ホームシアターのスピーカーのセッティングの間違いと正しい選択について 現在多くの雑誌や、メーカーから発信されている「ホームシアターでのスピーカーセッティングと選択方法」は、「自社のスピーカーや機器をセットで売りたいメーカーの言い分そのまま」で、「実際とはほど遠い問題の非常に多いもので」決して参考にしてはいけません。 もし、雑誌やメーカーの推奨するセッティング方法を盲進すれば、シアターは失敗に終わり、投じたコストの3分の1、場合によっては10分の1以下のお粗末な性能しか得られないでしょう。 逸品館では、我々がお客様の立場に立って実際にテストを重ね発見した「3分の1〜10分の1以下のコストですごく音の良いホームシアターサウンドを実現する方法」から「どこよりもコストパフォーマンスの高いホームシアター」をお客様に提案いたします。
すでに、ご自身の手で試行錯誤をなされた方はご存じだと思いますが、スピーカーセッティングの基本は、「フロントだけではなく、センターとリアのすべてのスピーカーの高さを、できるだけ耳の高さに揃える」ことが、一番大きな基本となるポイントです。 なぜなら、私達の聴覚はスピーカーから直接発せられた音と「壁などから反射した音との時間差」から、音源の距離や方向を特定しているため、天井付近にリアスピーカーを設置すると、「スピーカーを取り付けた天井付近から、直後に大きな有害な反射が発生し、天井面に巨大なスピーカーを設置したかのような仮想音源を形成」してしまうのです。これは、手を口の回りに当ててメガホンの変わりにして声を出すと、声の質が大きく変わってしまうのと同じ原理です。 最悪なのは、天井のコーナーにスピーカーを取り付けるやり方で、このような方法を推薦しているメーカーのAVアンプの音質は、まったく持って不真面目なものとしか表現できないお粗末さな場合が多いので、アンプ選びに「メーカーの提唱しているサラウンドセッティング」を参考にするのも良いかもしれません。 ※さらに詳しくはこちらをご覧下さい。
同一平面上に5本のスピーカーを設置する場合、センタースピーカーは「スクリーンの後ろに設置」しなければならなくなりますが、サウンド透過型スクリーンは最も安い物でも約30万(100インチ)と非常に高価で、なおかつ近くで見るには画質に問題がある(スクリーンに小さな穴が空けられている)ためお薦めできません。 では、どうすればよいのでしょう? スクリーン背後にスピーカーを設置するときのポイントは、「センタースピーカーをスクリーンに出来るだけ近寄せて(触れるくらい)設置」することです。 しかし、スクリーン背後にスピーカーを設置した場合、「音の鋭いdts方式」では問題が起きない場合もありますが、「ドルビーデジタル(AC3)」などのサラウンド方式では、センターの信号明瞭度が低く「センタースピーカーの明瞭度の低下=音のこもり」が問題となる場合があります。 このような場合には、「センタースピーカー駆動用に、安価なトーンコントロール付きプリメインアンプ」を購入し、「トーンコントロールで高域を持ち上げて=高域の音量を大きく」するか「marantz製品に搭載されているSRSダイアログ機能」をつかったり、あるいは「BBEプロセッサー」を使用すれば、無理なく理想的なバランスが得られると思います。 コストは「サウンド透過スクリーン」を購入する場合と比較して「1/3〜1/10以下」と格安です。 逸品館7畳シアターで、御体験頂けます。絶対にお聴きいただく価値があります!
それでもうまく行かない場合は、オーディオページの「スピーカーセッティングの方法」を参考になさって、「フロントスピーカーを正確に配置」した後、ファントムモードをお試し下さい。 下手に置くくらいなら、センタースピーカーはない方が音が良いことにお気づきになられましたか? でも、一度試してごらんになれば、「センタースピーカーをスクリーンの外側に設置していたときに感じていた変な圧迫感や違和感」が消え「音がより大きく自然に広がること」を御体験いただけると思います。
また、スピーカーの設置時には「出来るだけ前後左右が対照」になるように、「フロントとリアのスピーカーを長方形の頂点に位置するように設置」することも大切です。センタースピーカーはフロントスピーカーより後方にあれば少し奥まっても構いません。 次に、「スピーカーとリスニングポイントの距離を正確に計り、アンプのパラメーターを正しくセット」して下さい。目分量ではいけません。 テストトーンを再生し、各スピーカーの音量が同一になるようにセットしたら、「スクリーンを下ろした状態で画面を出さずに音だけを出して」下さい。 たとえば、「鼻をつまんでものを食べると味が変になる」ことは、簡単に実験できるはずですが、これは「味覚」が、実は「味覚=舌」だけではなく「嗅覚」とも密接に関係している証拠です。また、トマトの絵を見ながらキュウリを食べたりしても変な感じがするはずですが、これは「視覚」が「味覚」に影響する証明です。ホームシアターにおける「多くの説明の間違い」は、「聴覚」が「視覚に引きずられること」を理解していない、実に幼稚なミスから起こっているのです。 又最近、サラウンド方式が「5.1Ch」から「7.1Ch」へと変わりつつります。「リア・センタースピーカーは、きちんと設置できれば後方への音の広がりを良くする効果」がありますが、センタースピーカーと同じで、下手な位置に設置すれば「100害あって1利なし」、無用の長物どころか、かえって音が悪くなってしまいます。 ユーザーの使い勝手を無視し、スピーカーを多く売りつければ、後はしらんふりという姿勢のメーカーの見識・良識を疑います。 我々は「ハイエンド・オーディオ機器」の販売やセッティング、さらには「AIRBOWの開発」を通じ、「通常の販売店はもちろん、メーカーの技術者でさえも認知しえないほどの高度なノウハウ」を豊かに蓄積しています。 我々はこれまでの様々なテストの結果「ホームシアターにおける最適なスピーカーセティングを考え出すこと」はさほど難しいとは感じていません。また、実体験を通じての経験から「常識の嘘」をうち破ることも容易です。ピュア・オーディオはもちろんホームシアター(サラウンド)の音に関しても、お気軽にご相談下さい。
また、最近多くの雑誌では、「サラウンドに使用するスピーカーは5本とも同じものが好ましい」、あるいは「絶対である」と言われていますが、これも「大きな誤り」であり「まったく根拠のない大嘘」です。 最も大きな理由の一つは、「すべてのチャンネルの音質(情報量)が同等ではない」ということです。 従来、2チャンネルしかなかった音声トラックに、5チャンネルの音声を「そのままの形では入れることが出来ない」ため、ドルビー・デジタル方式もdts方式でも、「信号を圧縮して記録」しています。当然「フロント2チャンネルの信号の品位(情報量)」が最も多く、リアスピーカーへ送られる信号の品位(情報量)はフロントのそれよりも、圧縮(間引きされて)かなり少なく(音の品位が低い)なります。 もし、これが本当かどうかお試しになられたいなら「フロントとセンターの音を消して、リアスピーカーだけから出る音を聴いてみればすぐわかります。どうですか? たまにしか鳴らないスピーカーにあなたはまだ「無駄なお金をかけたい」とお考えになりますか? すべてのスピーカーの信号の品位が同じではないのに「スピーカーを同じにしなければならない」という根拠などどこにもありません。それは「贅沢」を通り越して「無駄」というものです。 「メーカーや雑誌の提唱する方式」は、実際に「さまざまなスピーカーを組み合わせて最も効率の良いスピーカーセッティング」を見つけだし「ユーザーや読者に無駄な出費をさせない配慮」などどこにも見あたりません。 私達の推奨するスピーカーと、セッティング方法。 では、「どのようなスピーカーの選び方」がサラウンドには最適なのでしょう?
まず、5本のスピーカーの中で「最も重要=品質が必要とされる」のがフロントスピーカーですが、フロントスピーカーは「背が高いトールボーイ型」が最適です。無理して「低音まで出るレンジの広いスピーカー」を選ぶよりも、良質なサブウーファーの併用をお薦めします。 しかし、小さければよいからといって「フルレンジのユニットをたくさんつけた細長いスピーカー」では、音源が多重になる弊害で「音が濁る」、ツィーターがないため「高音がのびない」などの問題が出てきます。 現在お薦めしているのは、オーディオプロ・IMAGE40ですが、仕上げも良く・音質も抜群で「55,200円/ペア/税込み」という安さです。
センタースピーカーから主に出力されるのは「セリフなどの帯域」ですから、センタースピーカーに最適なのは、「音が素直な小型2Wayスピーカー、もしくはフルレンジ・スピーカー」です。たいせつなのは「小型」であるということと、「ユニットの数が少ない=音の濁りが少ない」ということです。 人間が非常に敏感に聞き分ける「セリフ帯域」の再現には下手なマルチウェイスピーカーを選ぶくらいなら、安価なフルレンジ・スピーカーの方が音が良いのです。しかし、より細やかなニュアンスが出せる「小型2Wayスピーカー」は確実にフルレンジ・スピーカーを上回ります。 お薦めのセンタースピーカーは、ウーファーの口径が10センチ〜15センチ程度で、大きさがH20センチ×W10センチ程度(いくら大きくてもその2倍以下)の製品です。 先に「スピーカーを同一にする必要はない」と言いましたが、フロントスピーカーに小型スピーカーを使用される場合には「フロントとセンターのスピーカーは同じものを3本使用」すれば「バラバラにするよりも音が良い」のは、言うまでもありません。
リアスピーカーは、映画では音の動き、つまり方向性を受け持ち、音楽では「後方への音の広がり」を受け持ちます。設置に関しては、「リアスピーカーというのだから頭の後ろ側に置かなければいけない」ということはありません。頭(耳)の位置より前に設置しても音はちゃんと後方へ広がって行きます。 6−8畳程度のホームシアターを構築する場合は、スクリーン下端ないしは背後にセンター・スピーカーを設置し、リスナー左右もしくは、やや後方の左右・壁面にリア・スピーカーを設置するのは部屋の使い勝手・大きさから考えて「ベスト・セッティングの回答の一つ」に間違いありません。 サブウーファーを使わない場合には、リアスピーカーもフロントスピーカーと同じような「トールボーイ・デザインのスピーカー」がお薦めです。決して、フロントスピーカーと同じメーカー、同じ製品である必要はありません。 また、場所(環境)の関係で、リアスピーカーをどうしても天井に着けないといけない場合には、可能な限り「小型の製品」を選んでください。「5本とも同じスピーカー」にしようとして、無理して高価で大型の製品を狭いスペースに詰め込むのは、全く意味がないだけではなく「もっと安い小型スピーカーに置き換えると驚くほど音が良くなる(音源出版発行のホームシアターファイル/P60〜P69に清原裕介のアドバイス例が掲載されています)」ことに驚かれるでしょう。
センター・スピーカーやリア・スピーカーに「癖がないこと」が大切だと申し上げましたが、スピーカーで生じる「癖の大半はエンクロージャー=キャビネット内部」で生じますから、「箱のないスピーカー」を使えば良いのです。「オーセンティックから発売されている、NXT方式平面スピーカー」がサラウンドのセンター(ダイナミック型との併設がベスト)とリア・スピーカーには最適なのです。 これを実証するために、3号館において「PMC/IB1S」を5本使用したサラウンドシステムと、「キングダム15をフロントに、センターとリアにはオーセンティックのNXT方式スピーカー(¥35,000/1台)を3台使用」したサラウンドシステムの比較を行いましたが、音質は後者の圧勝でした。 「同じスピーカーを5本使用する」のではなく、最適なスピーカーを選ぶことで「スピーカーにかかるコストを3分の1以下」にするか、あるいは「同じコストで3倍以上の音を出す」ことが可能なのです。
「dts方式」・「ドルビーデジタル方式」などのエンコード方式を用いる情報圧縮で「最も圧縮を受けない=音のクォリティーが高い」のは「フロント・スピーカーへの信号」なのですから、「情報量が多く振り分けられるフロントスピーカーのクォリティーを最優先する」ことは、非常に理にかなっています。 つまり、「フロント・スピーカー」と「フロント・スピーカーを駆動するアンプの質を高める」ことは、そのまま「ピュア・オーディオ用ステレオ・スピーカーのクォリティアップ」を行うのと全く同じことなのであり、ホームシアターに用いるためのスピーカーを「ピュア・オーディオ再生のスピーカーと分けて考える必要」が、「全くない」ことを、ご理解いただけると思うのです。 現在、ピュアオーディオのシステムをお持ちの場合「新たにフロント・スピーカーを買い足す必要は全くありません」。エフェクト用として、「一台たった¥35,000のオーセンティック/NXT方式スピーカーを3本買い足す」ことが最良の方法なのですから。 ※オーセンティックより発売されています、NXT方式スピーカーのページは現在準備中ですが、お急ぎの場合は「メールにてカタログをご請求」下されば、直ちにカタログを送付いたしますのでお気軽にお申し付け下さい。
ホームシアターのお薦めのスピーカー・システム PMC TB2SM (スプレーブラック仕上げ) 標準価格 192,500円
防磁タイプ 小型スピーカー PMC TB2SM 精密な位相管理は、このスピーカーにも引き継がれています。そのため「定位」は抜群です。しかし、若干「色気」に欠けすぎる嫌いがあるように感じました。このクラスのスピーカーには「入門用」としてもう少しフレンドリー・遊び心のある音も求めたいのです。このスピーカーの音を聴いて「色気がなくつまらない音だから失格」という烙印を押してしまう人もいると思いますが、その場合、責任はPMCのスピーカーにあるのではなく、「その製品のコンセプト、良さをまだ理解できる段階」ではないかも知れないのです。
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