阪南中央病院労働組合の要求/見解/主張


2005年を迎えて
平和と希望への節目の年に!
団結強め、前向きにがんばろう!

阪南中央病院労働組合執行委員長 玉木 佐江美

 新しい年を迎えました。「おめでとう」と心の底から祝辞を述べる気分になれないのは私だけではないと思います。地震や台風等の自然災害と異常気象に襲われた2004年の暮れ、スマトラ沖巨大地震・インド洋大津波という歴史上最悪とも言える災害で15万人を超える人びとが犠牲となりました。被災者は5百万人とも言われています。米国も日本もイラク戦争ではあれだけ大騒ぎして軍隊を派遣し、莫大な費用を投じながら、今回の津波災害に対する「援助」はあまりにお粗末なものです。各国が競い合うように「援助」を表明していますが、その数字は米国が3億5千万ドル、日本が5億ドル程度に過ぎません。米国はイラク占領のために実に1日(たった1日で!)2億7千万ドル(これまでの総額では1500億ドル以上)も費やしているのです。そればかりか米国は、今回の「援助」をテコに中東から北東アジアに至る「不安定の弧」での影響力行使を狙い、日本もまた近い将来のこの地域への軍事力展開に向けた米軍との一体化、その予行演習の思惑を持って自衛隊を派遣しています。さらに、米軍は津波を知りながら、インド洋の米軍基地だけに警報を流し、周辺諸国には知らせなかったいう報道もあります。「戦争や軍事のためでなく、人間のため、命のために金を使え」と思わず叫びたくなります。そして今なお戦争が続くイラクでは、大津波の犠牲に匹敵するほどの民衆が、女性も子ども含めて米軍によって虫けらのように殺され、建物も何もかも破壊され、今も犠牲者が増え続けています。

 しかし絶望と悲惨ばかりではありません。イラクでは、街もろとも破壊され尽くされたファルージャで、圧倒的な力の差がある米軍に対して今なお民衆が抵抗し反撃を続けています。年初には数千人の大規模デモが行われました。米軍によるイラク占領は泥沼化し、米軍自体が消耗して内部から崩れ始め、米国は敗北が不可避なところまで追い込まれています。中米のベネズエラでは、民衆の側にある革命派のチャベスが、幾度にもわたる反革命側の抵抗を封じ込めながら、勝利し続けています。どんなに絶望的な状況、苦難の道にあってもあきらめることなく、自らの希望と理想のために闘い続けている人々がいることに本当に勇気づけられます。

 今年2005年は、敗戦60年、ヒロシマ、ナガサキの被爆60年です。政府・与党は、この節目の年に、憲法9条改悪と平和主義の放棄、軍国主義の動きを一挙に加速することを狙っています。私たちは逆に、自衛隊のイラク撤退、反軍国主義と平和、人権推進の方向への転換を勝ちとる節目にしなければなりません。 
 新年にあたって私は、どんな厳しい状況であっても、それがどんなに困難な事に思えても逃げないであきらめないこと、そして希望を持って行動すること、その積み重ねが現状を変えることにつながり、私たち自身もまた前進できるのだと改めて思い、決意を新たにしています。

 昨年は、私たち労働組合にとって間違いなく大きな転換点でした。労働者にとってまだまだ厳しい状況が続き、なかなかそこから脱することが出来ない苦しい現実がありますが、それでも少しずつ流れを変え、押し戻していく所に私たちは立っているのではないかと思います。昨年の秋期年末闘争では、6病棟オープンに向けた交渉で、ささやかではあれ組合要求を実現することが出来ました。詰所会の超勤扱いと超勤削減、介護休業制度拡充など目に見える成果も得つつあります。パートの待遇改善についても、組合内で議論し要求を出すことで、一時金獲得など非常に価値ある成果を勝ちとりました。昨年までの賃金カット、労働条件の引き下げを受け入れるばかりと言った後退局面から脱して、団結を強め声をあげていくことで、少しずつではあるが前進できる所に来ていると前向きに考えたいと思います。今年は、みんなが楽しく安心して元気に働き続けられる職場にするために、より一層団結を強め要求を声に出して一つずつ実現していきたいと考えています。

 病院が民間病院として自立の道を歩み出したことに加え、労働組合が先頭に立って患者・市民との親ぼく交流組織「きずなの会」を結成出来たこと、そして「健康まつり」実現できたことは、本当に喜ばしいことです。この流れをしっかり定着させ、阪南中央病院の存続・発展のための基盤を強化していくこと、差別のない患者中心のあたたかい医療を確立する条件を固めることが今年の大きな課題であり目標です。

 医療現場では政府の医療政策によって市場原理と営利主義を強いられ、労働者が過酷な労働条件を押しつけられるだけでなく、患者にも過酷な経済的負担を強いる状況がつくり出されつつあります。私は、困難だからと何も言わず何もせず、あきらめて押し込まれてしまいたくはありません。何としても政府・厚生労働省に対して、この厳しい事態を少しでも変えていくために具体的な行動を起こしたいと思います。そして看護師はもちろん、技師、事務職員、現業職員、パート職員をはじめ、すべての医療労働者が、やり甲斐を持って楽しく健康に働き続けられる、そんな条件をつくりあげるために全力を尽くします。
(2005年1月6日)




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