第二十五回坂東吟行 第二十番札所 獨鈷山普門院西明寺

 
 里山に囲まれた静かな山寺−−という趣きの西明寺。天平九年(737)行基菩薩の草創で、本尊は十一面観世音菩薩である。弘法大師が巡錫の折、山内に十二坊を設け、、「獨鈷山西明寺」と称し隆盛を極めた。その後幾多の変遷を経て、現在仁王門、三重塔、本堂、閻魔堂等が残り、文化財に指定されている。特に、三重塔は1537年西明寺城主益子家宗の建立で、和様唐様の様式をもつ。本堂は治承年間の建立といわれる。境内には、椎林叢や珍しいシカクダケ群生がある。また益子町は「益子焼」の産地。民芸運動の拠点として大正時代から内外の陶芸家を受け入れてきた。
◎開催日 平成十八年八月二十七日(日)
◎日 程
十時 
十三時三十分
十六時三十分
西明寺集合
出句締切 三句出句 三句選
句会終了
◎句会場 芳賀青年の家

主宰ご出句
 


露けしとなつかしと瞑りけり

邯鄲や庄司好みしおまんじゅう

 
 

特選句
  穂となりぬ青田だんだん穂となりぬ
大笑顔閻魔大王益子秋      
奪衣婆の昏き眼に汗すひとられ  
そば畑に卵産みたててふ札が    
土室の土秋蝉の沁むばかり    
蟻地獄天辺を雲流れけり     
降らず照らず坂東吟行秋の蝉    
新涼の水こんこんと閻魔堂    
土間の闇うつはの縁の秋の光    
奥深く点す秋燈西明寺      
稲の秋惑星ひとつ名を消して   
十一のおんかんばせの愁思かな  
初秋や土間の靴跡崩れずに    
稲穂垂る素焼の壷をひとつ置き  
露草の尾根まで濱田庄司窯    
笑ひをる閻魔に向ひ涼新た     

田浦 伊久子
吉成 素子
佐藤 古城
磯野 トシ子
大貫 瑞子
大貫 瑞子
尾木 よね子
安居 須美子
入沢 まき子
海老根 ヨシ子
岩井 久美惠
深津 健司
古橋 淑子
鳥井 月清
寺澤 慶信
風間 博明





 
 

記録・写真:後藤洋




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