当日運営の悪い例

   悪い典型的な事例を示して見ます。コンサートを自らが演奏家として主催する方に、次のような方がいらっしゃいます。
 主催者兼演奏家の方を「Aさん」、スタッフの中心となる人を「Bさん」とします。一般スタッフ(単機能;受付・照明・音響など)を「Cさん」とします。

(1)Aさんはスタッフは持ってはいるが、演奏会全体に目を通せる中心となるBさんを持っていない。あるいは、Bさんを持っていても、極力何事もBさんを経由して依頼しようとしないで、Cさんにばらばらに依頼してしまう。この結果、Bさんの役割が曖昧になり、かつBさんには全体的なことが頭に入らない。
 コメント;Bさんには応用能力のある行動派が必要です。
(2)Aさんが演奏会直前まで、Bさんを含み諸々打合せ・準備してきても、当日、AさんはBさん以外のCさんにも直接指示を出してしまい、Cさんはどちらを聞いて良いか混乱する。Bさんも困ってしまう。
 コメント;当日、何があってもAさんは、Bさんに任せた・諦めた、責任は自分がとるくらいの心境になり、演奏中心になる必要があります。
(3)Aさんの考えが、あまりにも理想的に過ぎたり、極限までよいものにしようとする結果(重要なことなのですが程度問題)、最後まであれこれを注文による変更が出る。その結果、BさんCさんは注文について行けずに混乱が起こる。特に土壇場での注文変更は、影響範囲が判らないままに、走ることになるので危険である。小変更ならまだよいのであるが。
 コメント;当日以前の準備が万端でなかった と考えるような諦めも必要です。
(4)企画や準備状況を資料化していないために、経緯が記録に残らず、Aさんの気分によって、企画があれこれとふらついてしまう。
 コメント;大がかりなことになればなるほど、資料化が必要です。人間は忘れる動物です。

 この結果、演奏会当日、Aさんは準備、リハーサル、本番進行、来訪者などなどへの気配りで疲れてしまい、肝心な演奏が台無しになってしまいます。最も大切なことは、お客様によい演奏をきかせることにあるはずなのにです。特にホール側からお願いしたいことは、Bさんを明確にして、事前(Bさんを当日の最も早い集合者にして、最初に)ホールにご連絡いただきたいことです。Bさんが明確でありませんと、当ホールとしては、Aさんかあるいはそんなつもりで依頼されていないCさんに、当日突然Bさんの役割であるホールの全体オペレーションをご説明するようなことになり、そのCさんが混乱したり、場合によってはAさんは演奏どころではなくなってしまいます。

当日、
Aさんは 「演奏中心」
Bさんは 「ホールオペレーションなど全体的気配りと進行、問題への対処中心」
Cさん達は「それぞれの役割への没頭」
の姿になることが、理想の運営です。