診療所通信
        Clinic News Paper
No.6
2000/1/4

/                 川上診療所
 新しい年を迎えました。今年は辰年でしたね。西暦では2000年、20世紀最後の一年となります。医学の世界は、これからどのように進んでいくのでしょうか。新薬の登場、遺伝子の研究、臓器移植の発達、医学と倫理、高齢化社会、在宅医療、いろいろと良いこと深刻なこと、私たちを取り巻く問題はたくさんあります。昨年、僕は医療協力(NGO)でバングラディシュに行って参りました。国は貧しく、洪水などの天災も多く、医療レベルも先進国に比べれば大変遅れていました。しかし、今の日本にはない素敵なこともいっぱいありました。・・・人間的であること、これは社会や医療の基本ですね。
 新年に向けて、私たちの診療所も気持ちを引き締め、様々の課題に取り組んで参りたいと思っております。
  皆さんにとって、この1年が良い年でありますようにお祈り申し上げます。


・先生を紹介いたします。
 N先生:ご専門は甲状腺内科(千葉大学第二内科・内分泌研究室)。若くて、しかし博学、きめ細かな診療姿勢は、多くの患者さんに納得していただいています。数mm単位のがんの判定や、微妙な薬の使い方、患者さんへの分かりやすい病気の説明など、これからの甲状腺内科を担う人材であると、私は考えています。
 橋本秀行先生:ご専門は乳腺外科(千葉大学第一外科・千葉県対がん協会診療部長)。昨年9月に、ロンドン大学の留学から帰ってきました。研究は超音波診断。検査ばかりではなく、当診療所で手術を行うとき私の助手を担当してくれます。明るくて責任感が強く、多くの同僚・後輩からも慕われる性格は、良い医者の条件でしょうね。

・第3回日本乳腺・甲状腺診断会議に参加して
 今回の診断会議(東京・小平にて開催)のメインテーマは、「乳がん診断基準の見直し」でした。皆さんが一人一人顔かたちが違うように、病気も顔つきがそれぞれ微妙に違います。その違いを考慮しながら診断するのですが、「診断基準」が正確でなければ、正しい診断はできません。超音波機器の技術的な進歩や、医師・技師のレベルアップにより、この「診断基準」の改定の時期になりました。当日は、全国から専門家が集まり、新基準作りのため活発な討議が行われました。私自身としては、旧基準の中の数項目しか重要視していなかったことを改めて確認すると共に、基準の擦り合わせ削ぎ落としは、私自身のためにも、とても重要な作業と思いました。今後、より優れた「診断基準」が一日も早く作成されることを願う会議でした。
小坂英子(臨床検査技師)          .
愛娘、ユータンのかぜに一喜一憂。働くヤンママ、ともにがんばろう!
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