生産完了
「JBL」、誰もが知るスピーカーであり、誰もが一度はあこがれるブランドです。いうまでもない、「ビッグネーム」。 名器「ハーツフィールド」の血筋を引くのが「K2−S9500/S7500」。 スピーカーの名門は、「現在も名門として通用する音質」を持っているか?
入力インピーダンス 6Ω ★アクアプラス・コーティングを施したファイバーコンポジット・コーンとSFG磁気回路搭載の38pウーファー
音が出ない! まったく細かな音が出ない上に、音の立ち上がりが悪く、ユニットに音がへばりついて離れない。
JBLのモニターは、伝統的に接点が弱いことは「JBL使い」なら誰もが知っていることです。 もう一つ、案外知られていないかも知れませんが「アッテネーター」は大いに活用すべきです。 では、まず最初に「接点」を磨いてやりましょう。接点を磨くためには、まず「ユニット」を外さなければなりませんが、その順序と方法を画像入りでご説明いたします。作業する4344MK2は、新品ですから「接点を洗浄する必要」は特にありません。しかし、組付けは工場でラフに行われているのがJBLのアメリカっぽいところです。接点に「熱研/カーボン・ダイヤトニック」を湿布し、「強力にきちんと組み付け直す」だけで、「音質を驚くほど向上させる」ことができるのです。
ただし、この説明の内容についてのお問い合わせには一切お答えしませんし、作業中の事故や、結果については「お客様自身」が責任を持って下さい。当社は、一切関知いたしませんので、あくまでも「個人の責任の範囲」で行っていただくように御願い申しあげます。 まず最初に、ウーファーを外します。(出来ればスピーカーをユニットが天井を向くように寝かせておくと良いでしょう。)
ウーファーを固定しているねじをゆるめて取り去ったら、ウーファー背面のコネクターに接続されているコードを外します。 ミッドバスも同じ方法で取り外し、ユニットとケーブルの接続部を外して、「カーボン・ダイヤトニック」を湿布した後、強くコンタクトを取れるように接続し直します。 高域ユニットの接点は、次のような方法で「磨き」ます。
ウーファーを外したら、高域用ネットワーク(画面左)・低域用ネットワーク(左から2番目)が見えます。 次に、コンプレッション・ドライバーと、スーパーツィーターの給電端子への「カーボン・ダイヤトニック」の湿布ですがこれはちょっと高度なテクニックを必要とします。まず最初に、4344MK2背面のサービスパネルを開けなければなりません。
初めに、スピーカー背面のサービスパネルのねじ10本を全部外します。 パネルが、外側から見て「外せるくらい緩んだ」らパネルを取り去ります。
そこには、コンプレッションドライバーとスーパーツィーターの、ケーブル接続部が見えるはずですから、外して、「カーボン・ダイヤトニック」を湿布後、再度きちんと接続します。そして、サービスパネルを元通りに組み付けます。 最後に、一番大切な心臓部「アッテネーター」を洗浄します。
ウーファーを外した開口部から中を覗けば、このようなボリュームが見えます。このボリューム背面の「魚の鰓のような隙間」から「ケイグ(スプレータイプを使えばやり易い)」を注入してボリュームを洗浄します。 ボリュームの洗浄が終わったら、ウーファーを組み付けて作業は終了です。 作業の終了後は、「驚くほど音がスムーズになり、細かなニュアンスが再現される」ことにお気づきになるでしょう。 この方法は、4344MK2だけではなく、「ほとんどすべてのJBLモニター系スピーカー」に有効な音質向上テクニックです。 最近、良くおこなわれる「エッジをセーム皮に張り替える」という補修法は、「張り替え後、ユニットのダンピングファクターが変わる」のは確実ですから、「音質は必ず変わる」でしょう。「エッジをセーム皮に張り替えられたスピーカー」は、「JBLの音は保証できない」とお考えになるのが無難だと思います。
スピーカーケーブルを[Bi−Wire]で接続しない場合は、最初に付いている「金色のショート板」に換えて、画像(黒と白の線)のように、6Nなどの高音質スピーカーケーブルを切って、「高音質ショート線」作って使うだけでも音質はハッキリと向上します。もちろん、スピーカーケーブルや端子にも必ず「カーボン・ダイヤトニック」を湿布して下さい。 特に、高純度の銅線は「酸化すると音が悪くなる」ので、被覆を剥いで「露出した銅線部」に「カーボン・ダイヤトニック」を含浸させておけば、「かなり長期間酸化を防止」出来るでしょう。 アンプからの配線は、「必ず高域にプラス」・「低域にマイナス」を接続して下さい。(斜め/スタッガー接続になります)。これだけでも音はずいぶん違うのです。画像では、オルトフォンの7Nバナナプラグを使用していますが、「いかなる場合にもバナナプラグは使わない」ほうが音質的には有利であることを付け加えておきます。むき出しの銅線を直接(カーボン・ダイヤトニックは湿布して)繋ぐのに優る、高音質の方法はないのですから。 バイワイヤリング接続におけるスタッガー方式(ただしスピーカーによってプラスマイナスは入れ替わります)、バナナプラグは使わないこと。これはその他のほとんどのスピーカーにも当てはまる高音質化へのテクニックです。
4344MK2には、ディフューザー(音響レンズ)が付属しています。各ユニットの音量調節用ボリュームもあります。これらの使いこなしについて検証しましょう。 まず、ディフューザーですが、「音像を散漫にし、定位を乱す」ので、意外に思われるかも知れませんが外した方が、音の広がり感が増すはずです。
このようにディフューザーを外しセンター向きに設置すると「音がきつく=子音が強調」されてうるさく感じますから、スーパーツィーターの周囲にフェルトを施し、各ユニットのレベルを再調整しましょう。
左の画像は、フェルトを切り抜いてスーパーツィターに被せた状態です。(被せているだけなのですぐ外せます) また、左右のボリュームの位置は「ほとんど等しく」なっていますが、これはそれぞれのスピーカーに対して調整をおこなった結果が「たまたまそうなった」だけですから、スピーカーの個体差により「ボリュームが左右均等でない」場合も十分考えられます。 私の知る限りでは、「ユニットの音圧レベルが左右が均等であった、唯一初めてのJBLスピーカー」がこの4344MK2でした。ということは、つまり今までの「JBLモニターのユニットの音圧」は、左右がそろっていないのが普通だったのです。特に「並行輸入されたJBLスピーカーの不均一さ」はひどいものだった経験があります。これらは、「数多くの中古品を責任を持って扱った」経験から得られたものです。
4344MK2が「信頼できる製品」であるかどうか? すでに、「4344MK2」を所有しているお客様は、「この調整をおこなってみられる」ことをお薦めいたします。
逸品館は「数多くの中古品」を扱っていますが、「過去の製品の音質から学べる」こと、そして「実際に長時間使い込まれた製品」から得られることは、とても「大切な情報」であり、「重要なノウハウ」となります。 製品が「長時間の使用」に耐えうるかどうか? そして、「そこから学んだノウハウ」は、惜しみなくお客様に「フィードバック=還元」させて頂けるのです。 逸品館に常設されている「試聴機」は、「すべてメーカーから買い取った製品」です。それは「自分で買ってみないとわからないこと」を学ぶためです。このページに「記載された使いこなしのテクニック」などは「メーカーから借りている試聴機」では、決して試せないことなのです。 「お客様から教えて頂ける」ことも、もちろん沢山あります。しかし、「お客様がお求めになる」ことに対して「納得できるお答え」をご用意すること、お客様の「信頼」に100%答えようとする、前向きな姿勢をなくせば、もはや「専門店」ではあり得ない。 |