阪南中央病院労働組合の要求/見解/主張




組合ニュースbS940(2003.6.10)より
許せない!労働基準法改悪案が衆院通過
■好き勝手に労働者を解雇できる規定は阻止! 「解雇ルール」そのものは盛り込む
■労働者の雇用、生活、権利を自らので守り抜こう!

 働くものの権利を守るための最低限の労働基準が引き下げられる!労働基準法改悪案が6月5日、衆議院で可決され、参院に送られました。
 今回の労基法改悪案は、雇用を流動化させる、つまり使用者が労働者を解雇しやすくすることを目的に、政府・自民党が持ち出したもの。全国の労働組合と野党が反対し、廃案を要求していました。もともと野党4党が共同修正案を追求していましたが、有事法制と同様、民主党がぬけがけ的に単独で修正案を示し、自民党との修正協議で決めてしまいました。有事法制の談合と全く同じ構図です。労基法改悪案の衆院通過に強く抗議します。
 当初の改悪案では、「使用者は、・・・労働者を解雇することができる」との条文があり、しかも「不当解雇」を立証する責任が労働者側に負わされる危険性も指摘される、あまりにひどいものでした。さすがにこの条文は、反対運動の成果として修正協議の中で削除されましたが、これまでの労基法にはなかった「解雇ルール」自体は盛り込まれることになりました。「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合はその権利を濫用したものとして無効とする」というのがその内容で、これまでの裁判判例に基づいた条文になっています。しかしこれは現実に広がっている不当な解雇に対する歯止めにならないばかりか、使用者の都合でいくらでも拡大解釈できる危険性を持っています。労働者の基本的な権利を守るはずの法律で、解雇が正当とされる範囲が定められれば、労働者は不当な解雇に対して争うことがますます困難になり、資本の解雇攻撃に泣き寝入りせざるを得なくなります。もし法律で言うなら「使用者は労働者を解雇することはできない」と明確に書くべきです。野党第一党の民主党は、解雇の条件を定めることそのものには反対せず、「解雇ルール」をあっさりと認めてしまったのです。結局は、これまでと同様、否それ以上に現場での労働者と労働組合の闘いがなければ自らの雇用を守ることはできないのです。
 今回の改悪には、「3年後に見直しする」との条件が付けられたものの、有期労働契約(パートやアルバイト)期間の上限を1年から3年へと延長することが盛り込まれました。現状では、パートの1年ごとの契約更新は、実際上「継続雇用」という条件を維持させてきました。それが3年になれば雇い止めを招き、より一層パートの雇用不安を促進しかねません。その上、正社員を3年雇用に切り替える可能性も出てきます。これは不安定雇用を拡大させるものでしかありません。
 さらに「裁量労働制の手続き簡素化」は、裁量労働制の拡大につながり、際限のない長時間労働を労働者に押し付け、サービス労働が蔓延するのが確実です。
 私たちはあくまでも労基法改悪に反対します。労働者の雇用と生活、権利を守るため、政府・厚生労働省に対する取り組みを具体化してゆきたいと思います。
(2003年6月10日)




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