第二十四回坂東吟行 第二十三番札所 佐白山観世音寺

 
 開基は狩人の粒浦氏。「佐伯山縁起」によると、白雉二年(651)、粒浦氏が獲物を占ったところ、鏡の中に、霊木を護る白馬、白鹿、白雉が表れたので、仏師に言って観音像を刻ませ、山号を「三白山」としたと寺伝にある。鎌倉時代の建保二年(1214)、土地の豪族笠間時朝は、この寺を滅ぼしたが、後に佐白山頂に観音堂を再建、焼失させた本尊に代わる千手観音を刻ませた。以来、笠間氏の庇護のもとに栄えたが、戦国時代に笠間氏が亡びると共に寺も衰亡した。昭和に入り、現在地に仮堂が建ち、無事であった本尊をお迎えして今日に至っている。なお、笠間市は笠間稲荷と笠間焼きで全国に知られている。。
◎開催日 平成十八年五月二十一日(日)
◎日 程
十時 
十三時三十分 
十六時三十分 
佐白山観世音寺集合
出句締切 三句出句 三句選
句会終了 
◎句会場 古美術の宿−ホテル山の荘

主宰ご出句
 


武具飾る真正面に筑波山

句狂人農夫緑愁時鳥

坂東のひたち野の桐咲き揃ふ

 
 

特選句
  ほととぎす石切唄はこの地より 
登り窯とはひろびろと桐の花  
身に浴ぶる風と朝日や遠青嶺  
竹皮を脱ぐ正面に鎧櫃     
常陸野やけぶれるものに桐の花 
万緑や準備万端整いて      
どこまでも八溝山系明易し   
風薫る山上鐘楼に鐘のなし   
そのかみの官女の匂い八重の藤 
青葉の闇に奉る細き灯を    
夏うぐひす空に空いろよみがへり
山も田も水もまみどり桐の花  
箸箱を添え観音に豆ごはん   

小池 啓子
岩井 久美惠
二宮 操一
川崎 柊花
今野 志津子
中島 千鶴子
齋藤 秋声
植木 緑愁
岩井 久美惠
深津 健司
門奈 明子
寺澤 慶信
植村 やよひ






 
 

記録・写真:後藤洋




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