阪南中央病院労働組合の要求/見解/主張


戦後60年目の8月を迎えて
在韓被爆者「葬祭料」裁判
9月1日に最大の山場 
  原告・金鐘浮ウんの証人尋問
    傍聴支援を呼びかけます

 被爆六〇年を迎えて

 六〇年前の一九四五年八月六日広島、八月九日長崎に、アメリカによって原子爆弾が投下され、二〇万人を超える人が命を奪われました。生き残った被害者も、心身に大きな傷を負い、戦後を生きてきました。被爆六〇年を迎えて、一人でも多くの方が原爆の悲惨さに触れ、犠牲者に思いを馳せ、不戦の誓いを新たにしていただきたいと願います。
 さて、全被爆者の約2割を占めていたといわれる朝鮮半島出身の被爆者。生き残った方の多くが南の韓国に帰国しました。彼ら在韓被爆者は、日本政府からいっさい補償や援護を受けられず、戦後長い間放置されたままでした。長い間かけての日本政府への補償要求や、被爆者援護法を平等に適用するよう求める裁判の結果、今では日本に来て被爆者の認定を受ければ、韓国帰国後も被爆者援護法に基づく健康管理手当を死ぬまで受給できるようになりました。しかし、まだまだ日本人被爆者が受けている援護を同じように受けられません。厚生労働省は、国内外の被爆者を平等に援護することを、頑として認めようとはしないからです。被爆六〇年の今も、韓国はじめ国外に住む在外被爆者の権利の平等のための闘いは続いています。

被爆者はどこにいても、どこで亡くなっても被爆者─在外被爆者にも「葬祭料」支給を求める裁判

 昨年九月に、阪南中央病院にも渡日治療で入院されていた在韓被爆者・故鄭學連(チョンハンニョン)さん、故朴源慶(パクウオンギョン)さんのご遺族らが、被爆者援護法に基づく「葬祭料」の支給を求めて、国・大阪府を相手取り訴訟を起こしました。
被爆者援護法には「(被爆者手帳を発行した)都道府県知事は、被爆者が死亡したときは、葬祭料を支給する」とあり、被爆者が亡くなると葬祭料が遺族に支給されることになっています。鄭さん、朴さんのご遺族は、被爆者手帳を発行した大阪府知事に葬祭料の支給を申請しました。しかし、大阪府は厚生労働省に指示を仰いだ上で、これを却下したのです。「韓国に住む被爆者が韓国で死亡した場合には葬祭料は支給できない」という言い分でした。このようなことは被爆者援護法のどこにも書いてありません。これは明らかな差別であり、法律違反であるということで、この不当な処分を取り消し、不法行為に対する国家賠償を支払うよう求め、訴訟に至りました。裁判開始から1年が経とうとしています。

裁判最大の山場・証人尋問を、傍聴席を満席にして支援したい

 来る九月一日に、裁判は最大の山場を迎えます。原告の金鐘普iキムジョンチョル)さん(故鄭學連さんのご長男)が証言台に立ち、証人尋問が行なわれることとなったのです。金さんは、故鄭學連さんの被爆体験や、戦後韓国に帰ってからの被爆後遺症の苦しみなど、苦難に満ちた生涯について証言をされる予定です。支援者で傍聴席を一杯にいて、金さんを応援したいと思います。一緒に裁判所へ行って証人尋問を傍聴・支援しませんか。
 証人尋問は九月一日(木)午後二時から三時半までの予定で、大阪地方裁判所806号法廷で行われます。
(組合ニュース第4999号 2005.8.5 より)




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