阪南中央病院労働組合の要求/見解/主張




2004年のはじめに
いっしょに見る夢は現実になる
執行委員長 玉木 佐江美

  新年あけましておめでとうございます。
 昨年は私たちにとって、かつてなく厳しく苦しい年でした。そんな中での二〇〇四年の年始めですが、私は気分を一新しています。故ジョン・レノンの妻のオノ・ヨーコは芸術を通じて世界に平和のメッセージを訴え続けています。彼女の言葉に「あなたが望めば、戦争は終わるのです」「ひとりで夢みる夢は/ただの夢/いっしょに夢みる夢は/現実になる」とあります。みんなが想いをひとつにし、鮮明なビジョンと目的を持って事に当たれば必ずや夢が現実になるのです。

 新年に、私の阪南中央病院に対する夢を是非聞いて下さい。そして皆さんも、阪南中央病院がどのような病院として再生して欲しいか、是非考えてみて下さい。
 まず、経営が安定し将来への心配がなくなること。でも、決して経営第一主義でなく患者さんや地域住民に信頼され、適切で質が高く患者さん本位の医療が提供でき、職員が働きやすく、誇りと自信を持って働き続けることができる病院、私は阪南中央病院が「やさしい急性期病院」として再生して欲しいと思っています。
 医療費削減と医療の営利化を最優先する今の政府・厚生労働省の政策の中で、患者さんにやさしく、なおかつ病院経営を成り立たせることは至難の業です。医療政策の矛盾が患者さんを、医療現場で働く労働者を、そして医療機関を直撃しています。でも、みんなが想いをひとつにし、患者さん中心のやさしい医療を目指して事に当たることができれば、必ず現実になるのだと思います。

 私が患者なら、患者の家族なら、こんな病院に出会いたい。
 紹介状を持たずに受けても快く診てくれる。笑顔で親切で丁寧な職員の対応。わかりやすい説明、患者・家族の想いに耳を傾け充分納得した上での医療。適切な診断と質の高い治療。できない診断・治療は、「うちでは診れない」と見放すのでなく適切な医療機関へ紹介してくれる。希望すればカルテ・記録を開示してくれる。
 入院は、差額室料はなく、放り出されることもなく、適切な次の医療機関や福祉施設の紹介、在宅医療等を通じて困らないようにしてくれる。
 消化器疾患や母子医療をはじめ急性期疾患は安心して診てもらえ、他の病気についても気軽に相談できるそんなやさしい患者さん本位な病院。臓器・細胞だけから診る細分化・専門化された医療でなく、人間を診る医療。老人でも子どもでも、病気のこと、保健・介護・福祉のことで何か困ったことがあればいつでも相談でき、親身に相談にのってくれる。患者さんと職員の人権が大切にされ、差別がなく患者さんと同じ目線に立った水平な医療ができている病院。地域住民・患者さんの一生を通じて、他の医療・福祉機関等とも連携し、フォローしていく地域医療の要となる病院。開業医が病院に来て手術や検査ができるなど他の医療・福祉機関にも本当に開かれていて、信頼関係が築かれている病院。ボランティア等の活動が活発に行われ、患者・地域住民はもちろん多くの人に開かれた病院。患者・地域住民、地域の医療・福祉機関とささえあう医療を行っている病院。そして何よりも職員にやさしく働きやすい病院。そうでなければ患者さんに優しくなれない。職員の労働条件は、過酷でなく休みもキッチリ取れ超勤も少なく余裕を持って楽しく働ける病院。職員が言いたいことが言える、そして職員の意欲と情熱、努力とがんばりが正当に評価され、意見や提案が病院運営と医療実践に活かされる、風通しが良い病院。政府の医療政策の矛盾を世間に広く訴え、患者の立場に立った良い医療の実現のため積極的に活動する病院。阪南中央病院がみんなから支持されるこのような病院として再生することが私の夢です。

 組合員の皆さんからも意見や要望をどしどし出してもらって、ただひとりみる夢でなく、いっしょにみる夢として、みんなの想いをひとつにし、事に当たっていくことで現実にしたいと思います。
(2004年1月6日)




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