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私たちの訴えと取組み

5/14〜16 沖縄フィールドワーク&「人間の鎖」行動に参加して


 5月14日夜〜16日、計8名で沖縄フィールドワーク&普天間基地「人間の鎖」行動に参加してきました。「人間の鎖」行動は、1万7千人の参加で普天間基地完全包囲に成功。普天間基地の撤去と新基地建設を許さない民意をアピールする行動となりました。
 しかし、鳩山政権は「最低でも県外移設」との「公約」を破り、普天間基地を辺野古に移設する案を沖縄に押し付けています。組合は、引き続きこの課題に取り組んでいきます。参加者の旅行記を掲載します。

辺野古で基地建設反対の運動を知る

 一日目は、まず普天間基地の移設地に指定された本島北東部の名護市辺野古沖へ。新基地建設反対の座り込みをしているテント小屋を訪問。名護に移り住み、基地建設反対運動をしている金治明さんにガイドをお願いしました。お話から、このあたりの大浦湾を軍港にする案が1966年頃から出ており、この地域がアメリカ側にとって非常に重要な場所として狙われてきたことがわかり、また普天間基地移設反対で14年間の座り込み・阻止行動を続けてきたおじい、おばあ達や支援者の方々の闘い、その中での苦悩と誇りを感じました。辺野古の海岸に行くと、突如鉄条網が立ちはだかり米軍基地「キャンプ・シュワブ」への立ち入りを阻んでいました。ここには頭上に監視カメラがあり美しい海岸なのに物々しい雰囲気でした。次に、高台にある沖縄工業高等専門学校から辺野古の集落ときれいな海を見渡し、この美しい自然とジュゴンなどの希少生物たちの生活を壊してはいけないと感じました。

「恐怖」を感じた ホワイトビーチ

 辺野古から南下し、左右に広がる基地の間をぬって東部の勝連半島の「ホワイトビーチ」という米軍基地へ向かいました。細い住宅街を抜け高台にある公園の展望台へ上がると眼下には軍港が広がっており、びっくりしました。ここにはよく原子力潜水艦が寄航し、周辺住民は放射能汚染の危機にさらされているとのことです。振り向けば閑静な住宅が立ち並び、初めてみる光景に言葉がなく「恐怖」という素直な気持ちが湧き上がりました。

基地に慣れてしまった意識を見直す

 その後、嘉手納町の「道の駅」の展望台からホワイトビーチよりさらに広大な、極東最大の米軍「嘉手納基地」を見渡しました。が不思議と恐怖感は湧いてきませんでした。この気持ちはなぜだろうと考えた時、「慣れ」という言葉が浮かびました。私は5年間沖縄に住み、嘉手納基地を何度も見てきました。この光景を見慣れてしまっていたのかも知れません。
 今年5月15日に沖縄返還から38年を迎えた沖縄。復帰の年に生まれた子どもたちは38歳です。生まれた時から当たり前のように存在する基地・戦闘機の爆音に、慣れさせられていく生活を思い浮かべました。だからこそ一人でも多くの人が沖縄を訪れ、美しい自然と豊かな文化を感じフェンスの外に追いやられた沖縄の心を感じていかなければと感じました。

ガイドさんの言葉が心に響いたガマ

 2日目は南部にある糸数アブチラガマという、戦時中に病院として使用されたガマ(鍾乳洞)に入りました。ドシャ降りの雨だったため、壕の中でもポタポタとたくさんのしずくが落ち、足元は滑りやすく、天井も所々低い。ヘルメットと懐中電灯を使用しながら、約40分間ガマの中を歩きました。ガマの一番奥にある場所は、小さな部屋のようになっていて、戦争で負傷し手の施しようがなくなった日本兵が食糧も水も与えられず、ただ死を待ったという胸の痛む場所でした。そこで一度懐中電灯を消し真っ暗な中で手を合せました。
 ガマの中を案内をしてくれた方は、沖縄戦で祖父を亡くされたそうで、話される言葉すべてが心に響きました。ガマの出入りの際に、ガマに向かい深々と頭を下げてあいさつをされていたのが印象的でした。

豪雨の中、1時間の「人間の鎖」行動に参加

 いよいよ16日午後は、普天間基地を囲む「人間の鎖」に参加。この日は沖縄中部は大雨警報。土砂降りと時折の突風のなかで、開始前から靴やズボンも水浸し状態。ここまできたら開き直るしかありません。2時から開始、30分ごとに計3回手をつなぎました。途中、雨がやんだ時には、チャンゴでリズムを奏でる人たちや、手拍子でリズムをとりながら盛り上げる人、ギターを弾きながら反戦の歌をうたう人などが次々登場、楽しい行動となりました。約1万7千人が参加したといわれるこの行動に、微力ながら参加し、以前沖縄に住んでいた一人として、普天間基地の早期返還の声をあげることができてよかったです。改めて基地のまち、沖縄の不自然さを感じることができ、この企画に感謝しています。(山)




(組合ニュース5138号 5月28日より)

(2010年6月9日)

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