第十五回坂東吟行 第二六番札所南明山清瀧寺

 
平成16年2月15日
句会場:国民宿舎「つくばね」

主宰ご出句
  二ン月の線条枝垂櫻かな
  荒東風や小町の墓所にどやどやと
  田螺鳴くひとりひとりにチョコレート

特選句
  巡礼となり如月の風となり 八木 實



  初蝶のちからを矯めて飛び翔ちぬ 田中 修明
  かすかなる火の匂ひ持ち芽吹きけり 篠田 くみ子
  春の山おなかがすけば空気吸ひ 水巻 令子
  春一番小町の墓に乳母車 伊藤 通子
  月の桂といふ梅のひらく里 松本 軍治郎
  猫の子の仏頂面や篭の中 浅井 敏子
  春ショール小町の戒名記憶して 岩井 久美恵
  畦道を踏む父の灰踏むごとく 水巻 令子
  剪定の鋏のひかる柿畑 飯倉 あづま
  じじばばの平和に住みて梅真白 大平 洋子
  新治の空を鏡といぬふぐり 中村 祐治
  春一番二番小町の五輪塔 深津 健司
  春の日や飛龍子さんもお元気で 大平 洋子
  垣繕ふ竹林に風とぢこめて 今野 志津子




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