トップページへ戻る




私たちの訴えと取組み

東京・早稲田にある日本初の「慰安婦」資料館
「女性たちの戦争と平和資料館(Wam)」を見学して…
 3月12日、ストップ「医療崩壊」署名提出行動の後、帰りの新幹線までの時間を使って、参加者みんなで、日本で初めて日本軍「慰安婦」に焦点を当てたミュージアム「女性たちの戦争と平和資料館」の見学に行って来た。
 そこは、早稲田奉仕園内のビルの2階にあった。
ひっそりと、しかし力強く、管理され、現在進行形の館だと思った。
 しかし、印象としては、目立たず、狭く、やや暗く感じて悲しかった。
 最初に目に入ったのが、大阪府河内長野にある千代田高校の生徒たちの作品。発泡スチロールで沖縄・アジア大陸をつくり、慰安所があった場所をまち針でマークした手作りマップ。同校の文化祭で展示したものという。その生徒のノートが4冊展示されていた。どれも、一生懸命勉強し、丁寧に書かれている、素晴らしいノートだった。先生のコメントも多く、気持ちが熱くなった。千代田高校は、真剣に歴史を学び、向き合い、取り組むという姿勢が育まれる高校だと思った。
 次は、女性国際戦犯法廷の判決で有罪を受けた人の写真を見た。そこに天皇ヒロヒトがいた。法廷のドキュメンタリーをNHKが作成したが、安倍晋三ら保守政治家たちの圧力で、ヒロヒト有罪の判決など重要な場面が削除され、番組が2分短縮され、この資料館を支える団体が裁判を闘ったという。
 そして、大きな絵を見た。暗闇に映える満月に満開の桜、その根元には骸骨の兵隊が大勢いる。花と兵隊の間には妖精のような何かが舞っている。
 当日は特別展として中国における「慰安婦」の事実を知らせる展示が行われていた。しかし、ショックが大きくて、文章がなかなか頭に入ってこない。読めない。拒否・逃避反応か、感情が湧かない。そんな自分が情けない。
 思い直して、写真を見る。「宋神道(ソンシンド)」さんがいた。以前、彼女の裁判を支援をしていた梁澄子(ヤンチンジャ)さんの話を聞き、『オレの心は負けてない』という映画を観たことがある。そしてココでも「宋神道」さんに会えて、親近感が湧いた。在日でたった一人、今も声をあげ続けているというすごさに気付かされた。
 入口にあった「慰安婦」の顔写真155人。国はいろいろ、10カ国あった。日本軍が侵略した地域全体にわたっている。中国・韓国・北朝鮮・フィリピン・オランダ・東ティモール・マレーシア・インドネシア・台湾・日本。なかでもフィリピンが多いのに驚いた。「慰安婦」と言わなければわからないくらいの、あっけらかんとした明るい笑顔。苦しげな顔・悲しげな顔・やさしい顔・無表情…等。一人一人の表情に囚われる。
  現在、「慰安婦」問題の解決を求める決議が国外からあがり、日本国内の地方議会でも取り組もうという動きが広がっている。「慰安婦」は、体にも心にも傷を負い、その結果就労や結婚にも支障を来たし、さらに差別まで受けてきた。それでも「慰安婦」と名乗りでるハルモニがいる。その証言は真実だ。人道的に受け止められる社会をつくり、加害側の責任として「慰安婦」の尊厳を取り戻したいと思った。
(O)
(2009年3月31日 組合ニュース5105号より)
(2009年4月13日)

阪南中央病院労働組合 〒580-0023 大阪府松原市南新町3-3-28 TEL/FAX 072-331-1919
Copyright© 2007 Hannan-Chuuou-Hospital Worker's Union