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阪南中央病院労働組合の要求/見解/主張



堺市で「『慰安婦』問題について政府に誠実な対応を求める意見書」が可決
署名協力、ありがとうございました!
 3月29日、堺市議会において、「『慰安婦』問題について政府に誠実な対応を求める意見書」が50人中37人の賛成多数で可決しました。組合では一昨年(2008年)9月頃、「日本軍『慰安婦』問題の解決を求める堺市請願署名」を行いましたが、ようやくその署名が実りました。その節は署名にご協力ありがとうございました。
 これまで、堺市に在住する市民を中心に、「慰安婦」問題の真の解決を求め、請願署名が08年12月、09年3月の議会に提出されました。そして地道に議員にコンタクトを取って、日本軍「慰安婦」の問題は被害者が高齢になり緊急の問題であり、「日本女性会議2009」を開催する堺でこそ、戦争時の女性への暴力について問題を発信すべきだというように働きかけが行われました。そしてようやく意見書が採択されたのです。
 日本の敗戦後46年後の91年に被害者・金学順(キムハクスン)さんが「私という証人がいる」と名乗りを上げられました。日本政府の対応は「民間業者が連れ歩いたもので軍・政府は関与していない」と被害者を侮辱し、サバイバー(日本軍「慰安婦」被害者やレイプ被害者)の方達を二重に苦しめるものでした。それから19年が経ちましたが、未だに彼女らを貶める発言が国会議員、マスコミを中心になされて、日本が反省していないことが露呈しています。
 名乗りを上げられる被害者は増えていき、東アジアの韓国、朝鮮、中国、東南アジアのフィリピン、マレーシア、インドネシア、東ティモール、オランダに広範囲に被害者が居ることも分かってきました。「慰安所」(米国では「レイプセンター」と呼ばれる)も太平洋のパプアニューギニアまであったことも分かってきました。戦争の最前線にある地に民間業者が女性を連れて行くことさえ難しいでしょう。また、軍の関与は被害者の証言だけではありません。国会図書館に軍の関与を示す公文書も何件も出てきました。だからこそ国連の国際労働機関(TLO)専門委員会から勧告が何度もあり、去年は解決を促す国連女性差別撤廃委員会の勧告がありました。
 日本政府は、過去に「国民基金」という民間募金の形でこの問題を終らせようとしましたが、それは政府・軍の関与を認めたものでも謝罪したものでもありませんでした。被害者の名誉と尊厳の回復はなされずに、未だに日本の国会議員を中心に被害者を否定する発言が続けられています。それは日本政府が謝罪し、責任を認めていないから繰り返される「セカンドレイプ」に他なりません。
 この決議を受けて、「慰安婦」問題への関心がさらに広がるよう願っています。(K)
(組合ニュース5014号 2010年4月7日 より)

−−−−以下、採択された意見書です−−−−

「慰安婦」問題について政府に誠実な対応を求める意見書

 かっての戦争において、日本が近隣諸国の人々に多大な被害を与えてから、64年が経過する。しかし、いまだに戦争被害の傷は癒されていない。 
 平成19年(2007年)7月にはアメリカ下院議会が、「旧日本軍が女性を強制的に性奴隷にしたことを公式に認め、謝罪するよう日本政府に求める決議」を採択している。
 そして、アメリカの議会決議に続いて、オランダ、カナダ、EU議会などでも同種の決議が採択され、国連などの国際的な人権擁護機関からも早期解決を求める勧告が出されている。
 わが国においては、平成7年(1995年)7月19日、日本政府のイニシアチブにより、「女性のためのアジア平和国民基金」(アジア女性基金)が設立され、国民から寄せられた募金総額5億6500万円余は、フィリピン、韓国、台湾における285名の元「慰安婦」に「償い金」として届けられたという経過があった。
 しかし、平成21年(2009年)7月には国連女性差別撤廃委員会第44会期の最終見解においても、第37項では「慰安婦」の状況に対処するために、日本政府がいくつかの措置を講じたことに留意するが、第二次世界大戦中に被害者となった「慰安婦」の状況の恒久的な解決策が見出されていないことを遺憾に思い、学校の教科書からこの問題への言及が削除されていることに懸念を表明するとしており、さらに第38項においては、日本政府が「慰安婦」の状況の恒久的な解決のための方策を見出す努力を早急に行うことへの勧告が改めて表明された。
 よって、国及び政府においては、「慰安婦」問題の真相究明、被害者の尊厳回復とともに、女性に対する暴力などの今日なお存在する女性の人権侵害の解決に向け、誠実な対応をされるよう要望する。
 
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成22年3月29日
  堺市議会  (原文のまま)


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