■ 陽の目を見ない子供たち ■

●連載はしたけれど…

■フライドチキンストリート
関西のタウン誌に月刊連載したコメディ漫画。これを描いてる最中に小学館でデビューした。本当はこっちがデビュー作かもしれないが、そうは思えない。編集長が友人の友人。コネで描かせてもらっていた。月刊連載がいつのまにか春号、夏号になり消えていった。

■Mr.サイエンス
夕刊紙の関西版に週4本描いていた四コマ漫画。タイトル通り夕刊紙の読者を無視したSF4コマだった。途中で気がつき修正したが後の祭り。2ヶ月で打ち切りになった。これを描いてる最中に小学館でデビュー。
思えば月刊誌と夕刊紙2本も連載を持った新人デビューも珍しいだろう。東京の出版社で仕事をしなければ漫画家じゃないと思っていた。当時の同人誌上がりとしては珍しいメジャー志向だったのかもしれない。 このほかにもカット、イラストの仕事もしていたので、デビューする前の方がはるかに収入があった。

■科学情報漫画
デビューはしたけれどモノにならない。コンテ地獄で生活も出来ない。かわいそうにと原作でも付けて増刊で描かせたらなんとかなるかもしれない…と思ったかどうか。 増刊で隔月連作、原作付きの仕事をもらった。これが、初めてのまともな連載。
2ヶ月に一回原稿をもって東京へ通った。 始めは航空便で送るため、大阪空港へタクシーを飛ばしていたが、原稿が出来あがらず、カッターとトーンを持って新幹線に乗った。恥じも外聞もなく座席でトーンを削り、点描を打ち、東京駅でホワイトを入れた。
結局ものにならなかったんだろう、2年間続いたが単行本にはならなかった。 まだ少年誌に余裕があった頃、漫画家としてのランクが決まった作品だった。

■オルガラード戦記
星の数ほど漫画家はいるけれど、こんな連載をやったのは私だけだろう。
まずは、マイナー誌より連載の依頼を受けた。単行本化をしたいので初回48ページ、2回目以降24ページの7回連載を。内容は自由。原稿が溜まり次第即単行本化。もちろん即引き受ける。
以前から暖めていた、女戦士が主人公のSFハードヒロイックファンタジーを描く事にした。
巻頭4色カラー4枚付き、目次もトップ。表紙の名前もトップ、背表紙に絵も載っている。久しぶりに良い扱い。原稿を描き上げ新連載はスタート、意気揚々と2回目を描いてたら……締め切り間際になっても催促の電話が来ない。なんか変。これで編集部がつぶれているというパターンはよくある事。こっちから連絡を入れてみると普通に営業している。ほっとして、次の締め切りの話をしてみると、「あの連載はやめました」の一言。一瞬真っ白。「やめましたって…2回目描いてるんですけど」「どうしても描きたかったら描きおろしで描いてください。単行本にしてあげます。」
もうなにがなんだかわからない。どうしても描きたかったらって、私はそっちの依頼で描いてるんだ。どこの世界に巻頭カラー連載が一回目で打ち切りになる?打ち切りになった連載をなんで漫画家に知らせない?…その後いろいろあったが、最短連載記録達成。打ちひしがれて当然描きおろしをやる気にはなれなかった。
どっかで続きを描かせてくれる所はないでしょうか?…などとPR。

■レイディ
4コマ雑誌の増刊で競馬特集雑誌が出た。そこに2年間連載した作品…といったら聞こえはいいが、年2回競馬シーズンに合わせて出るだけだったので、4回続いただけの作品。
しかし、間に阪神大震災が起こる。直後に描いた第3回はドーンと重いシリアスなストーリイになった。
牝馬の3才新馬戦からリアルタイムで4才秋までのエピソードを描く事が出来た。こうなりゃ引退するまで描いて今度はその子供の話を描いてやる…と思っていたら本がつぶれた。編集者も「わたし退社しました」と連絡が来た。辞めるのはかまわんが引継ぎしていってくれえ…。以後その出版社とは付き合いはなし。とうぜん単行本にもならず…。
どっかで続きを描かせてくれる所はないでしょうか?
描き足しますので単行本にしてくれるところはないでしょうか?…などとPR。

■……………………
タイトルが思い出せない……。東北地方で出ている中学生向け新聞。それに学園サッカー漫画を月一本連載していた。なんで関西在住の私に話が来たのかわすれた。原作付きだが原作者の名前もわすれた。岩手県まであご脚付きで取材に行った。半年続いていきなり最終回の原作がFAXで届いた。原作者と編集部のトラブルらしい。アナタは全く悪くないと編集部からFAXが届いた。ならオリジナル描かせてくれたらいいのに…。
まあいいか、観光旅行ができたし、おいしいもんも食べたし、お土産も買ったし。
旅行代金のローン返済代わりに、原稿を描いてたみたいな連載でした。

■ミラクル
競馬ゲーム「ダビスタ」の漫画本、ダビスタコミックに連載をしていた作品。 コメディタッチで結構楽しく描いていた。新人ジョッキーと無名のスピード馬の成り上がり物語。 秋の天皇賞までネタを考えていたが、ゲームが下火になり本がつぶれた。3回しか描けなかった。 まあタダでゲームがもらえたし…。
どっかで続きを描かせてくれる所はないでしょうか?
描き足しますので単行本にしてくれるところはないでしょうか?…などとPR。

■漫画「ホームページの作り方」(仮題)
これは一回も描いてない。だからここに載せる作品ではないが、(一度も載らない作品なんてこのページの何十倍ある事か)描きおろしの作品でコンテは完成。原稿も100枚以上ペンを入れている。
某超大手出版部より、ホームページの作り方を漫画のドラマ形式で一冊にまとまらないか、と依頼を受けて描き始める。資料を集め何ヶ月も勉強をしてやっとこさコンテを200枚以上描いた。
で、GOサインが出たのだが、100ページ以上ペン入れをしたあたりに、担当が人事異動でどっかへ行った。一応別の編集者に引継ぎをしてくれたのだが一回連絡をくれたっきりであとは相手にされず。出るか出ないかわからない原稿は描けない。そのうちアイデア自体が現実のインターネットの進歩についていけなくなった…で、お蔵入り。
仕事がデカかったので大赤字。まあ、この仕事のおかげでHTMLも書けるようになったし、HP解説のゴーストも経験したし、DOSVマシンも手に入れたし…、プラスマイナス…やっぱり大赤字。
ちょっと描き直したらまだまだ使えるストーリイなんですが…、
どっかで描かせてくれる所はないでしょうか?
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■漫画「ホームページの作り方」(仮題)その後
…といろいろ書いていたら前の担当さんから連絡。小児科のお医者さんと組んで本を出さないかというありがたいお言葉。「マンガ三歳までの発熱急変にあわてない本」を出してもらった。愚痴は書くものである。
…といろいろ書いてたら今度は「ホームページの作り方(仮題)」が再び仕事に! 「マンガホームページづくりの奥義」として発行され、ついにリベンジを果たす。まあ担当さんは「不良債権処理」とか言ってたが…。とにもかくにも愚痴は書いてみるもんである。いや〜忘れられてなかったのねえ。ううぅ…

●多分まだつづく…
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