トップページへ戻る




阪南中央病院労働組合の要求/見解/主張



安倍政権の暴走を止めよう!その1
医療介護の切り捨て「総合法案」
  〜衆議院、議論打ち切り強行可決
  「集団的自衛権」の行使容認問題が大きくクローズアップされる陰で、医療介護の今後に大きく影響する法案が成立に向け進んでいます。先月5月14日の衆議院厚生労働委員会と5月15日の衆議院本会議において、「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案(以下、医療介護総合法案と略)」が、全野党が反対するなかで自民・公明両党によって採決が強行されました。しかし、この法案の中身や強行採決についてもほとんど報じられることがありませんでした。これについては、政府側が「集団的自衛権」の行使容認を指示した首相の会見に合わせ、その陰で目立たないように採決し衆議院を通過させたとも言われています。国民の健康と命に直結する、痛みを伴う改悪を、国民の目に触れないようなやり方で、数の力で強引に成立させようとしているのは許せないことです。

19もの関連法案を一つにまとめて成立を狙う乱暴さ

 この「医療介護総合法案」は、社会保障への国の支出を削減・抑制するため、医療・介護サービス利用を制限する方針が盛り込まれています。医療と介護にかかわる19もの関連法案を一つにまとめたもので、この提案の仕方自体が、改悪をまとめて一気に進めてしまおうとの意図を持つ乱暴なやり方です。
 医療分野では、看護師配置の手厚い、急性期病院の入院ベッドの削減を目指しています。高齢者人口が増える2025年には202万床が必要と推計されているのに、それより40万床以上も少なくする計画を立てています。病床利用状況について各病院から都道府県への報告制度を作って、急性期病床の削減を強制的に進めようとしています。
 介護では、要支援認定者(約150万人)の介護保険サービスから切り離しや、一定所得の高齢者のサービス利用料を1割から2割負担に引き上げ、特別養護老人ホーム入所を原則「要介護3以上」に限定する、などの改悪を進めようとしています。
 また、看護師に「特定医療行為」を解禁する研修制度を設けるための保健師助産師看護師法の改定も含まれています。医師不足の肩代わりを看護師にさせ、看護師にさらに過重労働を強い、看護のあり方を大きくゆがめる危険性を持つものです。

わずか40時間の審議で強行採決

 医療、介護、看護の分野でそれぞれが大問題であるはずなのに、衆議院の厚生労働委員会で審議された時間は計40時間とのこと。これでは19法案を個別にじっくり審議できないと野党からも批判が出ました。審議も介護分野に集中したようで、特に要支援認定者の介護保険からの排除は、財政力の違う市町村によってサービスや利用料に格差がでることへの批判が上がりました。しかしこれ以外の、例えば急性期病床削減や看護師の「医療行為」解禁の是非についてはほとんど議論されずじまいです。このような不十分な審議しか行われず、委員会ですべての野党が反対しているにもかかわらず、議論が打ち切られ、採決が強行されてしまったのです。
 法案は参議院に送られましたが、与党優位の下で今国会中に成立する可能性が高まっています。しかし与党のやりたい放題をこのまま許してはいけません。
参議院での徹底審議と廃案を求めていきましょう。


医療介護総合法案の主な内容

【医療】
・都道府県が地域医療ビジョンを策定し、急性期病床 の削減を進める。知事による強制措置も導入。
・外国人医師による診療の緩和
・第三者機関による医療事故調査制度
【介護】
・一定所得の高齢者の自己負担を2割に引き上げる
・特別養護老人ホーム入所を原則「要介護3以上」に 限定
・要支援者の訪問・通所介護を介護保険から切り離し、 市町村事業に移す
・施設入所者の居住費・食費の補助を縮小
【看護】
 看護師に「特定医療行為」を解禁する研修制度導入


( 組合ニューズ 第5230号 2014年6月10日より)

阪南中央病院労働組合 〒580-0023 大阪府松原市南新町3-3-28 TEL/FAX 072-331-1919
Copyright© 2008 Hannan-Chuuou-Hospital Worker's Union