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Hasta siempre(アスタ・シエンプレ)永遠に

 チェ・ゲバラを讃える曲の紹介

 チェ・ゲバラを讃える曲は、世界各地の多くのミュージシャンによって歌われており、今でもゲバラのトリビュートCDは発売され続けています。それらの数え切れないほど多くの曲の中でも、Hasta siempre(アスタ・シエンプレ)という曲は、最も広く知られ、親しまれている曲です。
 この曲は、1965年にキューバのトロバドール(吟遊詩人)・カルロス・プエブラが作詞作曲したものです。1965年といえば、ゲバラがキューバを去った年。プエブラは、ゲバラの「別れの手紙」に着想を得て、この曲を作ったそうです。残された録音では、プエブラがこう語って歌い始めています。
  La primera canción esta escrita cuando nuestro Comandante en Jefe leyo la carta de despedida del Che
  我々のコマンダンテ(カストロ)がチェの別れの手紙を読んだ後に書いた、最初の歌です(拙訳)

 チェのフィデル・カストロへの「別れの手紙」には、最後に”“hasta la victoria siempre patria o muerte!”(永遠の勝利の日まで 祖国か死か)という一節がありますが、そのチェの言葉からHasta siempreという曲名にしたそうです。ゲバラの言葉を曲に宿して彼を讃えるとともに、彼が新たな戦場に去った後も、ともに勝利の日まで前進していこう、そんな思いが込められた曲となっています。そして1967年にゲバラが死してのちも、ゲバラの精神を自分のものとして闘う民衆、そして共鳴する多くのミュージシャンによってカバーされ、歌い継がれてきたのです。

 今、私の手元にあるHasta siempreの録音は5つ。 CARLOS PUEBLA(キューバ)、SOLEDAD BRABO(ベネズエラ)、MARIA FARANDOURI(ギリシャ)、OSCAR CHAVEZ(メキシコ)、NATHALIE CARDONE(フランス)。後の4人は、プエブラの原曲に独自のアレンジを施しつつ、ゲバラへの熱い情感を込めて歌っています。同じ曲なのにそれぞれに味があり、聴き比べも楽しいです。
 この中で私の一押しは、NATHALIE CARDONE(フランスの俳優、歌手)の録音。1997年のものですが、You Tubuで彼女のミュージックビデオを観ることができます。これがなかなか凝っていて、ゲバラが最期を遂げた場所を訪ねた彼女が、ゲバラの精神が乗り移ったのかゲリラに変身、歌いながら各地を転戦し、最後には多くの女性が彼女とともに立ち上がりデモ行進するという展開。曲の最後には、ゲバラの演説の録音" Esa hora ira creciendo cada dia que pase, esa hora ya no parara mas".(もはやこの波を止めることはできない。それは日増しに高まっていくだろう)が挿入され、粋なエンディング。彼女は、昨年にもHasta siempreを新アレンジで録音しており、この曲への思い入れの強さが感じられます。
 ゲバラが民衆の闘いがある限り生き続けると共に、Hasta siempreもまさに「永遠に」歌い継がれていくに違いありません。

(「キューバを知る会」通信第4号 2009年3月11日 より)

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