PMC ・ FB-1 試聴リポート

FB−1/R ローズウッド ¥462,000/ペア・税別
FB−1/BA ブラックアッシュ ¥356,000/ペア・税別
FB−1/AW ウォールナット ¥356,000/ペア・税別
周波数特性:25Hz−25KHz
入力感度:90dB 1W1m
クロスオーバー:3KHz
インピーダンス:8Ω
ウーファー:170mm / キャストマグネシウム・アロイ
ツィーター:アルミニウム製 / アルミニウム・アロイ
スピーカー端子:バイワイヤリング対応
重量:22Kg (単体)
寸法 (mm):200W×1000H×300D
拡大するホームシアターマーケットに対応すべく、サラウンドデザインだけでなく、スタイリングにも徹底してこだわりを持って設計したのがフロアスタンドスピーカーのFB−1です。ベストセラーのコンパクトスピーカーのTB1とは兄弟機で、TB1が持つローディングラインをより完全な方向へ発展させています。
他のPMCモニターと同様に卓越した特性を持つことに加え、新設計のローディングラインによって得られる低域は25Hzという驚異的なスペックを誇ります。純粋なステレオ仕様としてなら、もはやサブウーファーは必要ないほど余裕のある低域再生を実現します。
しかも、トールボーイとしての外観は、スピーカーそのものが一つの家具やオブジェとして室内を演出するだけでなく、スピーカースタンドを不要にすることでセッティングを簡潔に行うことが出来ます。
こうしたコンシューマー機を意識した仕上げは、今後のPMC製品にも反映されていくのは必至です。
以上カタログより抜粋

FB−1とTB−1の音質比較
PMC / FB−1の構成は、エンクロジャーを除けば[TB1]と同じです。しかし、ユニットが同じだからといって「低域だけが強化された」というわけではありません。これは、[MB−1]と[BB−5]にも当てはまりますが、「低域の表現力」が変われば、中高域の表現力も大きく変化するのです。
つまり、[TB1]・[MB1]と[FB1]・[BB5]の双方を比較した場合、中高域の繊細感(解像度)・深み・しなやかさが随分と増しているのです。カタログスペックだけでは、この中高域の変化は絶対に分からないでしょうし、理解できないと思います。
ですから、「TB1の音は知っているから、FB1の音は大体想像がつく」などと、早合点なさらずに是非一度[FB1]をお聞きいたければと思います。
使用した機材
 | CDプレーヤー
AIRBOW TL−1X/KAI
AIRBOW DAC−1.spec99
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 | プリメインアンプ
AIRBOW LITTLE PLANET (試作機)
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 | 補助ツィーター
AIRBOW CLT−1
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当日、お越し頂いたお客様の感想
 | ジャズ |
A:47才、男性
サイズからして仕方がないが、キックドラムのアタック感が少し弱いかな。
総合的には極めて良。CLT−1追加でペットが耳に突き刺さる。少し疲れるかな。太鼓はリアルで素晴らしい。
B:34才、男性
CLT−1なしではややソフトさが目立ったがさすがにCLT−1付だとクリアな音楽になった。
ソフトといってもだるい音ではなく、非常に早い音の飛び出しでPMCならではのサウンドです。
C:?才、男性
ちょっと音量が大きすぎたようで、両端(高低)のピークが耳につく。
D:20才、男性
中低音が少し膨らみがち、良くなかった。
E:52才、男性
独特のみずみずしいツヤは大変な魅力である。音楽の立ち上がりが素早いので快感と安心感がある。低音の構築の正確さは素晴らしい。
F:44才、男性
中本マリは割と良かった。ルバルカバは録音が!全体に薄いベールがかかった感じが最後まで取れなかった。
H:32才、男性
少しこもっている。ツィーターに関しては、今までのレベルを大幅に超えるものではない。
J:?才、男性
ドラムなど、低音のスピードが速い。音の広がりがある。
 | フュージョン |
A:47才、男性
気持ちよく聞けますね。
B:34才、男性
電子楽器の音色を表現する、数少ないスピーカーのPMC。他のスピーカーではみんな同じに聞こえてしまうものが、それぞれ個性的な音色で感じられて非常に音楽的です。
C:?才、男性
いろいろ切り換えて聴いたが、どれも良い音で鳴らなかったので×。
D:20才、男性
大太鼓の存在感は大型に比べると小さいが、空気を揺らす感じはうまく再現していた。実体感のある音、定位はかなりしっかりしている。音の厚みがとても心地好い。低音のうねる感じがすばらしい。
F:44才、男性
さすがにTONEを入れると見事にクリアになる。P−0だと少し音がやせる。
 | クラシック |
A:47才、男性
このスピーカーのスピード感(AMPのせいかな)はどちらかというとジャズ向きかな。
B:34才、男性
カンターテドミノはこういうふうに鳴ってくれないとダメというか、これが正しい定位なのでしょう。マイクのクセや録音のクセがなければ、生演奏と区別できないぐらいのレベルにあると感じます。
C:?才、男性
高音のメタルドームのクセがちょっと耳について、前の電子音楽に比べて音が完全に崩れない感じ。
バイオリンは、高音の音色の品位が低い。ユニットの限界か。
追加ツィーターもさして効果的と思わなかった。バイオリンもピアノもエネルギー感がない。
D:20才、男性
音が速い。小型なのでパイプオルガンのペダルの音まではしっかり出ないが、サイズを考えると十分。
声楽は声の質感がとても良い。バイオリンは弦の動きが見えるほどリアル。粒子が細かい。
E:52才、男性
全帯域のクセのなさも群を抜いていて、快感と安心感あり。接続音も独特の質感があります。
F:44才、男性
オルガンは広がりがあって、リヒターらしさが良く聴ける。ヴァルヒャだと、どう聴こえるか。コーラスは聞き慣れた曲だけに、細かいアンサンブルのミスまで良く分かる。左右の定位はOKだが、前後はどうか。和本敦(邦楽)は、CLT−1を入れるとやはり圧倒的。途中の尺八も明らか。バイオリンは弓の動きも良く分かる。ピアノはイコライジングがかかっている?
G:?才、男性
上手、下手が良く分かる。
H:32才、男性
広がりと定位のバランスは良い。クセがない。余計な音がない。現代的な音。パイプオルガンは広がり、定位がすばらしい。
I:30才、男性
五嶋みどり、バイオリンの高音部が良くないと思います。エージングでマシになるのかもしれませんが・・・中低音は好みです。
J:?才、男性
こもる。スピード感はあるが、音が軽い。
 | ポップス |
B:34才、男性
CLT−1を付けての演奏の時は非常に素晴らしいもので、こういうふうに鳴ってくれると嬉しくなります。
D:20才、男性
音が見えるような実体感のある音。高音はとてもエネルギーがあるが、中音のエネルギーは少し不足ぎみ。
G:?才、男性
音場の良さを感じた。部屋の環境も含めて、セッティングの良さかと思った。
H:32才、男性
すっきりとレンジが広がる。
J:?才、男性
音離れが良い。S/N感あり。広がり感がある。
 | AIRBOW CLT−1のご感想 |
A:47才、男性
効果的と思うが、組み合わせるSPとの能率の差の問題など気になる部分もある。
B:34才、男性
とにかく今回の試聴ではCLT−1の効果は抜群でした。特に音場がクリアになり、音楽の表現力がぐっと上がるのが良く分かりました。
音のひとつひとつがクリアになりました。
C:20才、男性
高音に輝きが出る。粒立ちが良くなる。音場の見通しがとても良くなる。固体の物を叩いた音の立ち上がりが良くなる。
G:?才、男性
試聴システムには必要と感じた。個人的に○。
H:32才、男性
もはや手放せないアイテム。
J:?才、男性
家で使用しているがこれがないと音楽が聴けないほど音が変わる(ライブ感が出る)。
 | AIRBOW LITTLE−PLANETのご感想 |
B:34才、男性
色付けのなさは記録されているものが大きく飛び出してくる感じで、変な言い方をすればアンプの存在を感じさせないアンプ。普通のアンプが水道の蛇口から出る水とすればこれは滝のような余裕を感じさせる。
D:20才、男性
以前に試作機を聴かせてもらいましたが、奥行空間がかなり自然であると思います。自宅のACCUPHASEでは、絶対出ない感じです。他のCDプレーヤーなどとデザインが合うようなサイズのモデルを作って下さい。
E:52才、男性
音の上がりが早過ぎるのではないかと思えるぐらい、速い。感覚的にはツィーターをほんの少しだけ後に移動したい気持ちになりました。音の出力に好感を持ちました。エネルギー感があります。メカニズムを知りたいです。
F:44才、男性
できれば国産50万クラスと聴き比べしたかったな。
G:?才、男性
急発進、急停止、◎。
H:32才、男性
いよいよAIRBOWアンプの第二世代か。柔らかく、静かで、自然だ。
J:?才、男性
今まで聴いてきたアンプとは比べられないぐらい、音に自然感がある。
 | 全般のご感想 |
A:47才、男性
万能スピーカーはない。要は使いこなし、アンプとの相性が大事ということかな。
C:?才、男性
エージングの話をされていたが、確かにエージングでかなり改善されるかもしれませんね。お買い得のスピーカーだと思います。
D:20才、男性
モニターらしく一音一音に曖昧な部分がない。空間再現がとてもうまい。音が消え入るところまで良く伸びる。楽器が重ならずそれぞれの楽器が出す音がハーモニーを作る様子がうまく再現されている。クラシックにはとてもよく合うスピーカーだと思う。
F:44才、男性
一聴してシステム全体の素性の良さ、品位の高さが分かる。現行の逸品館の最高峰の音にどこまで近づいているのか、それが楽しみ。今度はその辺のスクランブルをしてみたい。
J:?才、男性
スピーカーFB−1の音は素晴らしいと思うが、モニターとして聴くなら、である。アンプの能力には驚いた、欲しい。
 | お気づきになられた点 |
A:47才、男性
新タイプのアンプ(プラネット)だけでなく、従来のアンプ(トランジスター、球)でも聞ければスピーカー単体の能力が分かりやすいかな。
ソフトはアコースティックな自然な音場のあるものも使用して欲しい。
C:?才、男性
前で聴いた人はOKでは?
D:20才、男性
タイタニックのCDは持っているので自宅のシステム(S−1)と照らし合わせてみると、低音が思ったより上品でした。もっと量があると思った。全体的に低音が中音までかぶってしまっているようにも聴こえたが、量感があって特にフュージョン、クラシックは良かったです。組み合わせもあると思いますが、音がオーディオオーディオしていなくて音楽の情感がとても再現されていました。
E:52才、男性
PMCのスピーカーの中低域のあるところにカタいところがあるように思いますが、これはエージングでなくなるのでしょうか。
イベントを振り返って
このイベントに使用した[FB1]は、「真っ新/使用時間10時間以下」でしたが、それがまず大きな失敗でした。エージングが十分に行われていなかったため、「高域が金属っぽく、硬い音」だったのです。そのため、全般的にドンシャリとした音で鳴っていました。
勿論、それでもお客様のアンケートにあるように十分良い音だったのですが、すべての疑問は「それから1ヶ月後/使用時間300時間を超えてから」に解明されました。答えは「エージングの不足」でした。
イベント終了後場所を変えて[FB1]を鳴らし続けていると毎日10時間の使用で一ヶ月を越える頃に、「ハッキリと聞いていてわかるくらい音が柔らかく、繊細さと深みを増す」のを感じられたのです。今までも、エージングで音が変わることは経験していましたが、これほどハッキリと短時間に音が変わる経験は初めてでした。
現在、イベントに使用した[FB1]は、3号館で素晴らしい音楽を聴かせてくれます。私感で恐縮ですが、イベントの時よりも3−5倍くらい音が良くなっているようにすら感じられます。
低域の応答遅れが無く、体にぶつかってくるような、リズミカルな「ドラム」。部屋全体が揺れるような「パイプオルガン」の重低音の音階が難なく分離するのは、遙かに高価なスピーカーまで考えてもそう簡単には見つからないと思います。
定位感と広がり感も抜群で、スピーカーを中心に360度方向にステージが大きく広がります。[FB1]を5台使ってサラウンド再生を行ったら凄いことになるはずです。
絶対! ¥500,000(ペア)程度の価格で、FB1を越えられる性能のスピーカーはまず無いと思います。