第30回ももはな会を2025年2月8日(土)、ハイブリット形式で開催し、総勢28人が参加しました。
 今回のテーマは「がん治療後、妊娠に向けて」「がん治療後の妊娠のために今できること」。千葉大学医学部附属病院婦人科医師/齊藤佳子先生、看護師/吉野有希子様を講師にお迎えし、いつもより30分延長して開催しました。
 がん告知を経験し、がんに対する治療や手術、痛みや外見の変化に対する恐怖がある中で、将来の妊娠を考えることは、AYA世代にとって本当に辛く、とても自分ひとりでは抱えることができない事だと思います。
 今回のテーマはAYA世代だけでなく、がん経験者や医療従事者他、全ての人に、いつか大切な人の未来に寄り添うために、ぜひ知ってほしいテーマだと思いました。
 講師の齊藤先生、吉野様、がん治療後の妊娠に関しての貴重なお話、ありがとうございました。

 講演内容(一部抜粋)
【 第1部 がん治療後の妊娠のために、今できること 】看護師 吉野有希子様

妊娠の可能性を残す、とは
妊孕性温存療法の実際
費用と助成金について
事例紹介
利用してほしい社会資源
【 第2部 がん治療後、妊娠に向けて 】 医師 齊藤佳子先生

がん治療終了後、妊娠を目指すにあたり、
がんサバイバーと医療者とで一緒に考えていくことについて
  がん治療医と
  生殖医療医と
  がん治療後の妊娠について
  プレコンセプションケア
がんを経験したAYA世代の多くは、“不妊治療や生殖機能”について、不安を抱えています・・
出典:冊子「AYA」
平成27年〜29年度厚生労働科学研究
「総合的な思春期・若年成人(AYA)
世代のがん対策のあり方に関する研究」
班作成
【妊孕性温存療法を行う上で大切なこと】
  • がんの治療が最優先(妊孕性温存療法を行う場合、主治医の許可が必要)
  • 将来の妊娠が確約できるわけではない(精子、卵子、胚が採取できないこともある、それらを使用しても妊娠に至らないこともあります)
  • がん治療前に、自分の行う治療が将来の妊娠に影響するかどうかを確認する将来の妊娠に影響がある治療を行う場合、主治医に相談の上、がんが診断され、治療開始前のできるだけ早い時期に妊孕性温存療法について検討してみましょう。
【がん治療後に妊娠を目指す上で一番大切なこと】

  • 妊娠しても良い体の状態であること
原疾患の治療医から妊娠を許可されていますか?
その他にも何か持病があるようであれば、その病状がコントロールされて、妊娠できる状態ですか?
ご自身の卵子で妊娠が難しい場合、子どものための制度として、特別養子縁組や里親制度があります。
千葉県がん・生殖医療相談支援センターでは、患者様、ご家族の方に今何ができるか、そのためにはどこで何をしたらよいかなど妊孕性温存療法に関する情報を提供し、ご希望に沿った医療が受けられるようにサポートしております。
(電話相談・対面相談)TEL043-226-2749
千葉県がん生殖医療相談支援センター
 【千葉大学病院のプレコンセプションケア外来】
〜妊娠前の相談のための外来〜
相談の対象となる方
 @現在病気を持っていて妊娠に不安がある方
 A過去の病気や手術により妊娠に不安がある方
 B過去の妊娠でご本人や赤ちゃんの経過が思わしくなかった方

内容
  • 事前に主治医から病状に関する情報提供をもらう
  • 妊娠前にできることがあるか、妊娠中に想定されることについてカウンセリングを実施
  • 過去の治療内容を考慮した、患者さんごとの個別的な話 等