講師紹介
小林良生 氏
(こばやし・よしのり)
1934生まれで今年66歳
1958年慶応大学工学部卒業。最初は東レに勤務し、主にナイロンなど合成繊維の研究に携わる。
紙との関わりは1975年、40歳のときに始まる。紙を非木材資源から作るという国家プロジェクトの為に、通産省四国工業技術試験所(当時)に転じ、国家公務員として、非木材・海藻などからの紙製造を研究する。
1996年退職し、1997年6月、国際協力事業団(JICA)の長期派遣専門家としてタイに赴任。タイカセサート大学で、タイ未利用農林植物研究計画の中で、広義の「麻」の一種であるケナフなどの活用研究を行っている。
研究対象の非木材繊維は、製紙の歴史上、最初の原料であり、日本でも木材パルプから紙を作る歴史は120年余りである。それ以前は、こうぞ、ミツマタ、麻などの非木材繊維であり、今また資源問題、環境保全の観点から、非木材繊維への関心が高まっている。
小林氏のタイとの関わりは、1977年からの国際研究協力で、マレーシア、中国、タイと共に、紙・パルプの共同研究を進めた時に始まり、「タイには一緒にずっと仕事をしたいと思える優れた人たちがいる」と語るように現在まで続いている。
小林氏は、合成高分子で工学博士(慶応大)を、非木材繊維で農学博士(京都大)を取得され、化学の技術士でもあり、飽くなき探究心に支えられた豊富な知識を持つ学究の士である。がその知的好奇心は、紙のサイエンスは文化の源であるとして、非木材繊維と密接な衣服や文字から文化を語ることにも向けられ、伝統工芸技術とそれを育み育ててきた人間と文化に深い関心を寄せられている。
(紹介文・ 清水英明)
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「照葉樹林文化圏の世界」の今回のテーマ「メコン圏に自生するカジノキ」
をご担当いただいた小林良生氏をお招きし、更に深くお話しをしていただ
き、理解と関心を深めたいと思います。
小林氏の知識・経験だけでなく、視点や関心領域、更に今後の抱負など、
「紙・手漉きやカジノキ」に関わる魅力を気兼ねなく存分にお話ししていた
だくために、堅苦しくない形で行います。
場所の関係もあり、当日のご参加は、10名程度の参加とさせていただき
ますが、当日ご参加出来ない方へも、事前の質問やご意見の受け付け、
更に事後報告をさせていただき、理解と交流の「場」が少しでも広がり継続
するものになればと考えております。
ー 記 −
テーマ:「タイの紙文化 ー 手漉き紙文化とカジノキの世界」
講師:小林良生 氏(こばやし・よしなり)
講演項目(予定)
1.中国湖南省のケナフプロジェクト
2.北タイ・ナーンの観光
3.カジノキビジネス
更に、時間やご希望があれば、以前、タイ・バンコクで行われた
バーンラック 財団主催「タイ社会理解のための学習会」の以下内容の
一部にも触れていただきます・
1.紙の科学・技術から紙の文化・文明へ
1.1 紙の持つ文化・文明性
1.2 紙とは何か
紙の機能とは何か
7つのW: (Write,
Wrap, Wipe & Waste,
Wear,Work,
Wits, World)
1.3 紙の技術史の研究法
紙漉き絵図の活用
イコロジー
2.タイ社会における紙文化
2.1 タイの紙の歴史・仏教との関わり
2.2 タイ社会の根底を作ったバイラーン
(貝多羅葉、タイ文字、紙サイズ、
納経箱の形と建造物)
2.3 コイ紙
2.4 カジノキの紙
メコン圏、そして太平洋、南米まで拡がるカジノキ
メコン圏はポー・サー文化圏、漆と一体
3.「紙の世界」の魅力と今後の抱負など
日時 : 2000年1月27日(木曜日) 19:OO〜21:00
(注:食事は用意いたしておりません)
場所 : 東京・四谷 APEXインターナショナル本社会議室
東京都新宿区四谷4−1細井ビル6F
当日参加資格:特に制限無し
(事前に事務局mailto:tr3h-smz@asahi-net.or.jp
まで参加希
望の旨、ご連絡下さい)
当日参加できないが、関心をお持ちの方へ
事前のご質問やご意見を受け付けます。特に資格制限は
ございません。事後報告をご希望の方は、メコンプラザ会員の
登録を行ってください(現在、無料で登録受付中です)
参加費用: 当日参加、遠隔参加ともに無料です。
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