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その土に座して奥底から沸々する感激は、深く帰依していた父の血だろうか。それに日本人の歴史・文化の根源、佛教の源泉の地ナノダ。 |
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ムルガンダクティー寺院には日本人画家の野生司香雪(のうすこうせつ)の釈迦の生涯を描いた壁画が良い状態で在った。もう70年以前に描かれたものだが素晴らしい作品である。もろもろの苦労の末に完成されたと知る。 |
![]() タージマハールを歩く人達。 |
![]() 庭のチェス盤、昔は人が駒になったそうだ。 |
![]() 法会, 1974, 油彩・パネル、20号 |
思いもかけず白髪氏のコレクターから貴重な資料を沢山お譲りいただいた。しかも殆どサイン入り。
整理しながらふと目にした対談の密教との関わりについてのくだり、これは白髪氏の制作の神髄、キーワードだと思った。 「ぼくの場合は、自分が絵を描く状態というものとか無意識のうちの意識みたいなものですねぇ、それからまぁ非常に必要なような気がするというところで、それがまぁ、密教が一種の恍惚状態に至達するのがひとつの、なんとゆうか目的のようらしいんけどねぇ。それと関係があるような気がするんです。(1974年東京画廊—白髪一雄展—カタログより)」 この言葉を反芻しながら改めて作品に対峙すると観る者の波長が共鳴していく。 |
最近珍しい白髪氏の作品を入手した。このようなカラフルで軽やかな作品は始めてだ、目にするのは。 神戸の月刊センターの「センター」の表紙絵に使われ<表紙絵によせて>とお若い白髪氏の写真と文が載せてある。 〜十二月になると町は慌ただしくなり、ジングルベルの音楽がわれわれの生活をせわしくかきたてる。クリスマスが近づくとすぐ次はお正月で大人は忙しいが、子どもはプレゼントやお年玉に期待して胸をふくらませる。 聖画のキリストやマリアの像のはるか上を、エンゼルが羽根を羽ばたかせながら、楽器を奏でたり、弓矢を持ったりして舞っている。十二月やクリスマスとゆうとこのイメージが浮かんでくるが、仏教では極楽変相図というものがあって、阿弥陀様を中心にいろんな菩薩が楽しげに、衆生と共にこの世界の安楽を享受しておられる様が描かれている。 その図の上方にエンゼルと同じように楽を奏しながら飛天はとんでいるのである。美しい天衣をたなびかせながら〜 |
![]() 「飛天」1983年、72.8x60.8cm, 20号 |