阪南中央病院労働組合の要求/見解/主張


再処理工場が動き出せば、大気へも海洋へも
日常的に放射能が放出される
青森県・六ヶ所村再処理工場の
『アクティブ試験=運転再開』に反対しよう! 

サークル・原発見張り番

  国と青森県は、六ヶ所村の再処理工場で実際にプルトニウムを分離する「アクティブ試験」の承認を今月中にも出そうとしています。再処理工場とは、全国の原発から出た使用済み核燃料をズタズタに切り刻み、ウランとプルトニウムとその他の高レベル廃棄物等々に分離する施設です。「アクティブ試験」が始まれば、ウランとプルトニウムの分離を実際に行い、大気へも海洋へも日常的に放射能が放出されます。実質上運転の開始です。再処理工場が動き出せば、青森はもちろん、日本有数の漁場である三陸海岸も放射能で汚染されてしまいます。

三陸海岸の魚介類、青森の農作物が放射能で汚染される

 「試験」とは言うものの、最大処理能力である年間800トンの半分以上に当たる430トンをアクティブ試験で使用します。運転が開始されれば、排気筒から大気中へ、海底の放出口から下北海域へ大量の放射能が日常的にばらまかれます。

 1月24日に、青森県が公表した予測値によると、大気中に放出される放射能のために、精米1kgには炭素14が90ベクレル含まれることになります。1kgの米から毎秒90個の放射線(ベータ線)が放出されることを意味しています。毒物が食べ物に混ざることを、当然のように認める県の神経はどうなっているのでしょうか。
 海に放出される放射能は、年間47000人の経口致死量、年摂取限度では3億3千万人分にも相当します。海洋放出では濃度規制も取り払われ、トリチウムは原発の規制の2000倍以上の濃度で放出されます。放射能は、青森県から南の三陸海岸に南下し、豊かな海と魚介類が汚染されてしまいます。食卓に上るサンマやサケが放射能を含んでいるかもしれないと心配しなければならない日が来るのでしょうか。

遠く房総半島まで流れ着いたハガキ

 2002年8月、六ヶ所から約1万枚のハガキを流した「流す籤(クジ)らプロジェクト」。北は北海道から、南は千葉県の房総半島まで流れ着きました。これは人に拾われ返送された結果です。もちろんそれ以外に流れ着いている可能性があります。これが放射能だったら、これほど広範囲に海が汚染されるわけです。
 海水で薄まればいいという問題ではありません。生物に取り込まれて体内で溜め込まれ濃縮される危険性があります。さらにそれを食べた動物の体内ではさらに濃縮が進みます。もちろん人間も例外ではありません。

重要なガラス固化技術が未確立  運転開始後に開発するというお粗末さ

 「そのガラス固化体を製造する過程の技術開発がまだ十分に開発されていないことを、評価委員になって始めて知った。大変重要な技術開発であるので、人員を適切に配置して、研究の成果が少なくとも5年以内に実ることを心から願っている」。これは再処理工場を開発する核燃サイクル機構(現・日本原子力研究開発機構)で2004年に研究内容を審査した評価委員のコメントです。この言葉どおり、驚くべきことに未だに重要な技術開発ができていないのです。にもかかわらず、とにかく運転を早く始めようとしているのです。
 大気と海、そして食べ物を放射能で汚してしまわないように、再処理工場のアクティブ試験に反対しましょう

(組合ニュース第5016号 2006.2.8 より)




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