第二十三回坂東吟行 第二番札所  海雲山岩殿寺

 
 徳道上人(656〜735)と行基菩薩の二人の高僧を開基としている。徳道上人は大和の国(奈良県)の長谷寺を開山された方である。
山号の「海雲山」の由来は当山大悲殿(観音堂)より見渡すと、近くは相模湾に面した逗子の海を、遠くは三浦半島はもとより伊豆や房総の半島を一望にできる絶景の地であることによる。また、山号の「岩殿寺」は境内が岩で覆われていたことに由来している。本寺は源氏一族の帰依が厚く、特に頼朝は生涯守り本尊として参詣を欠かさなかったと伝えられる。
◎開催日 平成十八年二月二十六日(日)
◎日 程
十時
十三時三十分 
十六時三十分 
岩殿寺集合
出句締切 三句出句 三句選
句会終了予定
◎句会場 逗子 松汀園

主宰ご出句
 


山上の雨昏々と紅椿

梅椿水仙山の雨あふれ

かの谷の淡紅梅の香なりけり

 
 

特選句
  梅の香にまっすぐ雨の降りにけり  
如月や見えない島を指さして    
遠くの山も濡れてゐる余寒かな   
どんな日も側に居ります藪椿    
雨の日の庫裏の廊下のシクラメン 
梅しづか雨の寺とはまたしづか   
蜜を吸ひ春雨を吸ひ飛びたちぬ  
浮く椿沈む椿を鏡花池        
春の闇眼こらせば観世音       
雨音のそして雨音梅の寺       
浜辺まで波聴きに出る遍路かな   
雨光る苔梅が枝に松が枝に     
梅の雨遠くに海が白く見え      
紅椿海の方へところがりぬ      
山芽吹くてのひらほどの太子像   
坂東吟行余寒の雨を分かちあひ  
たつぷりと濡れたる椿拾ひけり   
山を守り寺を守れる梅白し      
いただきに椿の冷ゆる今朝の雨   
雨音を聴く観音堂梅椿        
椿掃くしづかな雨のその朝に     
鳥井 月清
水巻 令子
牛山 美代子
安達 美和子
石川 秀治
川崎 柊花
深津 健司
上村 章子
深津 健司
森田 正実
寺澤 慶信
中村 朋子
盛田 道子
尾崎 じゅん木
有住 洋子
川崎 柊花
大貫 瑞子
石川 秀治
中村 朋子
半田 里子
半田 真理








 
 

記録・写真:後藤洋




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