支援する会会報<第6号> 2000年11月7日 |
------------------------------------------------------------------------------------------ 第2回調査 11月18〜19日 第3回調査 12月9〜10日 あなたも「被曝健康調査」に参加してみませんか 政府・科技庁は、JCOの越島健三前所長ら6人を業務上過失致死罪で起訴し、臨界事故の幕引きを行おうとしています。木谷宏治前社長については何ら罪が問われることなく立件は見送られました。JCOに100%出資していた親会社=住友金属鉱山については捜査すら行われていません。水戸地検は「捜査は尽くした。」と終始自信の会見を行いましたが、こんなデタラメなことはありません。国の事故調査員会の「臨界事故で責められるべきは作業者の逸脱行為である」との報告を丸飲みし、現場に全責任を負わせただけのことです。それは亡くなった大内さん、篠原さんに次ぐ大量の被曝を強いられた横川さんを、被害者ではなく、2名の労働者を殺した加害者として逮捕・起訴したことに集中的に表れています。こんなトカゲのしっぽ切りを許しておくことは決して出来ません。 事故1年をへてJCOと国は、今も続く風評被害に対する賠償請求に今年は応じずここでも幕引きを行おうとしています。住民を被曝させた責任と補償問題についてはまだ何一つ解決していません。職員の皆さん!健康被害に対する健康管理・補償の要求を勝ち取っていくために、「被曝健康調査」に参加し、事故被害の実態を明らかにしていきましょう。 ------------------------------------------------------------------------------------------ 書籍紹介 「息子はなぜ白血病で死んだのか」 嶋橋美智子著 『反原発の科学者や専門家、知識人の方々は原発の構造や危険性の知識を十分お持ちでしょう。しかし、一般の方々や主婦の方々、学生さんなどは「原子力は安全でクリーンなエネルギー」と信じておられるのではないでしょうか。私もその一人でした。ですから「未来のエネルギー、科学の先端を行く原子力発電所」に息子を喜んで就職させました。知らないうちはそれでよかったのです』で始まるこの本は、わが子を原発と国・電力会社に奪われた母親の原発被曝労災認定までの闘いの記録です。是非皆さんも読んでみてください。なおこの本は、筆者ご自身から「支援する会」に寄贈されました。貸し出ししますのでご連絡ください。 ---------------------------------------------------------------------------------------- 科技庁の放射線測定データ隠し暴かれる!! 政府・科技庁が都合の悪い放射線測定データを隠していたことが判明しました。科技庁の公表しているデータでは、事故が起こった9月30日の昼過ぎから地点を決めて連続的に測定しているはずのデータが15:30から16:55まで欠落していました。この「なぞの1時間半」を問題にしてきた反原発グループに地元から寄せられた情報で、ちょうど子供たちが雨の中を集団下校していた4:30に非常に高い測定値のピークがあったことが確認されました。この測定値は、科技庁の計算式による評価値よりも9倍も高いデータで、放射線量を低く見せかけるために都合の悪いデータを意図的に隠していたことは明らかです。しかもデータを隠すために「測定車を別の地点の測定のために移動した」とウソまでついていたのです。4時半ごろに核分裂反応の「再バースト」や大量の放射能放出など、何か重大な事態が起こっていた可能性があります。 [線量グラフ 略] 判明したデータ隠しは、政府・科技庁が都合のいい低い測定値だけを取捨選択して公表している疑いがあることを示しています。隠されていたデータはこれだけとはとうてい考えられません。例えば、放射線測定車は3台しかなかったと言っていますが、公表されている測定時刻と測定値点を照らし合わせて考えるともう1台測定車がないとつじつまがあいません。隠された4台目の測定データはまるまる隠されているとしか考えられません。 さらに、測定された中性子線の公表データが少な過ぎます。発表されている情報を総合して考えると、4時以降に測定されていた中性子線のデータが隠されている疑いが濃厚です。中性子線の高い測定値が隠されているとすれば、事故の様相がまったく違ったものになり、被曝線量もこれまでの計算よりも大幅に増えることになります。周辺住民の行動調査による被曝線量評価とともに、科技庁のデータ隠しを追及し、事故被害の全体像を明らかにしていく必要があります。 ------------------------------------------------------------------------------------------ |
支援する会HOME 会報TOP |