阪南中央病院労働組合の要求/見解/主張




新・阪南中央病院の出発にあたって−−
やさしくあたたかい病院であり続けるために
患者・市民の皆さんに開かれた病院をめざして
労働組合も頑張ります!
より一層のご支持、ご支援をお願いします!
阪南中央病院労働組合執行委員長 玉木 佐江美

  阪南中央病院は4月1日、従来の財団法人から医療法人財団に引き継がれ、民間病院としての新しい道に踏み出しました。私たち労働組合は、2年半前の大阪府の突如の民営化方針への転換以後、阪南中央病院の存続、差別のない患者中心の医療を守り抜くことを掲げて自立再建に全力を注いできました。一昨年の特定調停の結果、病院の経営基盤は大幅に強化され、また患者・地域住民の皆さんをはじめ多くの皆さんのご支援によって、いわゆる民間売却や閉鎖でなく、病院経営陣が新法人を引き継ぐかたちで新・阪南中央病院がスタートすることになりました。患者・地域住民の皆さん、ご助力いただいた全ての皆さんの暖かいご支援に、改めて心から感謝します。私たちは、差別のない患者中心の医療を掲げ31年前に創立された阪南中央病院の設立趣旨を忘れることなく、よりいっそう地域住民の皆さんに信頼され、愛される病院として、やさしくあたたかい病院として存続し続けられるよう、労働組合の立場から精一杯頑張っていきたいと決意を新たにしています。

 政府・厚生労働省が進める医療費抑制を最優先とする医療政策の中で、多くの人々にとってますます医療を受けにくい状況が生みだされています。医療費の自己負担はじわじわと増大しています。多くの医療機関がもうけ主義に走らざるを得なくなり、厚労省による人為的な「医療提供体制再編」によって医療を必要とする患者を排除しなければならないような状況も作られています。国公立病院でさえ、独立法人化など採算性を優先する病院経営を迫られています。他方で、医療事故の頻発や医療の密室性など、医療に対する人々の不信は大きくふくれあがっています。また医師、看護師なども欧米に比べて極端に少ないままで、劣悪な労働実態は医療の質向上の大きな障害となっています。阪南中央病院においても、労働組合の反対を押し切って差額ベッド料や特定療養費の徴収を始めるなど、患者さんに一定の負担をお願いする状況になっています。

 しかし「やさしくあたたなか医療をしたい」「患者さんの人権を大切にしたい」という私たちの気持ちは誰にも負けません。私たち労働組合は、阪南中央病院がもうけ第一主義に陥ることのないよう、引き続きやさしくあたたかな医療・看護が提供できるよう、あきらめることなくがんばり続けたいと思います。と同時に、患者・市民の皆さんが安心できる医療・福祉の実現のために、広く世論にも働きかけ、政府・厚生労働省に対する闘いを強めたいと考えています。厳しい状況はまだまだ続きますが、私たちは、めざすべき病院を創り上げるために努力を惜しまない決意です。

 私たちは、「患者・地域住民に開かれた病院」「市民と共に歩む病院」の実現のために、労働組合としてできる限りの取り組みをしたいと思います。患者・地域住民の皆さん、阪南中央病院を支えてきて下さったすべての皆さん。忌憚のないご意見、ご批判、ご要望をぜひお寄せください。今後とも新・阪南中央病院をより一層厳しい目で、そして暖かく支援してくださるよう心からお願いします。  (2004年4月)




阪南中央病院労働組合 HOME 組合の要求/見解/主張 トップページ