大山街道景観形成協議会
大山協発足(2003.5-2004.5)から1年間および大山協・景観部会としての活動(2004.6-2005.2)

大山協の発足

初年度の活動

大山街道フェスタの開始

景観部会の発足と活動
  1. 大山協は、この街道の民間有志、区役所、市の本庁、コンサルタントの人材でスタートしました。地域民間と言うものは口は達者でもドキュメンテーションや大事の一挙の立ち上げや進め方は下手、コンサルタントの着実なリードや支援は助かりました。コンサルタントは当然のごとく、ワークショップなどで課題整理から開始しました。
     この前に、コンサルタントの選定があり、役所と一緒にいくつかのコンサルタントのプレゼンテーションを審査しましたが、中には「この地域を観察することもなく、ある「まち」の例を示し、自分達を雇えば国から金を持ってくることができる」というような大風呂敷も居ましたが、地域を知り地域密着な提案をしてきたコンサルタントにお願いすることにしました。

  2. 前述のごとく原則還暦過ぎ抜きで大山街道活性化推進協議会が発足してちょっと様子を見ていましたが、1年目からの条令着手はやめることにしました。問題整理が中心の1年で、委員として集まったメンバーの意識統一が不完全でしたから、来年まで1年待つことにしたのです。「急いては事をし損じる」です。早速、大山街道フェスタが行われることになりました。

  3. 2年目に入り、さらに課題を整理して進むことになったのですが、コンサルタントの取りまとめ資料には「街道の安全や安心」と言う課題は隅に置かれておりました。そこで、この課題を中心の一つとさせ「イベント部会、観光部会、景観部会」としたのです。どうもコンサルタントを直接コントロールしている区役所の役人が「景観部会の活動は怖い」と言う意識が働いてコンサルタントに圧力をかけたようでした。「君子危うきに近寄らず」と言う役人の特性です。ですから、世の中の根本改造はなかなか進みません。

    •  景観条令をターゲットして、本庁のお役人とはこんな話しをしていました。
    • 《私》 何か決め事をしても、役人は代わってしまい長期的な継続が難しい。
      《役人》条例化まで持ち込んでくれれば、逆に役人はきちっと守る。
      《私》 ではそこまで持ち込もう。
    • 《私》 セットバックを入れたいが、景観条令しかなく、機能不足である。ここにそれを入れたい。
      《役人》それは無理である。
      《私》 そもそも役所事は後手後手で景観条令すら以前出来たものであり、今の安全や安心が叫ばれる社会に適合していない時代遅れのものだ。他にないならそこに入れたい。
      《役人》(柔軟な課長さんだったので)やってみようか!

  4. 景観部会を発足させた途端に、問題が起こりました。街道の中心交差点の一つに建物の建築申請が出たのですが、塀が道路ギリギリに巡らされ、人が信号待ちするところもない図面になっていました。施主(大手不動産業者と地元不動産業者とのジョイント)、行政の本庁、市会議員と私の4者会談で、セットバックしてもらいました。
    可哀想でしたが、施主には「程々の学校を出て、大手企業に入り、考えることは儲けることばかりか、もう少し地域の安全や安心も考えてもらいたい、情けない、日本が情けないんだ」と言ってしまいました。また、行政には「建築基準法か何かの中に一行でも”周囲の安全”でもあればよいのに」と言いました。

    •  直ちに、景観条例活動が立ち上がりはじめました。
    • 私は、街道環境など感覚的にわかっているので、即条例化文章などをイメージしていたのですが、コンサルタントの提示した案は現状調査からです。
    • 全体を巻き込み、その気になってもらうためには、必要と思いましたので、コンサルト案通りに進むことにしました。
    • 現状調査案と言うものは緻密なもので、街道1.5キロを6区間に分けて、分担して建物の配置・付帯設備の配置・公告物の配置などを克明に調査しようとするものでした。8月のくそ暑い中で何十人かがこの調査に参加しました。
    •  この調査結果は、図や数字でデータ化され、その後しばらくは住民説明などで活用され続けました。

  5. こうしている間にも、建物の建築は続々と起こってきます。建築の噂も聞こえてきます。先に告示予定の条令を待っているだけも問題です。早速「建物の自己点検」という「建築者に建築において配慮していただきたい事項を盛り込んだ」配布物をつくり、3000部ほどを町会を含み配付しました。これは、私一人で数日で作成したものに、コンサルタントが体裁を整えてくれたものです。
     この効果がどれ程あったかはわかりません。しかし、いくつかの建物に対しては、この配布物を見せ「このようなことで条例化を考えているので今から配慮して欲しい」ということはできました。
     私事ですが、上述の街道の現状調査直後、偶然健康診断を受けたところ「前立腺癌の疑いあり」となりました。

    •  2005年早々の大山街道景観形成協議会の発足を目指し、準備委員会を編成し、
    • 2004年9月には街道の地権者に対する住民説明会、
    • 12月にも住民説明会の追加実施(9月に出席が少なかった二子地区を中心として)、
    •  を行い、発足に向けての準備を整えました。条例化まで進めるということですから、協議会は市の正式な認定団体となる必要があります。この辺は市で準備いただきました。

    •  並行して、条令文面の文面の準備も進めておりました。
    • ベースとしたものは先の「建物の自己点検」ですが、色彩・照明・広告物に対する条項も加わりました。
    • これはコンサルタントと市がやってくれた部分ですが、直ちに感じたことは「文章量が多い?同じアイテムがあちこちに散りばめられている」と言うことで、審議に入って直ぐに「Microsoft Excelなどで同じものは、同じところに分類して整理する」を指示しました。
    • 次回の会合に提示された文面は1/3程に減っていました。
    • こんな事を直ぐに指示したのは、今まで地域仕事で何度も条令に触れ、文面の整理の悪さに呆れ(読んでもわからない)、お役人は何をつくっているのだ、市議会議員は何をチェックしているのだ(垂れ流し議会)と言うことが度重なっていたからです。
    • 後々思ったことですが、お役人は「無謬性確保のためにわかりにくくし、言い逃れできるようにしている」「市議会議員はチェック能力に欠ける」「コンサルタントは日常そのようなお役人に定常的に接しており、それに慣らされている」などでした。
    • こんなことで、協議会発足までにはほぼ文面は整えられておりました。

  6. ここまでは、静かなものだったと言えまし、約半年間の協働準備活動としては極めてスムーズだったと言えるのではないかと思います。