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私たちの訴えと取組み

キューバを知る会通信第二号より

 「キューバを知る会」は、今とても注目されているキューバを知りたい!資本主義的大量消費でない「持続可能な社会」に挑戦し、医療福祉教育が手厚い社会主義国キューバの本当の姿を知り、みんなに伝えたいという人たちが呼びかけてできた会です。
【番組紹介】 テレメンタリー2008  テレビ朝日(2008,3,10放送) │
「幸せの指標 世界が注目するキューバ医療」

                        
 集いの冒頭で、上記のテレビ番組を収録したDVDを見ました。番組の中心は、首都ハバナから300キロ南にある島の老人ホームです。キューバの高齢化率(60歳以上の人口比率)は15%で、日本(27%)と同じく高齢化社会に入っています。しかしキューバ憲法50条で、すべての国民が無料で医療を受ける事ができる権利を謳っており、老人を手厚く支える社会になっています。以下、簡単に番組を紹介します。

☆     ☆     ☆

① キューバへの日系移民一世最後の生き残りの島津三一郎さん(100歳)。
明治40年生まれ、キューバに住んで80年、独身で身寄りはない。この地に骨をうめる決意を固めている。オガール老人ホームに入所。年金は月額1000円、老人ホームの利用料金は月額200円。島津さんが11年間に老人ホームに支払った費用は2万6千円だけである。(街で売られている輸入菓子は500円もする)65歳以上なら、年金受給者で一人暮しか、要介護者なら誰でも入所できる。看護師は24時間常駐し、医師の往診も2日に1回はある。島津さんは、今を幸せだと語る。

② ラモンおじいさん(96歳)
体調不良で病院に入院することになった。カルテとともに病院に移動。患者が自分でカルテを持っていくなんて、今の日本ではありえない。キューバでは一つのカルテをすべての医療機関が共有し、すばやい医療措置が行える。

③ラミロおじいさん(85歳)
仕事をしながらホームに入っている。毎朝畑に出て、ひまわりやピーマンを栽培し、販売している。老人ホームでは、個人の行動は自由であり、「夕食の6時までに帰ってくること」がホームのルールである。また入所者が入院するなど、部屋を空ける事があっても、常にその入所者のためのベッドは確保されている。生き生きとしている。

④ 孫娘と暮らすビオレータおばさん(86歳)
日中のデイケアに参加。デイケアの利用料金は、1ケ月につき125円。65歳以上は誰でも利用できる。利用者の大半は元気な老人である。洗濯、入浴、食事のほかにさまざまなレクリエーションがあり、家族の負担が軽減される。日本のように介護保険制度は存在せず、元気な老人が障害を持った老人の手助けをしている。ここは憩いの場となっている。

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 番組は日本の福祉・医療・介護制度に対して厳しい問題を投げかけている。アメリカの経済封鎖で、キューバ国民の生活は苦しい。番組でも、ある入所者が老人ホームでの食事を、友人の食事の足しに持ち帰る映像では、生活の厳しさが垣間見えた。日本とは約200倍の経済格差があるという。しかし、国民は高度な医療を無料で受ける事ができる。至りつくせりの介護を受けられる。その差はどこから生まれるのか。キューバにできてなぜ日本ではできないのか。
 最後に、カメラに向かって島津氏が質問した。「日本には、年金という大きな制度がある。ホテルも何十、何百とあるが、なぜ家庭で年寄りをみないのか」と。
 日本では「幸せの指標」とはいったい何なのか、深く考えさせられる番組です。

[参加者の感想]

・キューバのお年寄りが手厚く保護されていることが伝わってきました。憲法で医療が無料と定められているとは素晴らしいと思いました。特に、介護について、日本の介護保険と違い、介護度によって得られるサービス上限が決められてしまうということなく、必要なサービスを必要なだけ受けられるということに驚きました。
・キューバの貧困な部分が知れてよかったです。日本からの移民一世で100歳の人の寝ている姿が印象に残りました(皆ダンスしているとき)。
・いろいろびっくりしました。カルテを共有していること、100歳のお爺さんが薬を殆ど飲んでいないこと、憲法で医療が無料と定められていること。
・いい映像でした。
・「無料!」、なんと素適なことだろう。病気になることも怖くない、と思える心豊かな国に映った。経済的に貧しくても、心や体が元気であれば何とかなる、と思わせてくれるかもしれない。


(キューバを知る会通信第2号  2008.11.5.より)

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