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阪南中央病院労働組合の要求/見解/主張



朝鮮学校の高校無償化からの排除反対!
新たな民族差別を許してはいけない!
  鳩山政権がこの4月から実施しようとしている高校授業料の実質無償化について、朝鮮高級学校を対象から外そうという動きが強まっています。中井拉致問題担当相、鳩山首相そして橋下大阪府知事も、「拉致問題」「制裁」を口実に、この露骨な民族差別政策を進めようとしています。

生徒たちに責任はない
 しかし、なぜ朝鮮高校の生徒が「制裁」を受けなければならないのでしょうか?生徒たちには何の関係も責任もありません。「拉致問題」と学ぶ権利の保障は別の問題です。無償化からの排除は、子どもたちの教育を受ける権利を侵害するものです。国連の人種差別撤廃委員会の議論でも、この「差別的措置」は人権保護の点から問題がある、と懸念する意見が出されており、国際的にも日本の人権意識、民主主義が問われています。

日本の高校と変らない
 無償化から除外することを主張する人々は、朝鮮学校と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)や朝鮮総連との関係をしきりに強調し、偏見をあおっています。しかし朝鮮高校に通う生徒は、「朝鮮籍」の生徒ばかりではありません。今や半分以上が韓国籍と言われていますし、日本国籍の生徒もいます。彼らは自らの国籍に関わらず、朝鮮半島にルーツを持つ者として、民族の歴史・文化・言葉を大切にしたい、との思いからそこで学んでいるのです。かといって、授業内容が日本の学校と大きく異なるというわけではありません。朝鮮史、朝鮮語以外は日本の学校と変わりない授業内容です。鳩山首相は、「指導内容が見えない」などと言っていますが、その気があって調べればすぐに確認できることです。

排除でなくもっと援助する歴史的責任がある
 そもそも朝鮮学校で教える民族の歴史や文化は、他でもない日本の朝鮮植民地支配によって一旦は徹底的に奪われたものです。植民地時代、生活のため、または強制連行によって日本に渡ってこざるをえず、戦後も日本に定住を余儀なくされた在日1世たち。彼らが、奪われた民族の文化、誇りを子どもたちに伝えるために、貧しい中から生活費を削り、お金を出し合って学校を設立したのが朝鮮学校の始まりです。しかし日本政府は、敗戦後、朝鮮植民地支配に対しいまだにまともな謝罪や補償をすることなく、朝鮮学校に対しても「各種学校」扱いのまま資金的な援助を行ってきませんでした。植民地支配による加害の歴史を踏まえれば、朝鮮学校やそこに通う生徒たちにこそ、排除でなくよりいっそうの手厚い援助をしなければならないはずです。

朝鮮学校への卑劣な攻撃は許せない
 昨年、右翼・民族差別集団が、京都の朝鮮初級学校に押しかけて「朝鮮人は北朝鮮へ帰れ」などとどう喝をかける事件がありました。朝鮮学校に通う子どもたちは、いつどこで攻撃を受けるか分からない、日本人は守ってくれない、そんな不安や恐怖を強く持ったことでしょう。朝鮮学校を無償化から排除することは、このような危険な動きを後押しする犯罪的行為です。過去も政府が「核疑惑」をあおり「チマチョゴリ切り裂き事件」が相次いで起こりました。これ以上の朝鮮学校と生徒たちへの卑劣な攻撃を許してはなりません。
 「他民族を抑圧する民族は、自由ではありえない」という言葉があります。みなさんも自分の人権の問題として、考えてください。(K)

(組合ニュース第5132号 2010年3月9日より)

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