支援する会会報<第1号>      2000年5月2日

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東海事故被害者支援活動の一歩を踏み出す

 JCO周辺住民は昨年9月30日、突然いわれのない被曝を強いられました。中性子線が大量にまき散らされていた間、事故地からわずか500メートルしか離れていない本米崎小学校では子供達は、校庭で無邪気に遊んでいました。妊婦も高齢者もガソリンスタンドの店員も零細企業の労働者も周辺住民は何も知らされずに中性子線のピストルで撃たれ続けました。しかし政府・科技庁は、大量被曝した3人の労働者以外の被曝被害を一切認めようとしていません。先に行われた住民調査でも明らかなように多くの皆さんが自分と家族に対する被曝に不安を抱いています。支援する会は、政府・科技庁の被爆者切り捨てを批判すると共に、「被害者の会」と連帯し被曝者に対する補償を国がちゃんと行うよう要求していきたいと考えています。院内外を問わずたくさんのご協力をお願いします。

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篠原理人さんの死を悼む

4月27日、東海臨界事故で大量被曝した篠原理人さんが亡くなりました。大内久さんに続く二人目の犠牲者です。二人の若いかけがえのない生命を奪い去った国の原子力政策に改めて怒りが込み上げます。
篠原さんは、6〜10シーベルトという致死量の放射線を浴び、全身に放射線によるやけどをおい、リンパ球が激減するなど免疫機能を破壊されました。造血機能回復のための臍帯血移植や皮膚移植を受け、いったんは車いすで病院の前庭に出るほどまでに回復していました。しかし、放射線は全身の細胞を遺伝子レベルで破壊、その再生力を奪い去っていました。最先端の医療をもってしても放射線の破壊力に打ち勝つことはできませんでした。
篠原さんは闘病中も医師に冗談を言うなど、ユーモアを忘れず、最後まで回復を信じて苦しい治療に耐えていたといいます。昨年12月、大内さんの死を知らされたときは、あまり開かなくなっていた目から涙を流していたそうです。仲間を失った悲しみ、何の罪もない自分たちをこんな目にあわせたものに対する悔しさだったのでしょうか。
私たちは、二人の死を決して無駄にしてはならないと改めて思います。犠牲者を二度と生み出さないため、国の原子力政策を根本的に転換させるために、取り組みを続けたいと想います。二人を含む大量被曝した3人の労働者以外のいっさいの被曝被害を闇に葬ろうとする政府・科技庁の目論見を断じて許す事はできません。被曝被害者との連帯を強め、支援の活動に全力を注いでいきたいと思います。

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4/28支援する会 例会で「被曝健康実態調査」の目的と調査項目を話し合いました!

 調査は、政府・科技庁の「ガンは絶対に起きない」ことを前提にした被曝調査のいい加減さを暴くことと、「被害者の会」が求めている健康診断など被曝に対する補償責任を国に取らせることを目的に行います。

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賛助会員の募集とカンパ活動を行います

 「被害者の会」は被曝の影響で診断と治療を受けている方への援助や会報の紙代等々で、お金がいくらあっても足りない状況です。是非、賛助会員になって下さい!

賛助会員1口5000円
カンパも大歓迎!
   直接振り込んでくださっても
   支援する会経由でもOK


振込先 常陽銀行東海支店 普通預金口座
  臨界事故被害者の会 会計 相沢清子
口座番号 1395936

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5月10日(水) 学習会に参加しよう!
「政府・科技庁の被曝被害切り捨ての実態を暴く!」

 国は3月31日に事故に関する「最終報告」をまとめ、早々と幕引きしようとしています。その結論は、「50〜200msv以下では被曝による健康被害は現れない。よって周辺住民に対する特別な健康診断の必要はない」として健康不安にさいなまれ、また実際に症状を訴えている被害者をバッサリと切り捨てるひどいものです。今回の学習会では、国の被爆者切り捨ての手口を暴くと共にその弱点を明らかにします。是非参加を。

17時45分〜19時  東館2階講義室


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