第三十回坂東吟行 第七番札所  金目山光明寺

 

平塚から秦野へ向かう中間地点に金目があり、その街道に沿って流れる金目川のほとりに金目観音の光明寺があります。本尊聖観世音菩薩は、大宝二年(702)現在の大磯町小磯の浜で見つけられた七寸ほどの金像といわれます。開山道儀上人が光明寺をお建てになり、この霊像を奉安されました。その後、行基菩薩が作られた観音像の体内に安置されました。この五尺九寸の木像が現在金目観音と呼ばれる本尊です。鎌倉時代以降天台密教霊場として栄えました。また、境内には寛政末年頃建てられた万句碑があります。



◎開催日 平成十九年十月七日(日)
◎日 程
十時 
十三時三十分
十六時三十分
金目観音集合
出句締切 三句出句 三句選
句会終了
◎句会場 平塚商工会議所

主宰ご出句
 

秋のこゑ関八州の晴れわたり

白曼珠沙華白光を吐き了る

ひざまづくあした一叢花すすき 

 
 
 

秀句
 

起きて秋晴金目観音もまた

十月の磧捨てゆく己が影

遠富士を橋に出て見る秋暑し

秋声を聴き分けてをり聖観音

さやけしや心の奥へ聖観音

秋麗やひかりに溶けててぐす糸 

天高く鰐口の音太かりし

爽涼の木に戻らるる木の仏

たどり着く坂東七番秋の声

どの家も渋谷てふ姓秋祭 

秋祭影絵のやうに富士の山 

秋祭大慈大悲の風吹きぬ

秋祭音色かろやか橋袂

秋虹をくぐり巡礼者となりぬ

巡礼の胸に帽子に赤い羽根

関八州遍路八年秋深む

秋深き観世音御背の榧大樹

菊月や供花ことごとく日をあつめ

白芙蓉夫婦和合を誓ひけり

境内の片隅冷やすみむらさき

さらさらと眼を流る秋の川

一筋のひかりとなりぬ秋の川

秋祭川にお囃こだまして

上流に蕎麦の花咲くひとところ

うしなふものうしなひゆきし秋の川 

遠富士や秋日きららと金目川

うちとけて長月金目川流れ 

鮎落ちて白き川原に白き蝶

落鮎の川巡礼のぞろぞろと

落鮎のきらきらきらと飛鳥仏

落鮎のきらめき跳る竿の先

落鮎を釣る人の背を見てゐる背

落鮎の無口なひとの手のなかに

秋祭詰所のまへは鮎の川

落鮎の川より山車の来たりけり

鮎落ちて光の川となりにけり

落鮎の桜樹の下に釣られけり

鐘の音秋蝶のゆくところまで

三十回七番札所大やんま

とんばうもわらぢも肥大金目山

とんばうや橋の向うに友の家

釣合をとること能はず秋の蝶

止まらない止まる止まれば赤とんぼ

留守の庭茣蓙一枚の籾と犬

やはらかに押し返しゆくすすきかな

腕を組み富士眺めをり花すすき

秋うららつりがね最中足柄茶  



二宮 操一

寺澤 慶信

盛田 道子

加藤多美子

湯本 知代

植村やよひ

早田 保子

出口 節子

山本 陽子

成岡ミツ子

軽部 梢

深津 瑩子

鎌田 明子

浅井 敏子

荒木 久子

田中 修明

高橋ほつ枝

永井 道子

藤田 惠里

柳 静子

城下 洋二

桑田津海坊

小木曽仁子

有住 洋子

はたちよしこ

佐藤 古城

宮野紫乃ぶ

名取 里美

深津 健司

岩井久美惠

伊藤 初恵

水野 浩子

智久 薫子

小松勢津子

小池 啓子

武井 伸子

中村 朋子

小久保 寛

後藤 洋

剱持 育代

澤 康子

古橋 淑子

三木 潤子

岩谷美津子

大貫 瑞子

尾崎じゅん木

上村 章子






 
 

記録:後藤洋




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