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志遠〈チウォン〉コンサート
歌と語りを通じて、心に響いた在日の思い

 5月28日、在日のデュオ「志遠(チウォン)」のコンサートを行いました。最近の朝鮮学校の高校無償化からの排除など決して見過ごすことが出来ない動きがあり、改めて在日問題や差別問題に目を向け理解を深めるきっかけにしてほしいとの趣旨で呼びかけ、40人が参加しました。
 コンサートは、語りと歌で構成され、語りでは、ボーカル・金ソッセさんが、日本に在日朝鮮人が存在することの意味を、韓国併合と植民地支配の歴史から説明し、様々な差別や偏見の中で在日社会が形成されてきたこと、その過程で民族的アイデンティティを守るために朝鮮学校が生まれてきたことなどを語られました。
 歌は、南北の統一を願う「クナルチヨロム(あの日のように)」、日本のマスコミを批判した「Japanese Masmedia〜マスコミ応援歌〜」、在日社会への不当な弾圧を告発する「トッコー〜パパのお仕事〜」、日本軍「慰安婦」の悲劇を歌った「鎮魂歌」、そして苦労して育ててくれた両親に感謝する「セチユルバレナル プモニムツケ(旅立ちの日 両親へ)」の5曲でした。深い思いを曲に乗せた歌や差別への怒りをストレートにはき出した歌など、どれも心に響きました。これらの曲は、金ソッセさんがつくった詞にギターの愼祥訓(シン・サンフン)さんが曲をつけているそうです。
 最後にアンコールとして「過激三部作」の中でももっとも過激という「ミサイル・モラトリアム」という歌も披露されました。この歌は、「ミサイル危機」を口実に北朝鮮バッシングに突き進む日本社会を痛烈に批判した曲で、ちょうど「天安艦沈没事件」ともからみ、マスコミの異常な報道とも重なりました。金さんは特にマスコミが一方的に反北朝鮮を垂れ流すことで、在日コリアンへの差別や被害が助長されている状況を、在日の立場から語りました。私たちの社会のあり方を問うためにも、チウォンの歌を広めていきたいと思いました。(実行委員T)

参加者の感想

・私も在日のひとりですが…北朝鮮の人々(在日)に対するバッシングについてほんの少し知ることができました。今日は本当にありがとうございました。途中からの参加でしたが…。はじめて「在日」の方の現実―現在(いま)の時代(北朝鮮に対して)メッセージをきくことができました。人としての尊厳をふみにじられた者のメッセージはわかりました。率直なことをいって申しわけないですが…日本の人…他の国の人を「ラチ」したことについては、どう思い、どのような行動をしているのでしょうか。それをメッセージとすることで‥何か変わることもあるのでは?きっと、何か行動をおこしていると思うのですが、マスコミが報告しないこともあるのでしょうが、それが伝わっていない――ことも「理解」につながりきれない、理解している人の輪を広げるためにも、面もあるのでは?活動することで祖国の人に対する(身内に対して)悪影響がある(―起こりうる)ことも予想されますが…。率直なことを記入してしまって、ゴメンナサイ。
―私達の思いを歌声にのせて―
 相互に「思い」のある人の気もちによりそえることができれば―と思っています。朝鮮学校の紹介も少しありましたが・・。同じ民族の者として(私は韓国系ですが‥北or南は関係ないので‥)民族の文化‥ことば、等を学べる場はとても大切だとかんじています。私自身が、中学校まで民族学校で学んだ経験があり、「歌『旅立ちの日 両親へ』のハングル表記」に対するおもいは強く強くあります。民族学校が永遠に続きますように応援を続けたいと思っています。ありがとうございました。

・とても感動しました。日本にいる私たち日本人が何をしなければならないかを考えさせられました。私は反日です。だから3部作は、とても共感して聴けました。今日、病院に来ていただいて本当にありがとうございました。

・そうか、高校授業無償化から排除の目的は、在日コリアンを朝鮮学校に通えなくすることだったんですね。在日コリアンからアイデンティティを奪うために。ほんまですね。マスコミは在日コリアンと在日朝鮮人を使いわけているんだ。マスコミに感化されている。意識しなければ。「過激」3部作といわず、5部作10部作と作って下さい。(本当は日本人が、チウォンさんたちがつくらなくてもいいようにせなあかんのですけど…)

・志遠さん、ありがとうございました。「あの日のように」「旅立ちの日 両親へ」は曲も詩もすばらしいです。私はカゲキな唄よりバラードの方が志遠さんの声が美しいのがよくて好きです。今の日本は本当に全てが右向け右になっていると思います。私はそれがブキミでしかたないです。

・全然カゲキじゃないと思います。年内にはもいっぺん企画するDEATHよ!

・チウォンさんのコンサート聞けてよかったです。拉致・核・ミサイルなど、マスコミは毎日しつこいくらい流しています。そこへ風穴をあけるようなチウォンさんの歌声を聞いてすっきりした気持です。有難うございました。

・全部の歌が良かったですが、鎮魂歌が特に良かったです。うるさいと言ってはりましたが、そんな気にするほどでなく、2人の声がすんでいてすてきでした。

・すごくよかったです。

・友人より、この曲聞いてと言われ「すごくいいのよ」と鎮魂歌のCDでした。目頭がうるんできました。涙が出て胸が苦しく歌詞をあらためて確認すると、感動です。この気持で本日、生のコンサートで聴かせていただいてありがとうございました。深く心に残りました。

・お二人の非常に誠実な真しな姿勢が歌に声にあらわれていて、深い感銘を受けました。過激というけれど、ちっとも。音楽的にもすばらしかったです。個人的には鎮魂歌がいちばん心打たれました。

・3部作全部聞けてよかったです。

・「チウォン」とてもさわやかだと思いました。歌もしゃべりも私のような初心者向けでとてもききやすかったです。過激3部作は、聴いてスッキリしました。私は日本人でマスコミの言うことを鵜呑みにして生きてきたからです。そんなマスコミをひどいと思うと同時に、それに影響を受ける自分に喝を入れてもらった気になったからです。チウォンさんは、マスコミの一方通行な報道に矛先を向け、日本人一般に対してやさしく接してくださっています。それが本当にすごいと思いました。チマチョゴリ事件では日本人が「より弱い者」に攻撃を向けているひどさを教えてもらいました。また、在日を「弱者の中の弱者」だと感じられていることを知り驚きました。私たち日本人は何てことを感じさせてしまっているのかと考えさせられました。今日はやさしさあふれるステキなコンサートをありがとうございました。今度はお二人が体調万全の時に全ての曲と、もっとお話も聴きたいです!

・コンサートありがとうございました。短時間に韓国併合前から、戦後に在日の人が朝鮮学校を建てたいきさつをかいつまんで話してくれましたね。在日が存在すること、朝鮮学校の存在の意義がわかりやすくてよかったです。
チウォンさんの歌は何度聴いても胸にジーンときます。静かに深い思いが込められた歌と、怒りを冷静に受け止め対象を痛烈に批判している歌がありましたね。過激三部作を聴けてよかったです。
どれも刺激的で感動的な内容でした。歌を作ったときの背景や思いを話してくれたのでメロディーだけでも信条が伝わってきました。
チウォンさんの歌には私たちが日常生活していて知ることのない世界、視点がありました。一つの歌に秘められた出来事は本当にひどいものですね。
在日の人たちを2度3度に差別している日本社会の日本人の一人として恥ずかしくなりました。
マスコミのひどさはチウォンさんの言うとおりです。北朝鮮関係のみならず、原発しかり、沖縄米軍基地しかり・・

・先日“ウリハッキョ”の映画を観、大阪の民族学級の話を聞きました。知らないことだったので驚きました。一言では言えませんが、いろんな意味で考えさせられました。
・チウォン=志を遠くの名前は意味深く、音の響きも良く、歌の内容を反映している、ぴったりの名前ですね。今後もチウォンの歌を活動を通じて広げていきたいと思います。

最後にシンサンフンさん、熱は下がりましたか。食べていますか。金ソッセさんも・・・二人とも体に気をつけてくださいネ。また、ベストコンディションでチウォンの歌を聴ける機会を楽しみにしています。
ありがとうございました。

組合ニュース5140号(2010年6月11日)より

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