支援する会会報<第4号>      2000年8月29日

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東海村 被曝・健康実態調査日程決まる!
10/21〜22本調査にみんなで参加しよう!

7月に行った予備調査の結果は、被曝線量の面においても、健康被害の面においても私たちの想像を超える深刻なものでした。国・科技庁の「健康被害は出ない」はウソであることが事実で示されました。個人線量報告や健康診断は極めていい加減で事故被害の過小評価と隠蔽のためだけのものであることが明らかになりました。
事故被害をかたくなに否定し、被害を認めない国の態度を変えさせるためには何が必要か?私たちは予備調査によって、本格的な住民の被曝・健康調査を行い具体的な被害の事実を一つ一つ集めることが不可欠であると改めて確信しました。そのため第一回目の本調査を10月に行います。大規模な現地派遣を予定していますので、皆さんのご協力をよろしくお願いします。

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予備調査の結果マスコミにも注目される(毎日新聞8/17)

(略)

[茨城版全体と大阪版の見出しを掲載]

(略)

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紹介  
「7/1・2 予備調査のまとめ」−カンパ200円
 
 70名の被害者の皆さんの協力を得て行った予備調査の「まとめ」が出来上がりました。この経験を本調査成功のために生かしていくことと同時に、JCO事故の深刻な被害の実態を周りに知らせることが出来ればと考えています。詳しくは「まとめ」そのものを見ていただくとして、ここでは驚くべき被害の実態の一部を紹介します。


 Surprise1−法令で「一般人の年間線量限度」とされている1_シーベルトを超える  人は21人にも達する。内14名は10_シーベルトを超える。
 
 放射線には「これ以下なら人体に影響はない」という「しきい値」はありません。例えば法令の年間1_シーベルト以下なら毎年浴び続けても心配ご無用などというものではありません。現に昔起こったアメリカのスリーマイル島原発事故では1_シーベルトで乳児死亡率が増加しています。

(図 略)

 Surprise2−科技庁が「安全ライン」としている被曝線量50_シーベルトを超えて  いる人が5人も。内2人はほぼ200_シーベルトに、他の2名は100前後に達する  

 50_シーベルトという値は危険な原発で働く労働者の年間被曝線量限度です。しかも累積の被曝線量40〜50_シーベルトで白血病を発症した労働者が労災認定されています。50_がいかに人体に危険かは既に実証済みなのです。

  浜岡原発で被曝し白血病で亡くなった嶋橋さんの年間被曝線量と累積被曝線量 (略)

 Surprise3−科技庁は被曝線量を7分の1に過小評価!!
 今回の調査を受けた人70人の内、23人の方は科技庁の調査による被曝線量を  通知されています。その通知全部と私たちの線量評価による23人の被曝線量の  合計を比較するとなんと7倍もの開きがあるのです。ここに科技庁の「被曝線量  を低く抑えたい」との嫌らしい姿勢が表れています。

(図 略)

 Surprise4−半数近くの人が事故後1ヶ月以内に急性症状を訴えている。

 被曝線量が高い人ほど多くの症状を訴えており、中でも50_シーベルト以上の人は事故直後から激しい頭痛、息苦しさ、下痢、全身のだるさ、のどの痛み等が現れた。

(表 略)

 Surprise5−現在の自覚症状については、被曝線量1_シーベルト未満の場合でも急  性症状と比べて訴える人の割合が高い。特に10_シーベルト以上の人の健康被害が顕著。

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例会案内

      8月31日(木) 17:45〜
        東館2階講義室にて

     テーマ−「7/1・2 予備調査のまとめ」をもとに
            意見交換します。
         また東海村現地の最新情報をお知らせします。


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 カンパにご協力を!
  本調査の成功に向けて引き続きカンパへのご協力をお願いします!!1口5000円です。
  口座は以下の通りです。
        三和銀行 松原支店    口座番号 5300206
        名義人 阪南中央病院東海事故被害者を支援する会 事務局長 西野 淳

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編集後記

*17日、毎日の朝刊の「阪南中央病院調査」の見出しを見て驚いた。ちょうど1週間前に記者から取材があり調査に関する質問に答えてはいたものの、「報告をまとめているのでまた改めて」と、電話を切ったのでまさか「まとめ」が出る前に記事になるとは思いもよらなかった。しかし「被害者の会」と連携しながらプライバシーに配慮し、被害の実態を知らせていくことは、「事故の風化」を防ぎ、国と科技庁に責任を認めさせていくために是非とも必要だ。今後とも慎重にかつ大胆に支援活動を続けていきたい。
*7月29日に東海村に予備調査の報告に行った際、地元でとれたもぎたてのカボチャの煮ものをごちそうになった。この甘みときたら、大阪では絶対味わえない最高級品だ。やはり愛情を込めて育てた野菜は格別にうまい。こんなうまい野菜や果物が採れる土地を目に見えない中性子で汚したなんて許すこと出来ない

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