の排除」とみる方が正しいようである。
 証拠物件2:私が日本色彩学会に入会してすぐにその「混色」が明快に解決できる「減法CMYカラーシステム」・・CMY三原色フィルター使用の色計算が可能な減法色体系と色モノサシの提案・・を発表(平成21年3月)(*4)したところ、何と「減法混色用語無用論」が学会誌に掲載された。用語なしでは混色の区別も翻訳も不能になる、教育的にも有害、無責任もはなはだしいが、編集長N氏は掲載理由を回答せず、提案は教材委員会でも何ら検討されされずじまいである。
 証拠物件3:更に、色と画像特集の論文募集に応じて投稿した「色画像時代のカラーリテラシー」(*5)はこれも何と「新規性なし」と掲載を拒否。先端色ノウハウを修正させず拒絶とは何事か、そして審査側に混色知識なしの審査は無効、発表妨害の疑義ありにも、納得できる返答はない。
証拠物件4:そこで、色トップ機関の少なくとも編集部を牛耳って君臨する(でなければそれは掲載されない)「〜無用論」執筆K氏の「色彩の心理学」(岩波新書134/初版1990/2008版)を開いてみると、口絵7の「青と黄の融合は緑か?」の青色はあきらかに紫か菫であり、p.94の「橙は赤と黄の混色、緑は黄と青の混色、菫は青と赤の混色」、また「赤の補色は緑で、混合すると無色(黒)」とあるその文中の「橙」はR、「赤」はマゼンタ(または赤紫)、「青」はシアン(または青緑)、また、p.120の「青と黄の絵の具の混合は緑をつくり、青と黄の光の混合は無色となる」は、たとえ原著がそうでも、「前者の青は青緑、後者の青は青紫」と注釈すべきである。「色名はそれがどんな色をしているかわからぬことが多い」と別書名をあげ断ってあるが、色特性が大きく異なる色に同じ色名が使われては色は科学できず混乱あるのみである。
 証拠物件5:更に同氏の「色の科学」(みすず/初版68〜/73年版)は古いがここですべての謎があきらかになる。そこにある「減法混色」(p.77)の具体例はわずか9文字「黄と青で緑ができる」以外、一切の解説がない。それが『書かれざる「減法混色」の原典』であることは間違いないであろう。そして、三原色については「黄色が赤と緑の混合であることが納得できない」(p.150)のすでに証明済みの三原色説を認めない頑迷な偏見には、そもそもそこには、科学であるためには不可欠の何故かという「実証」も「検証」もなく、原理、根拠、定義、出典もあいまいという決定的不備がある。だから「色の百科」でも混色は混迷、「減法色システム」登場に「〜無用論」掲載となる理由と背景が当然といえる構図、帰結としてはっきりみえてくる。つまり、色トップ機関にとっては天動説と望遠鏡同様、「減法色システムの理論と先進ツール」は邪魔であり有害なのである。混色すべてがその色彩理論と色計算で明快に解決されては困るのであることにまず間違いはないであろう。そして、問題はその結果、国民には正しい混色知識が届かず、それがいまだに無批判に引き写しされて常態化し、今日なお思考停止状態のまま検証不能に放置されているということである。それはあきらかに色トップ機関「識者達」が操作したことであり、その研究怠慢と知の遮断という欺瞞行為の責任はまさに重大であり、犯罪的であるとさえいえる。

●画期的減法色システム登場を拒絶 出る杭は打ての標本
 よほどの脅威となったであろうその「減法混色」を論理的明快に厳密検証できる「減法CMYカラーシステム」は、電卓が普及する37年前すでに用意され提案(*4 *6)されている。CMY三原色フィルターの組み合わせで無数の透過色と反射色をつくって濃度で色の加減算を自在にし、等色させてCMY量を測り、フィルター透過率をもとに今はウィンドウズでCIEのXYZ、xy、Lab、マンセルHVCまでが計算可能になる画期的色ノウハウは、「色・石器」時代を一挙にコンピュータ色計算時代へと変革する一大カラーイノベーションである。今では光色によって色がどう変わるかを含めると視感不能を含めれば1670万色以上の減法混色結果が計算でき、CIEデータとともに色がモニタ表示(色計算例 *7)可能になる。私はその減法色システム(初出:74年)(*6)をはじめ、公益法人には研究資料すべてを欠かさず送ってきたが検討された形跡は一度もない。さかのぼれば、サービスプリントが爆発的に普及しながらその色再現のいい加減さが社会問題化(1989年11月に朝日声欄に苦情が二回にわたり掲載された)(*6)ときも、学会、公益法人は何も対応していない。

●国と文部科学省にあらためて質問
 にもかかわらず、その色トップ機関は今もホームページで ”日本で唯一の色彩に関する総合的研究機関(文部科学省所轄公益法人)”と堂々と標榜し権威的存在を誇示しながら、一方では色の百科に「減法混色」を解説せず加法と減法を入れ違えてあきらかに混色を混乱させ、「減法色モノサシ」登場には同名の「〜用語無用論」をぶつけ、投稿論文を修正もさせず原稿を直返送するなど、そこにあるのは、看板にある「科学の進歩発展に貢献」どころか、逆に、新理論と技術開発を排除していることはあきらかであろう。しかもその後、百歩譲っておこなった学会編集長の雇用者としての責任と起死回生策の提案にも公益法人理事長O氏からの文書には「責任なし、提案無用、天才世に入れられず」であった。科学の発展、国や国民の未来など何も念頭にない、権威を私物化した保身独善の姿がそこにあるだけである。国と文部科学省はじめ学術審議会、各関係機関に問いたい。このような国民を愚弄する私物化された公的機関を放置黙認したまま、真面目に科学立国をめざそうというのであろうか。事実関係を徹底調査し納得できる回答を国民のまえに公開していただきたい。

●「あいまいさ」も欺瞞もない公正な国づくりを!
 3・11以後、今まさに国家存亡の危機にあり、日に日に官産学、企業そして個々も自分にいったい何ができるかが強く問われている。だから、おそらく3・11までは唐突に受け取られていたであろう私の大臣宛メール送信(2011-02-16)も、今では当然の責務として少しはご理解いただけるようにも思うのであるが、いずれにせよ日本の国を根本的に立ち直らせるにはすべての分野で組織欺瞞の検証が必要、そのためにはひとり一人が意を決して立ち上がる、それなしにこれからの真の日本の復興はあり得ない。そういう意味では忍耐必ずしも美徳にあらずであると思うのである。私も、「減法色システム」をはじめとする画像・印刷色再現、色覚、カラーマネージメントすべてにおいて更に実証色彩学をおし進め、よりいっそうの科学の進歩発展とあいまいな国から「あいまい」でない公正な国づくりのために、”色革命で日本革新”の気概をもってせめてものお役に立てるようあらゆる可能性をこれからも追求していく所存であることを表明するものであります。(2011-06-11)

・本日は東日本大震災から三ヶ月目にあたります、あらためて被災された皆様にこころからのお悔やみとお見舞いを申し上げます。

●クリックして以下を呼び出せます!
*1: 文科省ホームページからの1000字質問メール/2011-02-16 、 *2:グレイバランスによる色覚判定法*3:印刷色再現調整法:RW プリンター 標準出力調整ガイド< <CCG-55>*4:減法CMYカラーシステム(教材研究会発表)*5: 「色画像時代のカラーリテラシー」*6 :写真工業/75年7月号 /CCフィルターを使った新しいカラーシステム/(p.22~27) *7:CIE色計算例*8:現代写真術の検証/映像学会論文。





近況ご報告5−5/2011 「文部科学省への質問と提案」


              東日本大震災に被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。

同省のホームページ「科学技術や学術の基本的な政策〜に関すること」からメール送信(1000字) 
(日時 21:45/2ー16/2011送信、5−5時点で返信なし。)

拝啓 文部科学大臣 殿 
色彩科学教育の問題点と改善策 (2−16/2011) 
                                    多摩美術大学名誉教授 脇 リギオ/脇色彩写真研究所主宰

1)問題点:科学立国に色彩科学技術の強化も急務の筈。しかしこの色再現時代もはやマンセルは役に立たず色の根本理解にはCIE表色系が不可欠ながら現実はCIEどころか教員ですら三原色、色混合も十分に理解されていないその原因ははっきり国の色トップ機関の長期怠慢にある。

2)証拠物件:私は09年に日本色彩学会に入会し3月、あらためて色計算をPC化した「減法混色による色モノサシ」(初出73年)(1)を発表したところ、学会誌は「減法混色用語無用論」(2)を掲載。それは色の理解を妨げる暴論、しかも(1)に無用をひっかける悪質なあてつけ行為(3)と編集長に抗議し掲載責任を問う。更に5月、別投稿論文「色画像時代のカラーリテラシー」が「新規性なし」と拒否(4)され特許ノウハウに「新規性なし」とは何事と問うたが、いずれも正答を拒否された。その一年後、たまたま色トップ公益法人編著の「色の百科事典」(丸善/2005)(5)を手にし驚いた。正解を発見。そこには「三原色」も「色再現」も索引になく「減法混色」は解説が、何と一行もない。「混色」には「赤と緑のフィルターを重ねると黄色」と間違ってある。要するに書けないのか書きたくないのかだが、どちらにしても異常である。混乱を意図の嫌疑すらある。法人と著名出版社の名誉を毀損し読者の信頼を裏切る行為。しかし公益法人理事長は「当方に責任なし、提案不要、天才世に入れられず」であったが、以上のすべては(5)の執筆内容と密接な因果関係をもち、それは無用論掲載と嫌がらせ、投稿掲載拒否の行為が保身(研究怠慢、隠蔽)のための悪質な研究発表妨害であったその状況証拠となる。私はこれを亡国腐敗行為とするが、質問、もし国がこれら一連の行為に公益法人として違法性がないなら明確な根拠をご提示いただきたい。

3)提案:色彩史上の難問「減法混色」は、世界初に色の加減算可能な「減法CMY色システム」により理数的にCIE表色系と連繋して明快に解決できる。これを国の戦略的施策とすれば色彩科学で世界トップの座も夢ではない。右脳と左脳をドッキングし理科離れ防止、科学立国、経済発展、外貨獲得、雇用にお役立てできる唯一の起死回生策。ご検討を乞う。以上


RWホームページにもどる