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 映画「チェ 39歳 別れの手紙」を観て
  
 キューバ革命の指導者の一人で、没後42年の今も、世界中の貧困・差別・抑圧や戦争に反対して闘う人々に愛され続けているチェ・ゲバラ。そのゲバラの生涯を描く映画二部作のパートU「チェ39歳別れの手紙」が1月31日(土)から上映開始されています。
 「39歳別れの手紙」は、キューバ革命の成功後、カストロたち同志とともにキューバの社会主義建設に打ち込んでいたゲバラが、世界各地で帝国主義の支配と闘う人々を支援するため、キューバを離れてゲリラ闘争に加わり、南米ボリビアでアメリカCIAの支援を受けたボリビア政府軍に捕らえられ、殺害されるまでが描かれています。
 第一部「28歳の革命」の感想を寄せてくれた自称・映画評論家さんから感想が寄せられました。
 
 お待たせ〜(待ってへん…)。パートT同様、監督は、「彼をあえて英雄化した描き方はしなかった。」と言っていた。映画の中では、事実や事件に対する説明や動機も心理描写も一切省いており、事実のみの映像が淡々と描かれており、キューバやゲバラに初めて触れる者にとっては、かなり分かりづらい映画かも知れない。(ようわからへんかったヮ〜 むつかしいやんかァ〜 ワイワイガヤガヤ…)
 今回も、彼の強靭な精神的力そして肉体的な忍耐を描き、強い意思を持ち続け、周囲の人々を惹きつけ、統率する能力を発揮する姿は、まさしく英雄でありヒーロそのものであった。♪〜
 前回の「28歳の革命」を観た後、ゲバラの人物に触れたく、「ゲバラ日記」を読んでみた。
 1966年11月ボリビアでゲリラ活動を開始し、死亡する2日前の1967年10月7日までの記録であり、映画の内容の殆どは彼の日記にあった。しかも、映画で描かれているのは一部にすぎない。
 記録によると、彼を最も苦しめたのはボリビアの自然と孤立無援の中での闘いであった。ジャングルでは、蚊やダニなどに刺され化膿したり、マラリヤによる高熱。荒野では、水や食料不足にも悩まされ、尿を飲み、連れていた馬を食べ、凄まじい嘔吐下痢で意識消失。又相変わらずの喘息が彼を最後まで苦しめていた。(オエ!! やってられへんわァ〜 ふつう逃げるでェ〜)
 過酷な環境下で医師として、手術や創傷処置を始め抜歯まで行っていた。頻繁に起こるゲリラ隊の内輪揉めなどなど、映画では描ききれない極限状況での11ヶ月が日記には記録されていた。死亡一ヶ月前「農民がわれわれを支援するどころか情報提供者になりつつある。」と書かれ、彼が唯一弱音を吐いた部分と思われた。
 ボリビア政府軍を支援したアメリカ。資本主義社会のエゴによる支配に、彼は力尽きてしまった。
 革命とは、「難しく困難なものである。」という事をゲバラは死を持って教えてくれたのかも知れない。ゲバラを知ることで彼が、いかに魅力的でカリスマ的存在であると言うことは理解出来る。
 しかし、革命家の中で彼が、むしろ有名になりすぎるぐらいになっているのは何故だろう?しかも、この資本主義社会において・・・どうも気になって仕方がない。眠られへ〜ん(かってにしい!) (沼)
(組合ニュース5101号 2009年2月4日発行より)



   (写真は「ゲバラ最後の時」 戸井十月 2009年1月 集英社)
(2009年2月4日)

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