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阪南中央病院労働組合の要求/見解/主張



橋下大阪府知事・大阪維新の会による「君が代」起立強制条例案 断固反対!
 
  橋下徹大阪府知事と大阪維新の会は、5月25日大阪府議会に「君が代」起立条例を提出し、卒業式・入学式において教職員に「君が代」斉唱時の起立を義務化しようとしています。昨日(30日)の最高裁による「『君が代』起立命令合憲」判断を「追い風」と捉え、6月3日会期末の本会議で、数の暴力をもって一気に単独可決・成立を図ろうとしています。さらに9月府議会には「複数回の不起立で懲戒免職」を含むと言われている教職員処分条例を成立させて、不起立を貫く教職員に処分・免職の脅しをかけて強制的に従わせる、もしくは教育現場から排除しようとしています。思想・良心の自由を守るため、このかってない暴挙に断固反対を表明し、抗議と反対の声をあげていくことを呼びかけます。

「君が代」起立強制は、思想・良心の自由の侵害=憲法違反である

 「君が代」について、その内容や歴史的経緯、又は宗教上の理由から多様な意見が存在します。抵抗がある人が、その自己の思想・良心に従って「君が代」斉唱時に起立を拒否する行為は、憲法で保障された思想・良心の自由によって守られるべきものです。条例によって、教職員に対し起立・斉唱を強制することは、基本的人権を侵害するものです。日本弁護士連合会や大阪弁護士会は会長名で、条例案は、思想・良心の自由の侵害であると反対声明を出しています。他方で昨日、最高裁で「校長の教職員に対する起立斉唱命令は合憲」との判断がだされましたが、これは権力に迎合して「憲法の番人」たる役割を放棄した許せない判断です。
 橋下氏は、「公務員は『国旗国歌法』を守って当然」、「思想信条の問題でなく、組織マネジメントの問題」、「起立しないのは府民への挑戦」、など暴言を繰り返しています。しかし、「国旗国歌法」制定時でさえ、国旗・国歌の尊重の義務や罰則が盛り込まれなかったことをどう考えるのか。「組織マネジメント」(=「服務規律の厳格化」?)のためなら基本的人権を踏みにじってもよいのか。「不起立は府民への挑戦」ではなく、橋下氏の起立強制が、府民の人権へ「挑戦」であり、憲法破壊攻撃なのです。教職員への強制は、子どもの人権を侵害し、ひいては保護者、社会全体への強制につながっていきます。私たち一人一人の基本的人権が問われています。この暴挙を断じて許してはなりません。

そもそも「君が代」とは−天皇と天皇制を賛美する歌に反対

 私たちは、「君が代」についての様々な意見・思いを押しつぶすやり方を断じて許せません。そして私たちの考えは、「君が代」はその内容と歴史的経緯から、国歌であること自体に反対です。これはいかに解釈を付け加えようとも、歌詞そのものからして、「天皇の治世がいつまでもつづくように」との意です。@天皇と天皇制を讃え、崇拝する歌であり、戦後の日本国憲法の主権在民の精神に真っ向から反するものです。今は大日本帝国憲法下の天皇主権の時代ではありません。A戦前戦中、「日の丸」とともに、「天皇のために命をささげよ」と、アジア太平洋への侵略戦争に民衆を駆りだし、多大な加害を強いた侵略の道具です。このような歌を、国歌として強制すること自体が、主権在民をないがしろにし、侵略戦争を反省していないことの象徴です。さらに、B「貴族あれば賤族あり」の言葉もあるように、天皇制は被差別部落民はじめ社会の最底辺の人々の対極にある社会的存在であり、身分差別の象徴です。これを讃える歌は、この病院の出発点である部落解放の精神にも反するものです。このような思想・信条は、憲法上保護されて当然です。
 大阪府議会が「君が代」起立条例案を可決することのないように強く求めていきましょう。

2011年5月31日 阪南中央病院労働組合 書記局



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