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阪南中央病院労働組合の要求/見解/主張



「集団的自衛権」行使解禁=憲法9条に反する「解釈改憲」へ進む安倍首相
「国民の命を守るため」は本質を隠すごまかしだ
 「国民の目に残さないといけないのは赤ちゃんを抱いた女の人と子どもなんだ。大きく書いてほしい」と自ら指示して作らせたパネルで「船に乗っている子どもたち、お母さん、多くの日本人を助けることはできない。本当にそれでいいのか」と声を高ぶらせて「集団的自衛権」行使の必要性を訴える安倍首相…。先週15日の会見です。
 この日、首相の私的諮問機関「安保法制懇談会」が、歴代政府が憲法9条に反すると禁じてきた「集団的自衛権の行使」を憲法解釈を変えて容認するよう求める報告書を提出。そもそもこの「懇談会」は、行使容認に賛成の面々ばかり集めた安倍首相の「お友だち」集団であり、結論は初めから決まっていたもの。この後、安倍首相は会見で「集団的自衛権」の行使容認へ検討を進めることを表明。パネルも既に準備ずみで用意周到、まさに自作自演の茶番劇です。

内閣の独断で「解釈改憲」はクーデターまがいの暴挙である

 「集団的自衛権」行使容認は、「同盟国」つまりアメリカと一緒に戦争ができる国に作り変えてしまうものであり、戦争放棄を宣言した憲法9条を無効にしてしまうものです。「必要最小限、限定的に行使する」と言っていますが歯止めはなく、結局「戦争放棄」を投げ捨てることに変わりはありません。
 しかもこの国のあり方の根幹に関わる重大な変更を国会にも国民にも問うことなく、解釈の変更を「閣議決定」するという独断で決めようとしています。この「解釈改憲」は政府は憲法に従う義務があるという「立憲主義」を否定するもので、クーデターまがいの暴挙です。
 
これまでは「米兵を守る」だったのに、今度は「国民の命を守るため」?

 安倍首相は会見で、パネルを指しながら「国民の命を守るため」を連発しました。これまで「米軍を守るため」「何もしなければ日米同盟が崩壊する」と説明していたのに急に目的を変えています。感情や善意に訴えて、批判をかわし受け入れさせようとの意図が見え見えではないでしょうか。しかもこの事例のような、米艦への攻撃やそれに日本人が乗っていること自体、非現実的な想定だと批判の声が上がっています(与党の公明党からも)。
 仮定の事例の一場面を切り取って「こんな時何もできない」と迫られて、わかりました、というような単純な問題ではありません。問題の本質は何か、ともに考えましょう

(組合ニュース 5229号 2014年5月20日より)

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