新しくオーディオ製品を生産しようとしたとき、初期費用として大きな「開発費用」がかかることは、商品の見栄えに反映しないため、案外見過ごされています。例えば、弊社オリジナルのAIRBOW製品でも1モデルに対し1000万円〜2000万円の初期費用が必要なのです。(この費用には本体の開発費だけではなく、金型、外箱、説明書、カタログなどデザイン料や電気用品安全法に定められた品質テストの費用などが含まれます)
しかし、少量(数百〜数千)程度の生産計画で、このような莫大な初期費用(初期投資)を償却しようとすればどうしても販売価格を高額に設定しなければならなくなります。
我々のような小規模メーカーでは、この初期投資を出来るだけ抑えることがリーズナブルな価格で良質のオーディオ機器を御提供するための大きな関門なのです。
しかし、もし大量に生産されることで1台あたりの初期コストが無視できるほど価格の安くなっている「普及価格帯のオーディオ製品」をベースとしてそれに改良を加えることで「性能を大きく向上させた新しい製品」として発売することができればどうでしょう?オリジナルを一から開発するよりもずっと安く、早く、個性的な魅力に溢れた製品を発売できるはずです。
そこで逸品館では、良質な音楽を一人でも多くのお客様に楽しんで頂くため、オリジナルブランド「AIRBOW」の開発で得られた高度なノウハウを駆使し、市販製品の音質を極限まで向上させた「オリジナル・チューンナップ製品」の生産を企画しました。
しかし、無断でメーカー製品を改造して販売すれば故障など際にスムースな対応ができず、お客様やメーカーとの間でトラブルが発生することが考えられます。
このような「改良品の販売」を「業務として長く継続させるため」には、メーカーの心情・後々のアフターサービスを考え様々な面から慎重に行うべきです。可能なら製造メーカーの協力が得られれば、技術提携により遙かに効率よくチューンナップを行えるのはもちろん、良質なアフターサービスも提供可能となります。
メーカーの協力が得られない場合にも、AIRBOWの生産を通じて得られた経験から、「チューンナップ後も十分な安全性」を維持できるノウハウがあり、高い技術水準による良質なアフターサービスが提供できます。
さまざまな高いハードルを越え「価格より遙かに性能の高い製品」として情熱を持って発売される「逸品館オリジナルチューンナップ・モデル」が「AIRBOW Original Tuned Products」なのです。
部品と回路を一つずつ丹念に聴き込みながらチューンアップ
チューンナップでもっとも効果をあげるのが「部品の交換」です。工場のラインで行われる「大量生産」では、複雑な工程が必要となる「加工」は許されません。従って、「選べる部品」も「取り付けのし易さ」・「大量に入手が可能」などの条件を満たすパーツから「コスト重視」で選択されています。
さらには、製品の均一性をあげるために「公差の少ない部品(当たりはずれのない部品)」を使用しないと出来上がった製品の音質がバラバラになってしまうため、性能や音質が優れていても「公差の大きな部品」は使用されません。つまり、量産機は「様々な妥協を強いられた」結果、まだ音質改善の余地が残されているのです。
これらの弱点を克服し、音質を改善するため「使用可能なパーツの選択幅を広げ」音を聴きながら気が遠くなるほどの丁重さで部品を交換します。いわば、楽器の調律と全く同じ作業を電子回路に行うわけです。
安全な「チューンナップ」がなされています
もちろん、パーツを交換すると言っても「交換することにより定格や安全性が変わってしまうパーツ」と「交換しても定格及び安全性に影響を与えないパーツ」がありますから、まず定格や安全性に影響を与えないパーツをを設計図から判断し、さらに組み込みテストを行います。
プロトタイプが完成したら、「連続2週間以上の動作及び性能テスト」を行い性能と安全性、動作の確実性を十分に確認します。チューンナップの内容が決定したら、一台ずつ手作業でチューンナップが行われます。
このような入念な作業を経てチューンナップを施された後、 「AIRBOW Original Tuned Products」は、最後に一台ずつ音質と動作を確認し出荷されます。

