阪南中央病院労働組合の要求/見解/主張


小泉首相の靖国神社参拝を糾弾する!

  八月一五日朝、小泉首相は靖国神社参拝を強行しました。中国や韓国だけでなく広く国内外から、「侵略戦争を正当化するもの」「戦争犠牲者の気持ちを踏みにじるもの」など、参拝しないよう求める強い声が上がっていました。小泉首相は、これを無視し、挑発するかのように参拝を強行したのです。私たちはこの暴挙を断じて許すことはできません。満身の怒りをこめて糾弾します。
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 靖国神社は、かつての天皇制日本の侵略戦争を推し進め死んでいった人々を神として祀る軍国神社、戦争神社です。戦前日本は、侵略戦争にかり出された数多くの兵士に無駄死を強要しました。靖国神社は、その悲惨な死を「英霊」として讃え、「お国のために殉ずる」軍国精神を作り出す柱でした。まさに侵略戦争の精神的支柱であり、国民を侵略戦争へと駆り立てる洗脳施設としての役割を果たしてたのです。戦後は一宗教法人になったとはいえ、侵略戦争の最高責任者であるA級戦犯を合祀し、「英霊」として讃え、「あの戦争は自存自衛の正しい戦争だった」という誤った歴史観を主張し続けています。
 実際、靖国神社には、天皇制日本による侵略戦争の犠牲者、日本軍によって殺された中国、韓国はじめ二千万人とも言われるアジア諸国の人々は祀られていません。それどころか、東京大空襲や大阪大空襲の犠牲者、広島と長崎の原爆被爆者など日本の一般庶民の戦死者も祀られていないのです。ここには侵略戦争への反省とか加害責任などの視点は全くなく、またすべての戦争犠牲者への追悼といったものでもなく、あるのは天皇制の軍国日本とその戦争への賛美だけです。ここに靖国神社の戦争神社、侵略神社(あるいは天皇のための神社)という本質が現れています。
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 小泉首相がどんなことを心に描いたとしても、このような神社に首相が参拝すること自体、日本の侵略戦争と植民地支配を美化・正当化するものであることは誰の目からも明らかです。それは同時に、「国のために死ぬこと」を賛美することであり、自衛隊のイラク派兵に続く新しい戦争加担や戦死を賛美することに直結します。戦争放棄の憲法9条、そして政教分離(政府は宗教的活動を支援してはならない)を定めた憲法20条にも真っ向から反し、これを蹂躙するものに他なりません。私たちは、小泉首相の靖国神社参拝に強く抗議します。メールやFAXなど様々な手段で小泉首相に批判と抗議の声を集中するよう呼びかけます。
(組合ニュース第5023号 2006.8.18 より)




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