今回はたしか2000年1月号になるはずだ。 え?皇紀ってなに、という人が多いだろうから解説しよう。皇紀とは神武天皇即位の年を第1年とする日本の紀元で、皇紀元年が西暦紀元前660年にあたる。昭和のはじめ国威発揚のために当時の政府、軍部、国学者あたりがにわかに言い出したものらしいが、昭和15年が皇紀2600年だということで、『紀元はに〜せん〜ろっぴゃ〜くね〜ん』なんて歌までできた。当時はアメリカ相手に戦争しようか、という時代だったから「神国ニッポン」を強調するにはこのくらいの意気込みでなくてはならなかったのだろう。ちなみに西暦2000年は皇紀2660年にあたる。 そうだ、もっと大事なことがあった。日本語の総点検だ。 このままでは日本語が溶解する。そして神国ニッポンも米中のはざまで消滅する。 |
【初出:『JazzLife』2000年1月号】 |
20世紀は別名「戦争の世紀」と呼ばれることになるのだそうだ。 なるほど、そう言われればこの百年、人類は飽きもせず世界のどこかで殺し合いを続けてきた。21世紀になって急に戦争が無くなるわけではあるまいが、この別名はまずうなづける。 「ジャズと戦争」に戻ろう。
ま、以上ざっと見渡しても戦争とジャズの関係は明らかだ。21世紀もこの関係が続くとしたら恐ろしい。戦争は対惑星になるのだろうか。するとジャズはどんな姿に??? |
【初出:『JazzLife』2000年2月号】 |
<お客様のアクセスプランは正常に変更されました。October 1. 1999そのときまで、このプラン変更は保留されていると記載されます。お客様がお客様の心を変えるなら、お客様はアカウントセンターでチェンジアクセスプランページを使うことによって保留されているプラン変更を中止することができます> 題名だけでもかなりなインパクトだ。 <心身>後半 <2のお茶> <丸い夜半> <雨のように降りに来る、もしくは、光りに来る>(Come Rain Or Come
Shine) 次のは最高傑作、おすすめの作品。訳詞を思い出してしまうとワシャ演奏不可能になるデヨ、当分の間この曲の伴奏は控えさせて下せえ。 <ピカピカの…>(原題を明かすとこれまた著作権法がからんでくる。読者の推察力におまかせ。) |
【初出:『JazzLife』2000年3月号】 |
新製品を買うときは一拍遅らせるほうがよい。 カセットテープが姿をあらわしたとき、オーディオマニア達の評判はあまり芳しいものではなかった。「幅の狭いテープをあんなに遅いスピードで走らせるのだから音が良いわけがない」という。実際初期のカセットの音質はかなり淋しかったのである。 その次がMDである。 |
【初出:『JazzLife』2000年4月号】 |
2月17日夜半。 宵の口だと星座を眺める船客が何人かいるけれど、こんな夜更けに出歩く物好きは私だけのようで、デッキに人影はない。はるか下方で舳先が波を切る音と、かすかに伝わってくるエンジンの振動がなければ、暗い虚空に漂っているとしか思えない。分厚いマホガニーウッドの手すりのありかを教えてくれる小さな常夜灯がなければ、床面と遠くの海面とがひとつづきに見えてしまいそうだ。 実は、月の光で幻覚めいたものに捕らえられたのははじめてではない。 |
【初出:『JazzLife』2000年5月号】 |
書籍もネット経由で取り寄せる時代になった。
話=音、あるいは演奏、と置換えてみると、この一文はそのまま音楽にあてはまるではないか。それならば、
そうなのだ。うまく演奏してやろうとか、ミスをしないように、と思って無意識に鎧をつけた状態になって安心していることが多い。鎧とはつまり練習や稽古で身につけた技術である。即興演奏の場合で言えば展開や反応の「定型」だろう。
聴き手との対し方についてこんなくだりがある。
テレビが、視聴率を基準にして番組を作って行くのとは対極の考えかたである。平均値ばかり気にしているといかにつまらないものになってしまうかを小沢さんはとうの昔から知っていたのだ。
ミュージシャンからみれば逆に、音楽も話なのだ。説得力のある演奏をめざすなら、小沢昭一の話芸に接し、昭和の名人の落語を聞いて自分という人間を磨くこと… |
【初出:『JazzLife』2000年6月号】 |