暮らしの法律 Q&A

 このページは、大阪で無料配布されている、ミニ・コミュニティー誌「ザ・オオサカ」(コミュニティー企画)に、私が、毎月掲載させていただいているQ&Aを、必要に応じ、加筆修正したものです。
 日常生活・日常業務での法律に関する質問について、また、是非皆さんに弁護士会・弁護士について知って頂きたいテーマについて、わかりやすさをモットーに書かせて頂いています。(現在2001.6月号掲載分まで25テーマをアップ済みです。およそ3ヶ月に一度の更新になります。最新情報は是非「ザ・オオサカ」をご覧ください(^_^))
 本ページに出てくる法令については、総務省が提供している「法令データ提供システム」でご欄ください。

<掲載ジャンルとテーマ一覧>(テーマをクリックしていだきますと、ジャンプします)
法律・司法制度一般(5)
司法制度(裁判、法曹界、弁護士)は変わるのか(01.1月号)
弁護士費用敗訴者負担って?(01.6月号) New!
弁護士の頼み方(会社の場合)(01.5月号) New!
女性編(5)
セクハラに対する法的対応(99.7月号)
セクハラ、セクハラと言うけれど(99.9月号)
ストーカーに対する法的対応(99.8月号)
夫の暴力(ドメスティック・バイオレンス)(00.4月号)
離婚したら私(妻)の「姓」はどうなるのでしょうか?(00.5月号)
離婚したら未成年の子供の「姓」はどうなるのでしょうか?(00.8月号)
子供編(1)
子供の虐待(00.9月号)
高齢者編(1)
高齢者の契約(高齢者・障害者総合支援センター「ひまわり」)(00.10月号)
相続編(1)
一番簡単な、適法な遺言書の作り方(00.3月号)
消費者編(2)
クーリングオフの拡充(99.6月号)
ネガティブオプション(00.1月号)
金銭編(2)
連帯保証(貸金規制法の改正)(00.7月号)
個人向け民事再生手続きの新設(00.12月号)
労働編(4)
パートタイム労働者の権利(99.12月号)
パート収入と世帯収入(「逆転現象」はあるのか?)(00.11月号)
失業給付について(雇用保険法の改正)(00.6月号)
職場でのたばこ問題(01.2月号)
医療編(1)
医療過誤かもしれない(00.2月号)
IT編(1)
ソフトウエアの無断コピー(01.4月号) New!
刑事事件編(1)
もし、痴漢に間違われたら・・・(01.03号)
弁護士会の制度(2)
いきなり逮捕されたら(刑事当番弁護士)(99.10月号)
訴状(など)が届いたら(民事当番弁護士)(99.11月号)

<本編>
法律・司法制度一般
司法制度(裁判、法曹界、弁護士)は変わるのか(01.1月号)
Q 私は高校生で、進路をいろいろ考えているのですが、裁判、司法の世界は、あまり身近に感じられません。最近、新聞などで「司法改革」とか言われているんですが、本当に改革されるんですか(17才・高校生)。
A 司法を国民にとって有用なものとするために、様々な場面で協議がされてきたのですが、昨年秋(2000.11.20)、政府の司法改革制度審議会は、中間報告をまとめ、司法改革の3つの柱として、@人的基盤の拡充(後述)、A制度的基盤の整備(国民が利用しやすい司法制度を作ること)、B国民的基盤の確立(司法を通じての国民が行政・立法をチェック)、を掲げました。
 特に@に関し、「法科大学院」(仮称)を設置し、計画的にできるだけ早期に、年間3,000人程度の新規法曹の確保を目指す、という点については、議論が尽きませんでした。産業のIT化・国際化による新しい取引形態・紛争の出現、現に多発している医療事故など、国民の司法に対するニーズが増大することは明らかなのですが、急激な増員によるマイナス面はまだ検証されていません。
 ただ、法曹界も国民の要求に応えられずに司法が「儀式化」することのないように努力するとともに、国民の皆さんの新しい試みに対する理解と協力が必要だと思います。いずれは司法の担い手、受け手となる若い世代の方々にも、是非ご理解いただきたいところです。
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弁護士費用敗訴者負担って?(01.6月号)
Q 最近、新聞で、訴訟に負けた場合、相手の弁護士にかかった費用を負担する制度を導入しようとしているという記事を読んだのですが、そうすることが公平なような気がするのですが(22才・法学部学生)。
A この制度は一見、合理的に見えますが、多くの弊害をはらんでいます。
 第1に、通常、経済的に余力のない一般市民が、裁判を利用できず、泣き寝入りを強いられることになります。
 第2に、これまでも公害訴訟や消費者訴訟、最近の「薬害エイズ訴訟」「ハンセン病訴訟」などで、法律が十分でないところで、敗訴の危険を覚悟で訴訟がおこされ、判決により正義が実現され、さらに法律改正に繋がったこともあります。敗訴者負担制度が導入されると、そのような訴訟(「政策形成訴訟」と呼ばれます。)が起こせなくなってしまいます。
 いわゆる濫用的は訴訟は、個別に損害賠償を請求することで防ぐことが出来ます。
 以上のことから、多くの市民団体、消費者団体、弁護士会などは、こぞってこの制度に反対しています。
 詳しくは、弁護士費用敗訴者負担に反対する全国連絡会ホームページ
  http://www.geocities.co.jp/WallStreet-Stock/4652/ をご覧ください。
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弁護士の頼み方(会社の場合)(01.5月号)
Q 私の会社は特殊な技術を扱っているのですが、顧問弁護士がいないので、将来法律的な問題が起こって弁護士さんを頼むとき、専門の弁護士さんに頼んだ方がいいと思うのですが、どのようにしたらいいのでしょうか(53才・会社役員)。
A 従来、弁護士には限られたあまり専門分野はないとされてきましたが、社会の複雑化に伴い、私は、弁護士もいくつかの専門分野に絞ってそれらに精通すべきだと考えています。
 しかしながら、御社の普段の業務の進め方・人間関係などをよく知って、通常のいろいろな相談に応じてくれたり、また緊急時には、必要に応じ、他の専門弁護士と連携し、事にあたってくれる弁護士の役割もまた存続すると考えています。
 これはホームドクターならぬホームローヤーとしての面で、専門弁護士としての立場と両立する場合が多いですが、必ずしも専門弁護士でなくても地域的な関係から御社の近くにいる弁護士がよいことが多いと思います。
 できれば平常時から、御社の業務の内容について話したり、細かな相談のできるそのような「顧問弁護士」をお持ちになることをお勧めします。
 顧問弁護士は各弁護士会で紹介してもらえますし、顧問料も法人の場合月5万円が標準ですが、交渉可能です。顧問料は税務上必要経費に計上できます。
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女性編
セクハラに対する法的対応(99.7月号)
Q 上司にしつこく食事にさそわれていて、一度くらいつきあわないと、職場で不利に扱われないかと悩んでいます。これってセクハラじゃないかと思い、一人の同僚に相談したら波風を立てない方がいいと言われました(22才・OL)
A セクシャル・ハラスメント、いわゆるセクハラとは、相手の意に反した性的な言葉やふるまいによって、労働条件を悪化させたり働きにくくしたりすることをさし、ご質問の場合も、あなたが働きにくく感じ、または、「いやな」感じがする以上、立派なセクハラにあたります。
 このような行為は、最終的には、相手方や事業主に対する損害賠償原因となりうるものですが、少なくとも、新しく施行された男女雇用機会均等法により、事業主に雇用管理上の配慮義務が認められますから、相手に直接はっきりと「ノー」の意思表示をし、かつ、事業主に報告すべきです。それに先だち、セクハラの事実についての証拠(相手からの手紙や電話の録音など。また、克明に事実を記載したメモも証拠になりえます。)や証人(信頼できる人に相談をもちかけておく)を用意しておくとより効果的です。
 それでも事業主の対応がよくなかったり、また、そもそも報告することで不利益を受けないか、ご心配な場合は、各都道府県の労働部、女性センター、女性少年室などに相談窓口があり、また、大阪弁護士会にも電話相談窓口(六三六四ー六二五一。毎月第二木曜日一一時半〜一三時半)がありますから、これらに是非相談してみてください。
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セクハラ、セクハラと言うけれど(99.9月号)
Q 最近、部下の女性に「彼氏とうまくいってる?」とでも声をかけようものなら、「セクハラ」だと言われ、職場がギスギスしているような気がします。右のように言われ、喜んでくれる女性もいると思います。本誌7月号も拝見しましたが、セクハラ、セクハラと言い過ぎではないですか(40才・会社員)
A 以前にもご説明した通り、セクシャル・ハラスメント、いわゆるセクハラには、@相手の意に反した性的な言葉やふるまいによって、A労働条件を悪化させたり働きにくくしたりすること、という二つの要件が必要で、これに該当しない限り、セクハラにはあたらないと言えます。
 しかしながら、@の要件は相手次第ですし(もっとも、通常人がさすがにそうは感じないこと、例えば、「髪型が似合っているね」などは、通常、特定の人がいくら@だと言っても裁判で認められません。)、また、Aの要件も、あなたにそのつもりはなくても、上司として、偶々仕事の割当を換えるのと同時になった場合でも、それにあたると裁判で認定されることもありえます(逆に、能力に応じた配置転換ができなくなってしまいます)。
 あなたが加害者にならないためにも、人を傷つける可能性のあることは、まずしないこと。そして、職場のコミュニケーションは他のことで図ることです。
 要は、いい方向にも、悪い方向にも、男女の性差を職場の公的な場面には持ち込まないことです。
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ストーカーに対する法的対応(99.8月号)
Q 最近、一人暮らしの私の自宅まで付けてきて部屋を覗き込んだり、どこで調べたのか無言電話をしつこく架けてくる男がいます。交番に行ってもなかなか本気で相手にしてくれません…(28才・OL)
A いわゆるストーカーに対しては、まず予防(個人情報を漏らさない、早めに断固ノーという、など)ですが、それでもつきまとわれてしまった場合は、「具体的証拠」、例えば、証拠写真、ビデオ、録音テープ、電話の受信記録、被害を克明に綴ったメモ、などをできるだけ多く揃えて、警察に被害届、できれば告訴状を出すことです。
 それでもストーカー行為を直接取り締まる法律や条例が現時点では存在しないので、警察はなかなか動きにくいのが現状です。そんな場合は、裁判所に「仮処分」の申請をし、「仮処分決定」を得て、その決定書を警察に示してお願いすると、警察は動きやすくなります。
 ただ、仮処分申請には、前記の証拠の他に、相手方の特定の証拠が必要になりますが、御自身でそこまで収集しようとするのは危険ですから、その段階に至ったら、直ちに弁護士会に相談に行かれることをお勧めします。費用についても、相談に乗ってくれます。
 ※ 本稿掲載後、「ストーカー規制法」が、2000年5月に成立し、同年11月24日から施行されることになりました。この法律は、各法令の定める行為の前提行為としてのストーカー行為の「芽を摘む」ことに主眼を置いているのですが、反面、法律自身が、異例なことに、「適用上の注意」を明示したり、5年後の見直しもうたっているように、禁止している各行為についての拡大解釈により、個人の行為が不当に制限されることのないように、との視点も忘れてはならないと思われます。
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夫の暴力(ドメスティック・バイオレンス)(00.4月号)
Q 夫は、飲酒すると、人が変わったようになり、私に対しても暴力を奮うようになってしまいました。夫は、会社では、人望熱い上司で通っているようなので、このことをほかに訴えることはできず、私は我慢するほかないのでしょうか(36才・主婦)。
A ご主人は、外でのストレスを家庭で発散されているようです。
 でも、そのような暴力を甘受する理由は全くありません。ますますエスカレートして、重大な傷害に繋がることになれば、それこそ取り返しがつきません。
 憲法の保障する、人格の尊厳重視および男女平等の原理は、家庭内にも当然に及びますし、最近の大阪高等裁判所の裁判例(平成12年3月8日)も、夫の暴力も、他人がしたのと同様にすべきであるとして、そのことを確認しています。
 直ちに警察や裁判に訴える、というのではなくても、まず、このような家庭内の暴力(ドメスティック・バイオレンス=DV)についての専門家に早期に相談されることをお薦めします。
 大阪弁護士会が主催している、セクハラ&DV電話相談(06−6364−6251。但し、毎月第2木曜日、午前11時30分から午後1時30分まで)にまず相談してみてください。相談は無料です。
 また、秘密厳守ですから、まず、専門家が、穏便に解決する方法をさぐってくれます。
 上記、電話相談は、夫や恋人からの暴力に悩んでいる方(DV問題)の外、職場や学校で性的嫌がらせに悩んでいる方(セクシャルハラスメント)の相談にも応じてくれます。
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離婚したら私(妻)の「姓」はどうなるのでしょうか?(00.5月号)
Q 最近主人との離婚を考えています。現在、もとのA姓から結婚して主人のB姓を名乗っているのですが、結婚してからの仕事関係が拡がり、離婚してもB姓のままで行きたいのですが、主人の了解なく、そのようなことは可能でしょうか。また、将来的には、本来のA姓に戻りたいと思っているのですが、これは可能でしょうか(39才・主婦)。
A 離婚されたら、特別な手続をしなければA姓に戻ることになります(民法767条1項)。
 仰るような理由から、婚姻中のB姓を名乗りたければ、離婚の日から3ヶ月以内に、市(町村)役所(役場)の戸籍係にB姓を名乗りたい旨の届出(「婚氏続称の届出」)をすればよろしいです(民法767条2項→戸籍法77条の2)。ご主人の了解は不要です。
次に、いったんB姓を続称してから、A姓に戻るのは、「氏の変更」となって、戸籍法107条1項による手続が必要ですが、この「氏の変更」は「やむを得ない事情」が必要であり、一般にはかなり厳格に解されています。
 しかしながら、もともとの姓に戻るわけですから、婚氏続称を必要とした理由の消滅(あなたの場合は、仕事をやめられるなど)、婚氏続称によって新たに生じた不利益(例えば、夫の債権者からの請求など)などがあって、婚氏続称による姓が社会的に定着したとは認められない長期間の経過後ではないこと(この要件は緩やかにすべきとの意見もあります。)には、通常の全く関係のない「氏への変更」の場合よりは、より広く認めるべきだという意見もあります。
 しかしながら、あとになってA姓に戻すには、実際上かなり困難ですから、婚氏続称をするかどうかは、慎重に検討された方がよいでしょう。
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離婚したら未成年の子供の「姓」はどうなるのでしょうか?(00.8月号)
Q 本誌5月号で、離婚後の妻の姓について、手続をすれば結婚時の姓を名乗れるが、原則は旧姓に戻るということでしたが、小学校に通う子供がいてその親権者となって引き取る場合、子供の姓はどのようになりますか(30才・主婦)。
A 離婚後、あなたが親権者となってお子さんを引き取られても、お子さんはもとの夫の戸籍に止まり、姓もそのままです。
 離婚後、お子さんもあなたの戸籍に入れ、姓もあなたの旧姓にしたい場合は、小学生のお子さんについては親権者であるあなたが家庭裁判所に「子の氏の変更許可申立」という手続きをする必要があります(15才以上の場合はお子さんが自分で変更を申し立てることになります。これらの方法は家庭裁判所が教えてくれます。民法791条)。
 あなたが手続きをして婚姻中の姓を称する場合は、外見上はお子さんと同じ姓になりますが、戸籍(氏)は別ということになりますから、上記と同様に、「子の氏の変更許可申立」という手続きをする必要があります。
 なお、あなたが婚姻中の姓を称しながら、お子さんだけあなたの旧姓に変更することは許されないと解されています。
 また、氏の変更許可がされた場合、お子さんは、成人後1年以内ならば、届け出るだけで元の氏に復することができます(民法791条4項)。
 上記のように、お子さんの姓については適宜の手続をとられればご心配はないのですが、そもそもご夫婦が離婚されること自体、お子さんのこともお考えになり、ご主人とよくお話し合いをされるべきだと思います。
 それでも話合いがつかない場合は、まず、家庭裁判所に夫婦関係調整の家事調停を申し立てられることをお薦めします。手続については、家庭裁判所に問い合わされれば、教えてくれます。
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子供編
子供の虐待 (00.9月号)
Q 私の近所に小学生の子供のいるお宅がありますが、どうもその母親がその子供に対し、強い折檻をしている様子で、夜などに子供の鳴き声が聞こえたりします。ほうっておいてよいものでしょうか(43才・主婦)。
A そのように、子供が虐待を受けていると疑われる場合には、是非、児童相談所(都道府県と指定都市に設置)または福祉事務所(各市、郡部は都道府県)に、相談ないし通報してください。
 通報は、電話でも手紙でも構いません。
 児童福祉法25条にはそのような場合のこれらの機関への通告義務が定められています。もちろん、通告しなくても罰則などはありませんが、親の監理下にある子供には、自ら通報することはできません。子供の命・健康と、その親の人生を救うために是非ご協力ください。
 児童相談所などが調査し、万一、それが虐待にあたらなくても、通報者の責任を問われることはありませんし、通報者の秘密は固く守られます。
 また児童相談所では、子育てに悩み、自らの子供を虐待してしまいそうな方自身の子育てについての相談も受け付けてくれます。
 ※ 本稿掲載後、「児童虐待防止法」が、2000年11月20日から施行されることになりました。この法律では、児童虐待をはっきり定義し、学校の教職員や児童福祉施設職員らには児童虐待の早期発見義務や、一般国民へも通告義務(罰則なによる強制はなし)を定め、また、福祉関係者に家庭への立入権限を与えるなどの規定を置いています。
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高齢者編
高齢者の契約(高齢者・障害者総合支援センター「ひまわり」) (00.10月号)
Q 私の高齢の伯母は、伯父が残した財産で大阪で療養生活をおくっているのですが、東京で暮らす私以外に親戚もなく、仮に惚けてしまったりした場合の生活が心配です。病院への支払などの財産の管理を代わってしてくれる機関があると聞いたのですが(50才・会社員)。
A 伯母さんのような場合、意思判断の可能な程度に応じ、本人に十分な判断能力があると思われる場合には任意後見を(専門の弁護士との契約によります。)、また、判断能力に問題のある場合には、裁判所に成年後見(法定後見)を申し立て、後見人を選任して貰った上で、伯母さんの財産管理をゆだねるのがよいと思います。
 そのような手続きを円滑に行うためには、専門の弁護士を擁する、大阪弁護士会の高齢者・障害者総合支援センター「ひまわり」(06−364−1251)に相談してみてください(必要に応じ、出張相談もしています)。
 また、同センターでは、上記の財産管理支援業務の他、介護・福祉支援業務として福祉事務所との交渉なども行っています(これらには3〜20万円の一括費用、または、月額の費用がかかります。詳しくは直接お問い合わせください)。
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相続編
一番簡単な、適法な遺言書の作り方 (00.3月号)
Q 妻に先立たれ、長男夫婦と暮らしています。次男もほかにいて、仲も悪くないのですが、私に万一のことがあった場合、子供達に遺産争いが生じたりしたら辛いので、遺言を書きたいのです。でも、遺言は形式が難しいと聞いたのですが(77才・無職)。
A 「自筆証書遺言」(民法九六八条)なら、遺言者が、
 一 全文(遺産の目録なども含む。)
 二 日付(実際の日付を書きます。「平成一二年三月吉日」とかはだめです。)
 三 氏名
  を自書し(消えないペンで書きましょう。ワープロはだめです。)
 四 押印(三文判でも良いですが、通常使っている印鑑の方がいいです。実印である必要もありませんが、実印と印鑑証明を同封しておけばよりよいです。)
  とすれば、封筒に入れる必要もありません(通常は「遺言書」と書いた封筒に入れて、封をしておきます)。
  あとで紛争にならないようにするには、弁護士など、法律に詳しく、あなたが相談にのれる人に(その人を遺言執行者にして)、託しておくのがよいでしょう。
 内容について相談したいとき、また他の要式の方がよい場合もありますので、一度書いて、大阪府や大阪市の無料法律相談で相談されると良いと思います(開催時間等は、大阪府、大阪市にお問い合せください)。
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消費者編
クーリングオフの拡充 (99.6月号)
Q 街を歩いていると素敵な女性に声をかけられ、店のようなところで五〇万円もするエステのコースの契約書にサインをさせられ、また、ローンの申込みもさせられました。家に帰ってすぐに解約の電話をしたのですが、「あなたは営業所に来たのだし、しかもエステだからクーリングオフできない」といわれました。なんとかできませんか?(20才・アルバイト・女性)
A 一旦契約した以上は履行すべきが原則で、クーリング・オフ(一定期間内の無理由解除)が認められるのは、法律に規定がある場合に限られ、確かに、かつての訪問販売法では、「訪問」販売に限られ営業所での販売ではダメで、また、エステなどの「役務」はその対象ではないとされていました。
 しかしながら、近時の法改正(※訪問販売法2条の改正)により、貴女の事例の、「キャッチセールス」等の場合にも適用が拡げられ、また、エステなども適用対象に加えられました。
 よって、他の充たすべき要件もありますが、貴女の場合も、相手方の言う理由でクーリング・オフが否定されることはありません(別にローン会社へもクーリング・オフをしたことの通知をしておく必要があります)。
 このように、社会的実態にあわせて法律も改正されることがありますので、相手方の言うことを鵜呑みにせず、弁護士会か各市町村の消費者センターにすぐに相談に行かれるべきです。
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ネガティブオプション(00.1月号)
Q 郵便でパンフレットのような物が送られてきていたのですが、後日、そのパンフレット代金として3000円の請求が来ました。以前、アンケートのようなものを出した覚えがあり、大した金額でないので支払おうかとも思うのですが…(28才・学生)。
A こちらが申込みをしていない商品を送りつけてきて、代金を請求する商法を「ネガティブオプション」と言い、典型的な不当商法の1つです。
 ご相談者の場合、そのパンフレットを請求するアンケートのようなものを出した記憶があるとのことですが、説明が不十分であり無料のパンフレット請求であるかのような誤解を生じさせるものである場合は、ネガティブオプションの新手法と思われます。
 大した金額でないと言っても、一旦これを払うと、「脇が甘い」消費者とみなされ、次の大きな被害に繋がりかねませんから、ちゃんとした説明がなかったものとして、断固支払いを拒むべきです。商品も、14日間保管されれば、処分してもかまいません(訪問販売法18条。ただし、じゃまでなければ、証拠としてとっておいてください)。*1
 それでもしつこく請求が続く場合は、各市の消費者センター(大阪市の場合06−6262−4771)に相談してください。
*1 訪問販売法18条は、消費者が「購入する意思がないから引き取って欲しい」と通知したのち7日経過したときにも使用処分していいと定めていますが、14日経てばかかる通知も不要なわけです。なお、以前はそれぞれの期間が、1ヶ月、3ヶ月だったのですがこれを大幅に短縮しました。このこともあって明白な形での「ネガティブオプション」は減りましたが、本問の変形が現れていますので注意が必要です。
 なお、私も上記のようなパンフレットがきて、代金の請求が来たのですが、「注文した覚えはない」と請求書を送り返し、もとのパンフレットはしばらくして捨ててしまいましたが、その後なんの請求も来ていませんから大丈夫です(弁護士としてのアドバイスではないですが(^_^))。
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金銭編
連帯保証(貸金規制法の改正)(00.7月号)
Q 私の友人がリストラを受ける前に退社し、事業を始めることになったのですが、その事業資金の融資を受けるための借入金について連帯保証人となることを頼まれています。友人のため、受けざるを得ないのですが、どのような点に注意すべきでしょうか(40才・会社員)。
A 連帯保証人は、債務者と同じ、場合によっては、融資金を実際に使用できないのですからそれ以上の責任を負う場合もあることを自覚してください。
 で、よほどの関係でないかぎり、連帯保証人になることはお勧めできないのですが、それでもどうしても引き受けざるをえない場合には、@契約書の内容を確認し、債務者であるご友人にとって無理のない融資内容(金額、金利等の条件)であることを十分確認し、A保証人の責任の範囲(特に、限度のない「根保証」なのか「限定保証」なのか)も十分に確認した上で、応じるべきです。
 本年(※2000年)6月1日から施行される貸金業規制法などの改正法では、連帯保証人にも事前に書面を渡すことを義務づけ、上記の内容を明らかにすべきこととされており、根保証契約については、追い貸しがありえますので、その都度書面で通知されるべきとされています。
 さらに改正法では、6月以降の融資については(追加融資も含む)、上限金利を現行の約40%から29.2%に引き下げられており(なお、利息制限法はさらにそれ以下です。)、それは手数料名目での金額を含めた実質金利とされています。
 連帯保証人になることはお勧めできませんが、どうしてもしかたないなら、今年(※2000年)の6月1日以降にされた方がまだよいかもしれません。
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個人向け民事再生手続きの新設(00.12月号)
Q 住宅ローンをかかえているサラリーマンですが、ボーナスは減るし、リストラのおそれだってあります。家族を抱え、この先不安で一杯です。最近、住宅ローンの返済が軽減される場合がありうると聞いたのですが、少し教えていただけませんか(45才・会社員)。
A これまでは、仮に、リストラ退職などで、住宅ローンが払いづらくなった場合、金融機関は、若干の返済条件の変更はありえてもローンの元金の一部の減額などにはなかなか応じてくれず、破産宣告を受けなければいけない、ということがありました(そのかわり、破産すれば、原則として払えない部分は全額免除を受けることが出来ます)。
 いわば、全か無か、だったのですが、平成13年春から施行される見込みの「個人向け民事再生手続き」の適用を裁判所が認めた場合、例えばサラリーマンなら、一定額(年収から最低限の生活費を差し引いた可処分所得の2年分、債務総額の5分の1、または、100万円のどれか一番大きい金額)を原則3年で返済すれば、残額が免除される道が開けるようになりました(現在、民事再生法改正案が国会で審議中です)。
詳細については、法務省のホームページhttp://www.moj.go.jpをご覧ください。また、具体的手続きなど(他の方法が適当な場合もありえます。)については、法律が成立した後、大阪弁護士会相談課(06-6364-1236)などに相談ください。
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労働編
パートタイム労働者の権利(99.12月号)
Q パートで仕事をしているのですが、パート先の社長は、こちらの希望を無視して簡単に勤務時間の変更を言ってこられます。応じなければいけませんか(45才・主婦)。
A パートタイマーも、労働基準法などの適用を受ける「労働者」にかわりはありません。
 そこで常時10名以上の労働者を使用する使用者に作成・届出の義務のある「就業規則」の適用もありますが、パートタイマーの労働条件は就業規則に定められていないことが多いので、行政指導により、パートタイマーの賃金、仕事の内容、始業・終業時刻、休日、休暇等の労働条件を記載した「雇用通知書」を交付すべきこととされています。
 実際上はこの雇用通知書の交付がされていることは少ないでしょうが、交付がされていない場合でも、少なくとも当初納得していた労働条件については、使用者の一方的な都合により、変更できないとされるべきですので、このような保障がパートタイマーにもあることをよく社長にお話して、労働条件を強制的に変更しないように交渉してください。
 それでも解決できない場合は、大阪市中央労働事務所(06−6946−2600)や、日本労働弁護団本部(03−3251−5363)に相談してみてください。
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パート収入と世帯収入(「逆転現象」はあるのか?)(00.11月号)
Q パートをしている主婦です。上司にも信頼されるようになり、パートの時間を増やしたいのですが、夫が、年間一定の時間を超えたら、かえって損をするから時間を増やさないで欲しいと言います・・・(27才・パート従業員)。
A 妻のパート収入が103万円を超えると、それ自体に所得税がかかるようになり(給与所得控除額最低65万円+基礎控除額38万円を超えるので。)、他方、夫の方の配偶者控除(38万円)がなくなるので、以前は、税金面で逆転現象が生じていた範囲がありました。しかし、現在では、昭和62年に追加された「配偶者特別控除」(3〜38万円)により、段階的に調整され、税金面での逆転現象はなくなっています。
 ただ、妻のパート収入が130万円を超えると、妻は夫の扶養家族からはずれ、社会保険料(通常は国民健康保険・国民年金)の支払が必要となる点は、上記のような手当はなされていません。また、金額によって夫の会社での扶養手当がはずれる、ということもあるかもしれません。
 これらのことで女性の社会進出を拒む要因とされるべきではないと思いますが、家庭内の役割分担もあるでしょうから、ご夫婦でよくお話し合いの上決められるのがよいと思います。
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どうなる失業手当(雇用保険法の改正)(00.7月号)
Q 私の勤務する会社もリストラが始まっています。私には幸い、ある国家資格がありますので、条件によってはリストラに応じ、転職することも考えていますが、万一、すぐに勤務先が見つからなかった場合の失業手当の支給が気になります。ところで、最近、その失業手当の給付内容がかわったと聞いたのですが、それはどのようなことでしょうか?(45才・会社員)。
A 雇用保険法については近時一部改正がなされ、とくに失業給付について、2001年4月からは、@倒産、解雇などにより離職を余儀なくされた場合と、A定年、自発的離職者などの場合、とで格差がつけられることになりました。
 たとえば、ご相談者の年齢(45歳以上60歳未満)で、保険加入期間20年以上の場合は、@の場合なら従来の300日から、330日に延長されています(他方、同じ区分でもAの場合は、180日に短縮されています。その他、保険料の増額といい、全体で見れば、保障は低くなっています。@の場合の、一定の年齢・保険加入期間の場合の保障をあつくしただけです)。
 ですが、@かAかの判定は困難とされており、特にご相談者のような場合には、@リストラに応じた離職か、A自発的な離職か、で微妙なところでしょう。
 この点については、労働省は秋までに基準をつくるそうですから、その発表を待ってから十分に検討されるほうが賢明だと思います。
※ 上記基準が発表されるとすれば、労働省のホームページ(http://www.mol.go.jp/)でだと思うのですが、2000.12.3現在まだ発表されていないようです(現在、同省にメールで照会しています)。
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職場でのたばこ問題(01.2月号)
Q 今妊娠中なのですが、私の職場では、室内でも皆さんデスクワークをしながらでもたばこを吸われるので、間接喫煙が心配です。上司にせめて室内だけでも禁煙にしていただくようお願いしようと思うのですが、その上司自身たばこを吸われますし、角が立ちそうで言い出せません(30才・会社員)。
A 喫煙の健康被害については、医学的にすで証明されていると言ってよいでしょう。
 これを受けて、職場での間接喫煙を回避するため、労働安全衛生法71条の2ないし4で、「事業者は快適な職場環境を形成するように努めなければなら」ないとし、国に指導義務等を定め、これに基づき労働大臣による指針は、明確に、「(事業者は、)空気環境におけるタバコの煙や臭いについて、労働者が不快と感ずることのないよう維持管理することとし、必要に応じ作業場内における喫煙場所を指定する等の喫煙対策を講ずること。」としています。
 つまり、法律も国も、職場におけるたばこ問題にはかく取り組もうとしているのですから、少々角が立とうとも、上司の方に堂々と改善を申し入れましょう。
 大阪には「たばこれす」というたばこ問題を考え、行動している団体があり、年一回の世界禁煙デー(5月31日)の直近の土曜日に、一斉電話相談(06-6765-5020)を受け付けておられます。その他のときにも、随時メールmuen2@basil.ocn.ne.jpによる相談受付をしておられますから、相談してみてください。
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医療編
医療過誤かもしれない(00.2月号)
Q 主人が盲腸で入院し、すぐ手術を受けたのですが、その後亡くなってしまいました。死因に納得がいかないので病院に説明を求めようと思うのですが(60才・主婦)。
A お悔やみ申し上げます。
 お気持ちも察しますが、病院に直談判されると、カルテ(診療録)等を書き換えられる、また、(手術中には記載できませんから、後日、手術記録等を記載することが多く、その間に直接交渉されると)カルテ中の手術記録などを十分に記載されないなどのことが万が一にもありえます(もちろん良心的なお医者さんはそのようなことはされないとは思います)。
 また、特に死亡の場合は、将来の訴訟等のために、手術直後に、他院での病理解剖することが必要になることがあります。
 医療過誤かもしれない、と思ったら、早期にもよりの弁護士会で法律相談を受けられることをお薦めします(大阪弁護士会の法律相談センターは06ー6364ー1236)。
 特に死亡の場合は、右病理解剖が必要になることがありますから、すぐにでも専門機関(医療事故市民オンブズマン、など。東京03ー5358ー2255)に電話して、善後策を相談してください。
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IT編
ソフトウエアの無断コピー(01.4月号)
Q 私の会社では、パソコンソフトのCD-ROM一枚で、いくつかのパソコンにソフトをインストールしているようです。最近、雑誌で、そのような行為については知らせて欲しいという広告を見たのですが、大丈夫でしょうか(41才・会社員)。
A 著作権法47条の2は、「ソフトの所有者(正規ユーザー)は、自分がコンピュータで利用するために必要と認められる限度において複製することができる」旨定めているのですが(その「限度」にはいろいろな考えがあります。)、個々のソフト会社との契約により使用許諾範囲を制限すること、例えば、1つのパソコン(CPU)についてしかインストールできないとすることも認められています(使用者1人ごと、としている場合もあります)。
 その場合は2つ以上のパソコンにインストールするには、もう1つ同じソフトを買うか、「ライセンス」(設定されていない場合もあります。)を取得することが必要ですから、会社のパソコンの担当者にその旨確認し、注意を促すべきです。
 ただ、ソフトウエアやライセンスの価格がそもそも高すぎたり、リファンド(通常、買ってからしか使用条件が確認できないので、応じれらない場合には返品・返金する制度)やライセンス取得のしにくさが無断コピーを横行させているとも言えますので、各ソフト会社には、IT(情報技術)の発展・浸透のためには、企業努力をして適正な価格を設定していただいた上、リファンドやライセンス取得についての十分な事前説明をしていただきたいと思います。事後的に広告などで情報を求めるような方法は(顧客に対するものとしては)あまり感心できません。
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刑事事件編
もし、痴漢に間違われたら・・・(01.03号)
Q 毎日満員電車で通勤している会社員です。最近、痴漢に間違われて長期間裁判になった例をききますが、そのようなことになると会社を解雇されるかもしれません。もし、痴漢に間違われた場合、どのように対応したらよいのでしょうか(43才・会社員)。
A 痴漢に間違われた場合、被害者、駅員、その他の人に「駅事務室まで来てください」と言われたら、(事後的に)その時点で私人による逮捕が成立したとされ、その後、弁護士にも依頼できず、言い分も聞いてもらえず、駆けつけてきた警察官に警察署に連れて行かれそのまま勾留され、無実なのに罪を認めてしまった例もあります。
 でも、例えば腕をつかまれるのを振り払うなどすると、別の問題を生じさせかねませんし、実際に無理な場合もありますから、名刺などを渡して(また、身分証明書を提示だけして)身分を明らかにしその場を立ち去るべきです。その上で、痴漢冤罪問題を扱う「日本国民救援会」(東京03-3436-0005)や知り合いの弁護士に連絡して対応を相談してください。
 どうしても駅事務室に連れて行かれた場合、または強く警察への同行を求められた場合にはすぐに刑事当番弁護士(大阪の場合06-6363-0080)に電話してください。
 決して女性の被害を軽視しているのではなく、間違った人に対して処罰が行われようとすることが問題なのです。東京では女性専用車両などもできているようです。なによりも、無実の人間を処罰することを痴漢被害をなくす手段とすることは許されることではありません。
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弁護士会の制度
いきなり逮捕されたら(刑事当番弁護士)(99.10月号)
Q 警察に逮捕された場合、「黙秘権」とともに「弁護人選任権」が保障されているときいています。でも、身に覚えがないなら釈明すればよいし、そうでなければ黙秘すればよいので、弁護士など頼む必要はないと思いますがどうでしょうか?弁護士を頼むと、目の玉が飛び出るくらいお金がかかるらしいですし(40才・会社員)。
A 確かに、真実が常に受け入れられるならよいのですが、必ずしもそうでないことは過去の冤罪事件(無実の人が有罪となった事件)の存在が示すとおりです。また、黙秘を貫くことは困難で、仮にできても他の証拠で有罪となることもあります。
 さらに、逮捕・勾留された場合、これからどうなるかわからない不安も大きく、そのために、やってもしないことをやったと言ってしまうことすら現実にあるのです。
 逮捕されたら、「釈明」する前に、弁護士に知人がなければ、各弁護士会では、当番制で弁護士が待機していますので(「刑事当番弁護士」)、直ちに連絡をとってください(大阪の場合六三六三ー〇〇八〇。夜間・休日も少なくとも留守電で対応し、翌日には派遣されます)。なお、各警察署では、この依頼を断れないことになっていますので、電話番号を忘れても、警察官に、はっきりと「当番弁護士に連絡して下さい。」と依頼してください。当番弁護士に会うまでは、取調を拒否しても構いません。
 費用のご心配も無用です。当番弁護士の一回目の派遣は無料です。弁護士がついた方がよいとなった場合、法律扶助協会の費用の立替を受けることもできます。
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訴状(など)が届いたら(民事当番弁護士)(99.11月号)
Q 私の下宿に裁判所から「訴状」が届きました。家の人に黙って買ったモノのことみたいです。未成年の契約は取り消せるらしいので、放っておいてもかまいませんか(18才・学生)。
A 確かに、実体的には、契約を取り消せる可能性が高いです(但し、「詐術」を用いた場合など、そもそも取り消せない場合もあります)。
 しかし、手続的には、あなたが訴状の送達を受けたにも係わらず、第一回めの裁判期日に出頭せず放っておいたら、訴状の内容を認諾したものとみなされ、いわゆる「欠席裁判」がなされます。
 通常、これを取り消すには、判決確定前なら控訴、判決確定後なら再審を申し立てなければならず、さらに、担保金を積んで強制執行の停止を申し立てるなどしなければならなくなります。
要するに、法律的な紛争になりそうなら、できるだけ早めに弁護士に相談してください(弁護士に知人のない場合は、弁護士会ないし地方公共団体の法律相談をご利用ください)。
 特に、裁判所等から書類が届いた段階では、より迅速な対応が必要なことから、大阪弁護士会には、刑事当番弁護士の制度にならって、民事事件についても、当番制で待機する民事当番弁護士の制度があります(電話〇六ー六三六四ー五〇二一)。
 知り合いに弁護士がいない場合、いても連絡がつかない場合には、すぐに電話し、そのアドバイスをお聞き下さい。
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