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「後期高齢者医療制度」
大混乱のスタート
周知不足といいかげんさが次々明らかに
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4月1日から開始された「後期高齢者医療制度」。
大混乱のスタートとなっている。マスコミもようやく事の重大さに気づいたのか、報道番組では毎日のように取り上げているし、週刊誌では「『長寿医療制度』は史上最悪の国家犯罪だ」との記事も。同時に福田政権の支持率がついに20%台に落ち込んだとの世論調査も。今や「消えた年金問題」の公約違反と「後期高齢者医療制度」は高齢者・年金受給者をないがしろにする自公政権の象徴となり、批判は高まる一方だ。
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開始早々の大混乱ぶりは、この制度の周知のあまりの不十分、「見切り発車」ぶりを明らかにした。まず驚かされるのは、いまだに、後期高齢者医療の保険証が届かないとか、届いていても、あまりに薄っぺらで、ダイレクトメールと間違えて捨ててしまったりするといったケースが全国各地で起こっていることだ。役所や広域連合の窓口には苦情が殺到しているという。
これだけではない。65歳から74歳の「一定の障害を持つ人」約100万人は、3月末までに撤回届を出さなければ自動的に「後期高齢者医療制度」に組み入れられてしまう。しかし保険料や後期高齢者医療の中身も直前まで知らされない現状で、どうやって判断をするのか。相談を受けたケースワーカーからも疑問の声が上がっている。
こんなケースもある。これまで夫婦で同じ保険に加入していたが、夫が「後期高齢者医療」の適用となったので、75歳未満の妻は自分で別の保険に加入の手続きをしなければならない。しかしそれも周知されていないので、4月に入っても手続きをしておらず「無保険」状態で放ったらかしにされている人が出ているというのだ。手続きをして新しい保険証ができるまでは医療費は全額自費で払わなければならない。
周知不足、配慮不足、あまりに高齢者を軽んじている。政府厚生労働省のデタラメさに振り回され、戸惑う高齢者の姿を見ると、怒りがわいてくる。4月15日には保険料の年金天引きが始まる。反発はさらに高まるだろう。
組合ニュース第5074号(2008年4月10日発行)より |
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