あたらしいホールでのトリプルピアノ。 コンサートのキャッチコピーは「世界の名器三台を三人が弾く」。 さてリハーサル。慣れた演目なので会場の響きとピアノの状態、互いを聴くためのモニタースピーカーのバランスなどをチェックして短かめに終了。前田御大ひとこと「このピアノ変な音だなぁ」とボソッと呟いて控え室へ。 たまたまここでのコンサートを計画し、ピアノを聴きくらべる良い機会だからと客席にいた現代音楽のピアニストTYさんの感想。 |
2007年1月10日 |
「おれなんか大好物だからさぁ、毎食たべてたらメシ何杯もおかわりして太っちゃうよ」 オフクロが栄養とか健康に気を使っていたのを受け継いだのか、私もサプリ系無関心というわけではない。知人友人が「これは良い」と云って送ってくれたりするのを試してみるのだが、移り気なために長続きしない。逆に云えば、ひとつところに固執しないのがむしろ健康的なのかも知れない。
そのほか実にさまざまな茶に出会ったが、どれもせいぜい2、3ケ月から長くて半年。止める理由は上に書いたが、きっかけとなるのは何日間かのツアー、というのが多い。茶を煎じる道具を持って行くほど凝るところまでは行かないのだ。健康食ブームでほとんどの茶にティーバッグ仕様があるけれど、多少でも“薬”の意味合いで飲むならやはり“煎じ”なければ有難味が半減するではないか。
がごめ昆布とウコンがなぜ長続きしているのかわからないが、はじめは誰かにすすめられたものであるにせよ、やはりどこか身体に合っているのに違いない。いまのところ特にどこが不調ということもないので、この両者が効いているのかいないのかもわからない。 で、納豆? 納豆がデータを捏造したわけじゃねぇや、食いてぇ時に食うよ。 |
2007年2月1日 |
1950〜60年代の落語界は名人達人天才が何人も居並ぶ黄金期だった。 2007年2月25日、国立劇場名人会。『芝浜』を噺し終えた三遊亭円楽は幕が降りたあとしばらくその場でじっと一点を見つめていた。その後の記者会見で「こんな噺ではお客さんに申し訳ない」と引退を宣言する。2005年10月に脳梗塞で倒れてから一年余のリハビリを経て、復帰を期待された高座だったが、思うように呂律が回らず、限界を感じたのだという。倒れる前の『芝浜』より10分ほど長かったそうだ。 |
2007年3月27日 |
☆☆☆ = そこの料理を味わうこと自体が旅の目的となる価値のある店。 元はと云えば、遠くに美味いレストランを見つける→車が長距離走る→タイヤが減る→タイヤ会社が儲かる。 一方、星をつけられた店の迷惑も考えて見よ。これから毎年新しい版が発行されるのだろう。ランクが下がったらどうするのだ。
もっともこういう気概のある店はいきなり行っても追い返されたりすることがありそうだ。いつか機会があれば、ということにして今はつつがなくお店が続くことを祈っておこう。 そうそう、以前読んだ本のなかに「隆盛をきわめた国が滅びる前は、統治層がこぞって美食にうつつを抜かす時期がある。ローマ帝国、ロシア王朝……」という記述があった。いま書棚を調べたが見つからない。 |
2007年12月6日 |
前回、タイヤ屋の格付けに大騒ぎする馬鹿々々しさ、および自分の価値基準を持てない日本人について書いたら、大阪のレコード店にお勤めのK氏から次のようなお便りをいただいた。
K氏は、ウソだろうと思うような客にほぼ毎日会うのだそうな。「おかげでだいぶ丸くなりました」とおっしゃる。そうかも知れないが、実はストレスが積もり積もっているのではないか。酒量が増えてある日爆発、なんてことのないようたのんまっせ。 と、偉そうに書いている私自身、16歳でジャズを始めなくてはならない境遇になったとき、何を手がかりにしたら良いのか途方に暮れたものだ。予備知識なし、むろん判断基準なし、ただひたすら東京駅八重洲口前のレコード喫茶《Mama》でかかっているレコードを聴き、少しずつ覚えて行くしかなかった。 さて、全く白紙のお客に自身が培った価値基準を移植する、ということができる立場にあるK氏の音楽観は私が知るかぎりにおいてかなり信頼できるものだから、彼のお店に偶然立ち寄ったお客は幸運なスタートを切ることができるだろう。
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2007年12月28日 |